良くも悪くも、雲南・奥出雲を面白くしているのは、スサノオ

これは雲南・奥出雲に限ったことではないが、島根半島を旅する際に気をつけるべきことは、「神話」に惑わされないことだ。

わかりやすく云えば、「神話」を飯のタネにしている観光地と、史実や考古学に基づく史跡や遺構を見分けるということになるのだが、島根半島で神話を全面否定してしまったらつまらない(笑)。

事実を知りつつ、寛容に振る舞うのが大人というもの。ディズニーランドに住んでいるミッキーとミニーが、「きぐるみ」であるのを知りながら、童心にかえって追いかけるのと同じである(笑)。

ゆえにオオクニヌシが主役の出雲大社では、2本の内容が異なるガイドを用意しているのだが、雲南・奥出雲ではスサノオが主役だ。

そしてやはりここにも、「ヤマタノオロチ・テーマパーク」が存在する。

さて。ここで超ダイジェストに、スサノオのプロフィールを紹介しておこう。

スサノオは日本神話に登場する神様で、姉はアマテラス。乱暴を働き高天原を追放されるが、出雲でヤマタノオロチを退治し、この地を繁栄に導いた。

実はこの短い文章には、創作と事実が含まれている。

なぜなら「古事記」に記されたスサノオとアマテラスの関係は、それを編纂した持統天皇チームによる「創作」の可能性が高く、「ヤマタノオロチ」の話も、普通に考えればあり得ない(笑)。

その根拠には、「古事記」ではスサノオは神速勇猛な荒ぶる神と描かれているが、「出雲国風土記」は穏やかで平和な須佐の長としてその姿を記し、天孫系の神との血縁関係には全く触れていないことが挙げられる。

また「出雲国風土記」には、ヤマタノオロチの話は片鱗すらも書かれていない。

ゆえに、前半は「でっちあげ」だが、最後のこの地を繁栄に導いた」のは事実だと思う。

斐伊川が流れる雲南から奥出雲では、古くから砂鉄と木炭から鉄を作る「たたら製鉄」が盛んに行われてきた。現在でもここは、日本刀に欠かすことのできない「玉鋼」を唯一生産できる場所として、その世界ではよく知られている。

日本に鉄の文化を運んできたのは紛れもなく渡来人だと思うが、スサノオにも鉄や火にまつわる伝承がある。

神様にはそのモデルとなった実在人物がいるという話をこちらの記事に書いているが、なにがしかの功績や地域貢献がない人物を、「神様」に祀るというのは聞いたことがない。

雲南と奥出雲には、須我神社を筆頭に熊野大社や八重垣神社など、スサノオを祀る社は多い。オロチを本当に退治したのならそれも分かるが、「創作話」にそこまで昔の人が手を貸すだろうか… 

この続きは、ヤマタノオロチ伝説のパワー・スポットを巡礼する。」で(笑)。


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