6月30日(月)
早朝4時。
昨日、サロベツ沖に美しく消えた太陽が、再び稚内の港の向こうから戻ってきた。
いよいよ今日から北海道取材前半戦のヤマ場、礼文島に乗り込む。

稚内から礼文島に渡るハートランドフェリーの所要時間はおよそ2時間。観光客がもっとも増えるこの時期は1日5便が往復する。今後の予定を考えると礼文島に割ける時間は1泊2日ということで、僕らは朝6時台の始発便に乗船した。幸いにもお天気は快晴。晴れ男の本領発揮である。

それにしても...
通常週の平日にもかかわらず、始発便は混んでいた。大半はツアー客のようだ。船内で少し話をしたおばさん達は、昨日宮崎から旭川まで飛んできて稚内泊。今日はまず礼文島に渡って僕等と同じコースを歩いたあと、利尻島に移動して宿泊。翌日は最後に旭山動物園を見て、旭川から宮崎に帰るという。

さて、車を稚内においてバックパッキングで行くことにした理由だが、まずは旅費が大きく違う。片道で書くと、フレンディーサイズで、クルマが18700円に対して人は3800円。往復で正確な差を計算すると、実に26760円になる。
次に礼文島での行動だが、海岸線沿いに続く礼文島の散策コースを車はほとんど通れない。それは島にいる大半の時間、車が不要であることを意味している。
そして最後が宿泊費。交通費の差額を考えれば民宿に泊る手も考えられるが、キャンプならわずか1000円なのである。上高地のように重いリュックを担いで山道を何キロも歩くのなら話しは別だが、港からキャンプ場まではバスで行けるのだから、道具があれば賢明な選択だといえるだろう。
ただし... 車に乗り慣れた人間には、島の少ない便数のバスと、その料金には驚かされる(笑)。3日以上島に滞在したのなら、僕もきっと後悔したに違いない。

宿泊先の久種湖キャンプ場に到着したのは10時前...
さっそく設営を始める。今日のお宿はゴアテックス・トゥリッパー2というワンウォールのハイスペックなテント。吊り下げ式なのでポールが短くコンパクト。立てるのに悩むところがないというのが素晴らしい(笑)。おまけに結露とは無縁のゴアテックスは、遮光性にも長けた、まさにアウトドア御用達の素材である。もっともこのテントを1つ買うお金があれば、礼文島には車で2度も来れるのだが...(大笑)。
さらに、ふかふかの芝生の上に、ウレタンとエアでクッション性を確保するインフレータブルマットを敷けば、そりゃ寝心地が悪いわけがない。爆睡体制の完了である。
身軽になった僕らは早めの昼食を済ませ、早々にスコトン岬を目指した。
そこからの光景がこれだ。


礼文島の西海岸には、昔から8時間コースと名づけられた風光明媚なトレッキングロードが存在する。ただし全行程が24キロもあるため、かなりの健脚でなければ歩けないそうだ。伝説では、そのタフな道のりを歩き終えた男女だけに共有できる思い出と価値観が、恋愛感情を育むことから「愛の8時間コース」とも呼ばれてきた。ただ、今は「花の8時間コース」という16キロの短縮路がその代わりとして紹介されている。
僕達の歩いたコースは、残念ながらここではナイショ(笑)。
それは有料コンテンツの「北海道Bururuu」の中で詳しく紹介をする予定だ。1泊2日でいかに礼文島をうまく回るか... それは僕個人が考えたオリジナルの情報であり、前述した投資を回収するための重要な飯の種といえる。
ただ、花に関してはレブンアツモリソウは既に開花時期が終わっていたし、ウスユキソウは群生地まで行くには遠く、断念した。それでもヨツバシオガマやチシマフウロ、あるいはエゾカンゾウなどの野草はあちこちで見かけることができただけ良かったと思う。もう少し早く来れていたら、もっとタイミングは良かったのだろう。

サイトへ戻り、キャンプ場近くの銭湯へ。
ここでは、もう礼文島のことなら何でも知っていそうな男と出逢った(笑)。彼によれば、今日は2008年でも1.2を争う観光日になることだろうということだった。
写真の通りの快晴に無風...
本州で言えば、ゴールデンウィークの好天時のような陽気は、暑くなく寒くもなく、歩いていても爽快感に満たされた。さすがに神様に感謝をしなければ...
そして、夜は夜でまた仕事(笑)。


7月1日(火)
本日もまた好天。
早朝からテントを片付け、今度は桃岩コースを歩く。
昨日と違うのは風。なるほど、これだと歩くのにも倍疲れる... 銭湯の男はやっぱり正しかった。
昨日歩いた半島にはガス雲がハッキリと見える。もし逆のスケジュールだったら、とても上のような写真は撮れなかったに違いない。
この後ウニを買って、僕等は礼文島を後にした。短いようで中身の濃い2日間だった。

稚内に戻るとその足で温泉へ。
港の駐車場は狭く、ここでバックパッキングの荷物を解き、全てを片付け直した。もう今後はリュックの出番はないのでペシャンコにして収納する。
予想外だったのは稚内での強風。夕暮れ頃にはドアを開けることができないくらいの強さになった為、一度天塩方面に戻り、木立に囲まれた兜沼公園のキャンプ場に避難することにした。
この判断は見事に的中。林間サイトは稚内とは別世界の静けさで、そこでゆっくりとシーフードに舌鼓を打った。この日のメニューはタコシャブと礼文島のウニ。頑張って歩いたご褒美かな(笑)。

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