東京・中目黒にある「蕎麦ダイニング 錦織」のルーツは、奥出雲の「山県そば(やまがたそば)」

「山県そば」は、「ヤマタノオロチ伝説」が残る奥出雲の小さなそば屋で、近くに「日刀保( にっとうほ )たたら」の建物が見えるところにある。

この日、筆者は「斐乃上温泉」の取材で奥出雲を訪ねたのだが、ちょうど昼食時にさしかかり、それならということで「出雲そば」を食べることにした。ただ、さすがに「適当に」というわけにはいかず(笑)、地元の人気店をネットで探した結果、この「山県そば」が見つかった。

ウェブサイトによると、「山県そば」は地元奥出雲町で栽培している「横田こそば」という稀少な在来種を使っているとのこと。「横田こそば」は改良種に比べて蕎麦の実が小さく、粉にすると「歩留まり」が悪いため敬遠されがちだが、蛋白質の含有率が高く、味は濃厚で美味しいという。

「山県そば」では、それに奥出雲の湧き水をまぶし、「ニハ」にして手打ちする。「そば切り」はやや太めながら、喉ごしはよかった。

何よりセットで出てきた「そばがき」には驚かされた。これは今では滅多に口にすることがない代物だ。加えて、そばつゆは甘さ控えめで、東京の人でもあまり抵抗感がなさそうに思えた。

ここは話の後半に続く大事なポイントなので、覚えておこう(笑)。

さて。店の作りはいたってシンプル、座敷とテーブルで全部で30名ほどしか入れない広さだが、接客も気さくで居心地がいい。

この日は雨にもかかわらず、地元だけでなく、県外ナンバーのクルマも多く、ご覧の通り路上にあふれるほどだった。筆者は最初、その理由をここが「ヤマタノオロチ伝説」のパワースポットや、「日刀保( にっとうほ )たたら」に近いからだと思っていた。

だが、たぶんそれは「勘違い」だ(笑)。

2017年に公開された映画「たたら侍」は、この奥出雲で撮影されているのだが、そのエグゼクティブ・プロデューサーは元EXILEのHIRO氏で、監督は「Railways」で知られる、地元出身の錦織良成氏だ。

HIRO氏は撮影や打ち合わせに何度か奥出雲に来ているうちに、「出雲そば」の虜になってしまったらしい(笑)。

それが講じて、2015年の3月に中目黒に「蕎麦ダイニング 錦織」を出店するのだが、その際に料理長が修業したのが、この「山県そば」だと云われている。

本当は裏話なのだろうが、この手の話が広まるのは実に早い(笑)。とはいえ、味はお墨付きなので、奥出雲に行くなら土産話のいいネタにはなると思う(笑)。

営業日時 10:30〜17:00 (Lo.16:30)・水曜定休
休業日 水曜日
島根県仁多郡奥出雲町大呂515
☎0854-52-1149

「出雲そば」の特徴と、お勧めの食べ方