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2009年6月23日アーカイブ

6月30日(月)

早朝4時。
昨日、サロベツ沖に美しく消えた太陽が、再び稚内の港の向こうから戻ってきた。
いよいよ今日から北海道取材前半戦のヤマ場、礼文島に乗り込む。

 

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稚内から礼文島に渡るハートランドフェリーの所要時間はおよそ2時間。観光客がもっとも増えるこの時期は1日5便が往復する。今後の予定を考えると礼文島に割ける時間は1泊2日ということで、僕らは朝6時台の始発便に乗船した。幸いにもお天気は快晴。晴れ男の本領発揮である。

 

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それにしても...
通常週の平日にもかかわらず、始発便は混んでいた。大半はツアー客のようだ。船内で少し話をしたおばさん達は、昨日宮崎から旭川まで飛んできて稚内泊。今日はまず礼文島に渡って僕等と同じコースを歩いたあと、利尻島に移動して宿泊。翌日は最後に旭山動物園を見て、旭川から宮崎に帰るという。

 

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さて、車を稚内においてバックパッキングで行くことにした理由だが、まずは旅費が大きく違う。片道で書くと、フレンディーサイズで、クルマが18700円に対して人は3800円。往復で正確な差を計算すると、実に26760円になる。
次に礼文島での行動だが、海岸線沿いに続く礼文島の散策コースを車はほとんど通れない。それは島にいる大半の時間、車が不要であることを意味している。
そして最後が宿泊費。交通費の差額を考えれば民宿に泊る手も考えられるが、キャンプならわずか1000円なのである。上高地のように重いリュックを担いで山道を何キロも歩くのなら話しは別だが、港からキャンプ場まではバスで行けるのだから、道具があれば賢明な選択だといえるだろう。

ただし... 車に乗り慣れた人間には、島の少ない便数のバスと、その料金には驚かされる(笑)。3日以上島に滞在したのなら、僕もきっと後悔したに違いない。

 

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宿泊先の久種湖キャンプ場に到着したのは10時前...
さっそく設営を始める。今日のお宿はゴアテックス・トゥリッパー2というワンウォールのハイスペックなテント。吊り下げ式なのでポールが短くコンパクト。立てるのに悩むところがないというのが素晴らしい(笑)。おまけに結露とは無縁のゴアテックスは、遮光性にも長けた、まさにアウトドア御用達の素材である。もっともこのテントを1つ買うお金があれば、礼文島には車で2度も来れるのだが...(大笑)。
さらに、ふかふかの芝生の上に、ウレタンとエアでクッション性を確保するインフレータブルマットを敷けば、そりゃ寝心地が悪いわけがない。爆睡体制の完了である。


身軽になった僕らは早めの昼食を済ませ、早々にスコトン岬を目指した。
そこからの光景がこれだ。

 

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礼文島の西海岸には、昔から8時間コースと名づけられた風光明媚なトレッキングロードが存在する。ただし全行程が24キロもあるため、かなりの健脚でなければ歩けないそうだ。伝説では、そのタフな道のりを歩き終えた男女だけに共有できる思い出と価値観が、恋愛感情を育むことから「愛の8時間コース」とも呼ばれてきた。ただ、今は「花の8時間コース」という16キロの短縮路がその代わりとして紹介されている。

僕達の歩いたコースは、残念ながらここではナイショ(笑)。
それは有料コンテンツの「北海道Bururuu」の中で詳しく紹介をする予定だ。1泊2日でいかに礼文島をうまく回るか... それは僕個人が考えたオリジナルの情報であり、前述した投資を回収するための重要な飯の種といえる。

ただ、花に関してはレブンアツモリソウは既に開花時期が終わっていたし、ウスユキソウは群生地まで行くには遠く、断念した。それでもヨツバシオガマやチシマフウロ、あるいはエゾカンゾウなどの野草はあちこちで見かけることができただけ良かったと思う。もう少し早く来れていたら、もっとタイミングは良かったのだろう。

 

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サイトへ戻り、キャンプ場近くの銭湯へ。
ここでは、もう礼文島のことなら何でも知っていそうな男と出逢った(笑)。彼によれば、今日は2008年でも1.2を争う観光日になることだろうということだった。

写真の通りの快晴に無風... 
本州で言えば、ゴールデンウィークの好天時のような陽気は、暑くなく寒くもなく、歩いていても爽快感に満たされた。さすがに神様に感謝をしなければ...

 

そして、夜は夜でまた仕事(笑)。

 

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 7月1日(火)

本日もまた好天。
早朝からテントを片付け、今度は桃岩コースを歩く。
昨日と違うのは風。なるほど、これだと歩くのにも倍疲れる... 銭湯の男はやっぱり正しかった。 
昨日歩いた半島にはガス雲がハッキリと見える。もし逆のスケジュールだったら、とても上のような写真は撮れなかったに違いない。

 

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この後ウニを買って、僕等は礼文島を後にした。短いようで中身の濃い2日間だった。 

 

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稚内に戻るとその足で温泉へ。
港の駐車場は狭く、ここでバックパッキングの荷物を解き、全てを片付け直した。もう今後はリュックの出番はないのでペシャンコにして収納する。

予想外だったのは稚内での強風。夕暮れ頃にはドアを開けることができないくらいの強さになった為、一度天塩方面に戻り、木立に囲まれた兜沼公園のキャンプ場に避難することにした。
この判断は見事に的中。林間サイトは稚内とは別世界の静けさで、そこでゆっくりとシーフードに舌鼓を打った。この日のメニューはタコシャブと礼文島のウニ。頑張って歩いたご褒美かな(笑)。 

 

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⑤に続く...

 

 

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車中泊/道の駅
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6月29日(日)

早朝の小樽港には数台の車中泊者が泊っていた。

 

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年々その数が増え続ける車中泊だが、こういうスタイルはいただけない...
どんなクルマで、どんな風に寝ようが確かに自由といえばそうかも知れない。このまま何も起こらなければ人にも迷惑はかからない...とも云うだろう。

しかし、タダで持っていってくれといわんばかりの状況を自ら演出し、万一盗難や窃盗が起きて、小樽港が車中泊禁止になってしまった場合、彼は他の車中泊者に対して、どう弁解し、どう責任を取るつもりなのか? 
自由には必ず責任がついてまわる。大人はその責任と自分の力量を考え、行動の範疇を決めている。だからこういう車がほとんど日本にはいないのだ。これでは、若い女がランジェリー姿で町をうろつくのと何ら変わらない。犯罪誘発の罪を既に犯しているといわれても仕方がないだろう。

同時に、
貴方はこの車を見ていて、どこか不審だとは感じないか? 
貴方の町にこういう人間がきたら気味が悪いとは思わないか?
子供達に、あの車には近づくなとは注意をしないか?

小樽にだって僕らと同じ一般市民がたくさん住んでいる。まして車中泊の旅人などは見慣れているはずもない。僕が警官なら、この車には間違いなく職務質問をすると思う。

 

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さて... 
この日の予定は、日本海側を留萌から国道232号・通称オロロン街道に乗ってひたすら北上し、礼文島行きのフェリー港がある稚内まで行くこと。つまり移動日である。
26日に家を出て、はや30日になったにも関わらず、未だ何も観光らしきことが始まらない... 
これが北海道を旅するという現実である。しかもこれから約400キロの道のりは、睡魔と強風との戦いだ。

 

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留萌から稚内の間には、2008年現在、6つの道の駅がほぼ等間隔で連なっている。

ゆえにここでは、まさに「道の駅」という表現がしっくりとあてはまる。個々の道の駅については車中泊スポット・ポイントガイドにコメントを収録してあるが、注目すべきはうち3つの道の駅に、1泊1000円以下で利用できるオートキャンプ場が隣接しているという点だろう。

観光では道東に及ばないかもしれないが、車中泊環境の視点に立てば、道北は北海道の中でも一番クルマ旅がしやすいエリアかも知れない。リピートするほど、僕は北が好きになる。

<オロロン街道沿いの主な道の駅>

■ロマン街道しょさんべつ

■ほっと・はぼろ

■風Wとままえ

■おびら鰊番屋

※てしおは隣接する鏡沼海浜公園

 

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ロマン街道しょさんべつに隣接するキャンプ場

 

この道北「道の駅巡り」では、1つの出逢いがあった。
風Wとままえのパーキングで、偶然同時に停まったキャンピングカーのご夫婦と言葉を交わしたのだが、このF夫妻はここ数年続けて北海道に来られているということで、貴重な最新の北海道情報をたくさん伺うことができた。
僕が北海道から離れていた6年間のブランクは、目に映る自然の風景には大きな変化を及ぼさなかったようが、その間に団塊の世代が還暦を迎える時期を挟んだことにより、車中泊の環境には大きな変化を生んでいた。それはこれから行く先々で出逢うシルバー世代の数からも明らかであった。

 

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ところで... 僕はカーネルには「ドライビングシーン」が欠かせないと思っている。

車中泊というとクルマの室内の様子や改造を思い浮かべる人が多いようだが、それだけでは片手落ちだ。なぜなら、そのように手を入れて寝られるようになったマイカーで、「いったい貴方は、どこへ行きたいのか」という夢の部分、すなわちクルマ旅を連想する絵がなければ、誰も肝心の「行動」に思いを馳せない.. 
車中泊は改造した車が本当に快適に寝られるかどうかを試すことではなく、クルマ旅の手段である。もしカーネルが、モノがコトより重要な位置づけに見えてしまう雑誌になれば、読者を目測の誤った方向に導いてしまうことになる... またそれが編集方針になれば、僕はカーネルのライターを降板するだろう。

 

だが... その「思いを馳せるワンシーン」を撮るのは、なかなか大変(笑)。
北海道では、遠くに1台クルマが見えれば、十分タバコを一服できる間ができる...

 

そして、こういうことを重ねていれば、あっという間に日は暮れる。

 

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利尻富士と並ぶように沈む太陽。サロベツ原野から撮影(7時25分)

 

思えば、起きたのは朝の4時前。フェリーの船内放送で起こされ、それから下船し、日本海沿いを走って19時30分... 既に15時間を経過している。

ただ驚くことはない。僕の取材はどこでもだいたいこのくらいのスケジュールで動くのが普通である。日の出から日没まではしっかりと写真を撮って取材ポイントを回る。それだけならまだ良いのだが、北海道では加えて、夜間の車中泊シーンを撮る為にサイトを設営し、きちんと食事まで作らなければならない。日没後も9時近くまで撮影は続くのである。つまり、この日のスケジュールは「軽めの準備体操」程度にすぎない(笑)。

翌日からのハードワークに備え、この後は稚内市内で外食し、フェリーターミナルの有料駐車場に車を停めて寝た。事前に仕入れた情報によれば、港の無料駐車場に車を置いて出かけるのは防犯上あまり良くはないようだ。特に県外ナンバーは狙われやすいという。

そうそう、その前に稚内市内を回ってカーネル創刊号をようやく手に入れた。刷り上がりが届くより前に家を出たため、稚内のTUTAYAで入手したカーネルは思い出に残る一冊となった。

見本誌が手元にあると、取材はうんと楽になる。何も怪しいものではありませんってね(笑)。

 

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④に続く...

 

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車中泊/道の駅
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6月26日(木)

いよいよ新潟にあるスノーピーク社を経由して、北海道へ旅立つ日がやってきた。
今回のスケジュールは7月17日帰宅予定の20泊21日。
僕にとっては最長記録にあたる取材旅だ。しかも、途中では車を置いてバックパッキングで礼文島に渡るため、60リットルと40リットルのリュックサックまで積んでいる。当然車内は荷物に占拠された。

 

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この日は高速道路の深夜割引を利用するため、夜9時過ぎに名神高速道路の菩提寺PAに到着し、そのまま車中泊。翌朝から、新潟の燕三条市を目指して走ることにする。

フレンディーのオートフリートップは開くと広大な網戸と荷物置き場に早代わりする。
おかげで僕らは、蒸し暑さから開放され、広々としたスペースで熟睡することができるのだ。フレンディーのオーナーはみんな心の中では、本当の車中泊の暑さ対策とは、オートフリートップ車にすることだと思っているに違いない(笑)。

 

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6月27日(金)

それにしても新潟は遠い...

途中のサービスエリアを適当に取材しながら、スノーピーク本社に到着したのは午後2時を少し過ぎた頃だった。この日は山井氏も片山氏も外出予定はなく、ショールームでしばしの歓談。その後用意していただいた荷物をフレンディーに積み込み、新潟港方面へと出発した。

 

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左が社長の山井氏、右が販促責任者の片山氏

 

この日は道の駅「新潟ふるさと村」で車中泊をする。まずは荷物を一度降ろして、パッキングのやり直し。一時はどうなるかと思ったが、整理すれば全部がきれいに収まった。
また船内ではインターネットが繋がらないので、涼みながら現地の天気予報などを詳しく調べることにする。

 

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もっとも、こんな時間にわざわざネットを見るのは別の理由があったからだ。

実は、ココまで来てまだ1つ問題が残っていたのである。
それは小樽行きフェリーの一等客室の予約が取れないことだった。カメラを船内に持ち込むには2等客室は無用心すぎるため、是が非でも一等が良いのだが、どうやら満室の理由は洞爺湖サミットにあるらしい。
とりあえず部屋は押さえてあるが、それは贅沢にも特等室。できればここで無駄なお金は使いたくない。日をずらせば部屋は取れるが、礼文島からはどんどん花がなくなり、後のスケジュールもタイトになるため、明日どうしても小樽へ行きたいのである。

あ~、困ったもんだ。キャンセルでていないかな~。

 

6月28日(土)

 

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残念ながら願いは届かず、立派な部屋の鍵をもらった僕等を乗せて、フェリーは午前10時30分に新潟港を離岸した。小樽への到着予定は明日の朝4時半。それまでは寝るかテレビでもみて過ごすしかない。

というわけで、まずは乾杯!


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この便は車中泊客よりも、テントでキャンプ旅行を楽しむ人たちに人気がある。また新潟は関東からも比較的近い上に、新日本海フェリーは料金が安いので、お盆休みにはプラチナチケットになるだろう。

 

③に続く... 

 

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2008年6月初旬...
車中泊専門誌「カーネル」の2009年夏号に掲載する、北海道特集の取材がようやく決まった...

今回の旅行記では、まず、その経緯からお話することにしよう。

 

地球丸株式会社により、日本で初めて創刊された車中泊の定期発刊専門誌「カーネル」。
創刊号は、2008年6月28日に夏の上高地&乗鞍高原を巻頭特集に据えてリリースされた...

その特集が僕とカーネルの最初の出会いになったわけだが、それはまた上高地の取材旅行記の中で詳しく触れるつもりだ。

とりあえず、それはそれで良かった 。

 

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だがよく聞けば、カーネルは毎年6月と12月に発刊する予定と云う。
通常、車中泊の世界では、夏といえば北海道。夏休みは涼しい北の大地で余暇を過ごすのが、庶民には「夢」であり、中流には「王道」であり、富裕層には「常識」なのだ。

ゆえに、夏前に発売される車中泊の本に"2度"も続けて北海道の話が載っていないようでは、読者からすればそれこそ「おハナシ」にならない。
いくらカーネルが創刊における業界誌のパイオニアであっても、後発のライバル誌に先にドカンと北海道を特集されてしまえば、もうそれだけで「2番手」に陥るといっても過言ではなかった...

 

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さらに夏の北海道の代名詞といえば富良野のラベンダー。それは7月中旬にはピークを迎える。
企画を急がなければ、目玉となる絵を撮り逃がしてしまうギリギリの時期が迫っていた。

 

実は、この段階でカーネル創刊号はまだ印刷機の中にあった。
折りしも世の中はガソリンが急騰し、景気は後退傾向...

つまり、まだ創刊号が発売されてもいない中で、経費のかさむ長期の北海道の取材を簡単にOKすることは、けして容易ではなかったのである。

 

そんな環境下で実現したカーネルの北海道特集は、正直、僕にとってけして楽なものではなかった。

確保できたのは、車中泊で北海道を周り、モデルから撮影・取材・原稿制作にいたる全てを、我々夫婦だけで完了させなければ実現できない予算。しかもそれでは、全道は巡れない...
さらに20日間に及ぶ長期の取材は、別の仕事がその期間全てストップすることを意味し、家内は長年勤めてきたパートの会社を辞めてまで、この仕事に臨んだ...

果たして、そこまでこの仕事に、いやカーネルに賭けるだけの意味があるのか?

きっと「ビジネスマン」はそう考えるのだろう。


だが「事業家」は、その価値を見出すには、このチャンスをどう生かせば良いのかと考えるのだ。

ゆえに僕は、事実上預かった取材経費よりも多く「投資」をすることにした。投資する以上はその額以上のリターンがなければ失敗ということになる。

だからこそ、膨大なる時間を費やしてこの日記が書ける。趣味では絶対にここまでの記録は残せない...

 

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さて、北海道に行くことは決定したのだが、人気スポットの富良野・美瑛・知床を、ありきたりに取材してきただけでは、カーネルは売れても僕は売れない(笑)。それでは投資回収がおぼつかないということで、この企画に2つの「テーマ」を持ち込むことにした。

1つはAuto-PackerHybrid-Campingという、かねてから僕が温めてきた車中泊のスタイルコンセプトのイメージ作りだ。
詳しくは先のリンクページでご覧いただければわかるが、要は着替え以外は何も持たないトラベラー型の車中泊旅行ではなく、変化と自然に満ち溢れる北海道のフィールドをベースに、トレッキングや釣り、あるいはバードウォッチングなどのアウトドアコンテンツを楽しもうというアクティブな発想である。

ゆえに自炊はやるし、滞在はキャンプ場が中心となる。もともと北海道は、夫婦1泊1000円以下で利用できるキャンプ場がたくさんあって、道の駅に頼る必要のない場所なのだ。
そのイメージ撮影のロケ地として、今回は道北を周り、花の浮き島で名高い礼文島へ、車を稚内に置いてバックパッキングで上陸することにした。もちろん背景には経費節約という目的もある。

 

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そしてもう1つはデュオキャンピング
少子高齢化が進む日本で、今後オートキャンプのマーケットを維持・拡張していくには、ファミリー層だけではなく、学生から新婚世代と僕らのような子育て完了世代、そしてシルバー層に至るカップル対象のデュオキャンプのマーケッティングが必要となる。

もちろん車中泊がその中核をなすわけだが、ただクルマで寝泊りして放浪旅をするだけでは内容がチンケすぎてスタイル提案にはならない。道の駅に泊り、家庭用の鍋でラーメンをすするような旅が日本に充満してしまったのでは、この業界は滅亡する。逆に「脱日常でお洒落感のある自由奔放な旅」、そして「Lifestyles Of Health And Sustainability=ロハス」が支持されれば、そのスタイルを構築する為に必要な情報とモノを必要とする人々が増え、新しいマーケットが形成されるのである。

つまり目的は「消費意欲が沸き起こるコト」をビジュアル化し、実際にモノ作りに繋げ、新たなるマーケットを切り開くことにある。

ただ、これには既にその路線を歩みつつあるスノーピーク社の協力が不可欠だった。

 

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オール・スノーピーク製品で車中泊シーンを作るとなれば、用意すべきアイテム数は半端ではなく、通常の雑誌の貸し出し点数からは、かけ離れた要請をしなければならない。
これは、店や大阪営業所レベルではなく本社とのやりとりが必要だろうなぁ~

 

だが、そのチャンスは全く唐突に訪れた...

スノーピーク社の山井社長と僕の間には「共通の友人」がいる。彼は山井氏とは中学・高校の同級生で、僕とは大学時代の悪友である。その彼が一昨年に大阪に転勤してきて、ちょうど来週大阪で3人で飲もうという話になったという。これはドラマチックにもほどがある実話なのだ(笑)。

もちろん僕は僕で以前から山井氏とは何度かお会いしたことがあり、事情を話すと彼は僕の申し出を快諾してくれた。まあ、とりあえずリストを持って、広島のスノーピークウェイにおいでよと...(笑)。 

 

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翌週、僕は約束通り大鬼谷で開かれたスノーピークウェイに足を運び、宣伝部の責任者である片山氏と打ち合わせを済ませた。片山氏と仕事をするのは2度目だが、彼はあの分厚いカタログを毎年編集している責任者で、今や山井氏の右腕とも言える人物である。その片山氏とともに用意してきた50品目を超える製品在庫の有無を確信し、翌週スノーピークの新潟本社に寄って製品を預かり、その足で新潟港からフェリーで小樽へ行くことが決まった。

ちなみに僕は、帰宅後以前からの愛用品を含め、今回使用した全てのスノーピーク社の製品を別のブログでインプレッションしている。

キャンプグッズ・インプレッション スノーピーク特集

 

②へ続く...

 

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