紅葉も桜も美しい、嵯峨野の世界遺産・天龍寺

京都でも指折りの紅葉スポットとして知られる天龍寺は、臨済宗天龍寺派の大本山で、暦応2年(1339年)に足利尊氏が後醍醐天皇の菩提を弔うために創建した。

別格に位置づけられた南禅寺に次ぎ、京都五山の第一位にランクされる格式を誇り、「古都京都の文化財」として世界遺産にも登録されている。

サラッと次に進んでもいいのだが、こう書かかれると「京都五山ってなんだろう?」、あるいは「足利尊氏と後醍醐天皇、どこかで聞いたことがあるよな?」と次々に疑問が浮かび、なかなか前に進めなくなる。

筆者はその典型的な人間だ(笑)。

京都五山の話は、いずれ南禅寺のことを書く日が来たら、そこで詳しく触れるとして(笑)、とりあえず足利尊氏と後醍醐天皇の関係をダイジェストで紹介したい。

後醍醐天皇は、鎌倉幕府を倒し朝廷に政権を奪回した天皇で、それに加勢した有名な武将が、楠正成と新田義貞、そして幕府から寝返り、味方についた足利尊氏である。その後醍醐天皇が行った政治が1333年の「建武の新政」。たぶん一度は耳にしたことがあると思う。

しかし、公家を重用する「建武の新政」は武士に不評で、二年余りで足利尊氏は謀反を起こすことになる。一時は九州まで追い払われるものの、そこで勢力を立て直した尊氏は、再び京へと攻め上り、かつての盟友だった楠木正成、新田義貞を打ち破る。やむなく後醍醐天皇は吉野に逃れ、足利氏の立てた持明院統の光厳上皇「北朝」に対抗すべく「南朝」を立てた。それがいわゆる「南北朝時代」の始まりだ。

3年後、夢破れた後醍醐天皇は、遠い吉野の地で崩御する。

冒頭で書いた通り、足利尊氏は亡くなった後醍醐天皇の菩提を弔うために天龍寺を建立するわけだが、もともと好きで後醍醐天皇と対立したわけではなく、亡くなるまでに和解できなかったことを悔やんでいたともいわれている。

当時の室町幕府は戦費がかさんで財政が苦しく、造営に際して尊氏や光厳上皇が荘園を寄進したが、それでも費用は足りず、元冦以来途絶えていた元との貿易を再開し、その利益を造営費用に充てることを計画する。そしてなんとか造営費の捻出に成功し、天龍寺は康永4年(1345年)に無事落慶を迎えた。

駆け足ではあったが、とりあえず天龍寺建立にいたる背景がわかったところで、さっそく中へ入るとしよう。

総門あるいは南門から入ると、左手に禅宗七堂伽藍のひとつである法堂(はっとう)が見えてくる。法堂とは「説法堂」を意味し、住職が仏に代わって民衆に説法をする場所のこと。もともあった天龍寺の法堂は、1864年(元治元年)の兵火で焼失したため、明治になって江戸後期建立の雲居庵禅堂(選佛場)を移築しており、仏殿としても使用されている。

有名な雲竜図はこの建物の天井に描かれているが、見られるのは春と秋の特別公開の時に限られる。見学には500円が必要だが、龍雲図だけでなくに正面須弥壇に安置された釈迦三尊像と、後の壇に祀られている光厳上皇の位牌および、開山・夢窓疎石と開基・足利尊氏の木像が見られることを考えれば高くはない。

このあたりの価値観が、「予習」しているかどうかの違いなのだ。

法堂の次に見たいのは、同じく有料となる庭園と本堂(方丈)だ。ここでは迷わず両方見学できる800円のチケットを買おう。

方丈(ほうじょう)とは住職が住む場所のこと。天龍寺には大方丈と小方丈があり、小方丈は書院として利用されている他、来客の接待や法要・行事などに使われている。

1899年(明治32年)に建立された大方丈は、西側が曹源池庭に面しており、特に秋は縁側からの眺めが美しい。

また、襖にはみごとな雲龍図が描かれており、法堂で見逃した人を喜ばせてくれるだろう(笑)。

そしてこちらが、開山・夢石疎石が作庭した曹源池庭園。背後の嵐山と亀山を借景に、中央の曹源池を巡る池泉回遊式庭園で、創建当時の面影を伽藍内で唯一留めていることから、日本最初の史跡・特別名勝に指定された。

こちらは春の曹源池庭園。ここだけを見ると秋のほうがずっといい。と思われがちだが、実は違う。

曹源池庭園の散策コースを多宝殿のほうに進んでいくと、たくさんの枝垂れ桜が植えられた別世界が広がる。

さらに奥に進むと、桜だけでなく、数多くの花を咲かせる木々が植えられた庭もあり、ちょっとした植物園のようになっている。

さらに、高台からは境内とともに嵯峨野の町も見渡せる。

秋もいいが、天龍寺は春もまた気持ちが安らぐ場所である。確かに拝観料は高いが、2つのお寺を周ったと思えばいい(笑)。そのぶんゆっくり見ていこう。

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