今年は、世界遺産「清水寺」の舞台が見られない。

京都にある世界遺産の中でも、ダントツといえる知名度と人気を誇っているのが清水寺。境内には着物姿の若い女性やカップルが目立つが、今やその過半数はアジア系の外国人。八坂神社から二年坂に出て、判で押したように清水寺までやってくるからたまらない(笑)。

清水寺へのアクセスは「清水道」と「茶わん坂」の2本あるが、空いているのは「茶わん坂」だ。

道の途中に市営駐車場はあるのだが、まず朝一番でなければ入れない。

クルマで行くなら東山通り沿いのコインパーキングに停めて坂を登っていくしかないが、季節によって料金が変わるところが多い。同じ200円でも10分なら1時間1200円になる。民間のコインパーキングには、この「時間設定」を変えてくるところがあるので、入庫は「正確な料金を計算してから」にしよう。

さて。清水寺を訪れる人のお目当てといえば、世に云う「清水の舞台」だと思うのだが実は当面の間この景色は見られない。

なぜなら、現在「清水の舞台」は改修工事の真っ最中なのだ。

徳川家光による再建から380年あまり、前回の昭和の大改修からでも約50年が経過した清水寺では、現在改修工事が行われている。本堂の屋根の修復工事は、2020年3月までの予定。

ただし期間中も拝観は可能で、舞台への立ち入りはできるが、屋根は覆いで隠れるため、写真のような舞台絡みの紅葉や桜の景色を目にすることはできないわけだ。

余談になるが、日本人でも清水寺の「舞台」に続く言葉が出てくる人は少ないと思う(笑)。

清水寺は広隆寺、鞍馬寺とともに、平安京遷都以前からの歴史を持つ古い寺院で、伝承されている草創縁起は、奈良時代の宝亀9年(778年)まで遡る。清水寺では、延鎮(えんちょう)上人を創始者(開山)、坂上田村麻呂を発起人(本願)としているが、建立のきっかけはそのふたりの出会いにあるという。

観音様のお告げを受けて、音羽山に入山していた延鎮上人は、妻の安産のために鹿狩りにやってきた坂上田村麻呂に対し、殺生の罪を説いた。その話に感銘を受けた坂上田村麻呂は、自邸を本堂として寄進する。

その後征夷大将軍となり、東国の蝦夷平定を命じられた田村麻呂は、自身が建立した清水寺に平定祈願の参拝を行い、戦いに臨む。すると若武者と老僧(観音の使者である毘沙門天と地蔵菩薩の化身)が加勢に現れ、田村麻呂は見事に勝利し、無事に都に帰り着いた。

延暦17年(798年)、田村麻呂は延鎮と協力して本堂を大規模に改築。観音像の脇侍として地蔵菩薩と毘沙門天の像を造り、ともに祀った。それが現在の「清水の舞台」で知られる伽藍である。

平安時代初期の清水寺は、朝廷からの庇護を受けて発展するが、後半からは延暦寺との抗争や応仁の乱に巻き込まれ、伽藍は康平6年(1063年)から寛永6年(1629年)までの短い間に、記録に残るだけでも9回の焼失を繰り返している。

荒廃した清水寺を再興したのは、江戸幕府の三代将軍徳川家光。清水寺に現存する建物多くは、江戸時代初めの1633年に再建されている。

あまり知られていない、西郷隆盛とのゆかり

幕末の清水寺には、西郷隆盛と縁の深い住職がいた。

清水寺の住職と云えば、「今年の漢字」を書く森清範(もりせいはん)和尚や、日本初の五つ子の名付け親で知られる大西良慶(おおにしりょうけい)和尚が有名だが、歴史ファンなら「月照(げっしょう)上人」の名前を知らぬ人はいまい。

月照上人は「塔頭(たっちゅう)」と呼ばれる清水寺の脇寺にあたる成就院の住職だが、尊皇攘夷に傾倒して京都の近衛家と親交を持っていたことから、同じく尊皇攘夷派であった島津斉彬家臣の西郷隆盛とここで出会い、会談を重ねるうちに強い絆を抱くもの同士になる。

島津斉彬が急死したことを知った西郷どんが、後を追って殉死しようとするのを、月照上人が諭して止めた話は有名だ。

しかし、月照上人は安政の大獄で幕府から追われる身となる。西郷どんの手引きでなんとか薩摩まで逃れたものの、斉彬の跡を継いだ久光は、厄介者である月照の保護を拒否。覚悟を決めた西郷どんと月照上人は、日向への移送中に錦江湾に入水し、ともに自殺を図る。だが西郷どんは引き上げられて息を吹き返し、月照上人は非業の死を遂げた。

成就院の境内には、月照上人と実弟で代わりに囚われ、獄門に遭って亡くなった信海上人の歌碑と、ふたりの17回忌に西郷隆盛が詠んだ弔詞碑が立つ。

成就院は基本的に年2回の特別公開時にしか見学はできない。

この時は「月の庭」に加えて、入水時に月照上人と西郷隆盛が着ていた着物と、先ほどの石碑に刻まれた西郷の弔詞の直筆書を見ることができたが、西郷どんは実に達筆だった。

なお清水寺では、月照上人の命日である11月16日に「落葉忌」として法要を行っている。

清水寺オフィシャルサイト

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