道後温泉本館 入湯パーフェクトガイド


道後温泉は日本書紀にも登場するわが国最古級の温泉で、白浜、有馬と並ぶ日本三古湯と呼ばれている。伝承によれば、日本国内でもひときわ古い3000年もの歴史を持つとされ、神話はもちろん史実上の記録からも、その認識に間違いはなさそうだ。

道後温泉本館

道後温泉の「象徴」とされる本館は、温泉街の中心にある共同浴場で、戦前に建築された歴史ある近代和風建築として、1994年に国の重要文化財(文化施設)に指定された。

共同浴場番付では、東の湯田中温泉大湯と並び西の横綱に番付けされているほか、2009年3月に選定されたミシュランガイド(観光地)日本編においても3つ星を得ている。

道後温泉本館

た、本館は別名「坊ちゃん湯」として親しまれてきた。
夏目漱石が松山中学の英語教師として赴任したのは、本館の完成した翌年。小説では住田の温泉として描かれているが、漱石がその建築に感嘆し、東京に比べても「温泉だけは立派だ」と絶賛した話は有名だ。

その名残として、3階には漱石ゆかりの資料が置かれた「坊ちゃんの間」が残され、1階の男湯浴室内では、主人公が湯船で泳いで注意の張り紙をされたことにちなんだ、「坊っちゃん泳ぐべからず」の札を今でも見ることができる。

道後温泉本館

 1階の廊下には、これまで映画で放映された各俳優たちの記録が展示されている。 

道後温泉本館

 また、道後温泉本館は宮崎駿監督の映画『千と千尋の神隠し』に登場する「油屋」のモデルの1つである。

油屋は木造による重層構造の共同湯として描かれており、実際に製作スタッフが道後温泉に逗留し、近代和風建築である本館のスケッチを行った記録もあるそうだ。ジブリ側は道後温泉本館がモデルであるとは明言していないものの、大いに参考にした場所として紹介しているという。

道後温泉本館 

週末もなれば、朝一番からこの行列…
確かに、重厚感があってどこかレトロな雰囲気が漂う道後温泉本館の前に立つと、一刻も早く中に入りたくなるのが人情だろう。

だが、ここには「知らなければ損」といえる見どころがたくさんある。それを最初に押さえて行くと、この温泉館の印象は大きく変わる。温泉が全てではないのだ。

道後温泉本館

では具体的に館内の話に移ろう。
大きな建物なので、入口に料金窓口がある。何も知らずに行くと「なんで、こんなに料金がいっぱいあるんだ?」となるわけだが、本館には大きく2通りの入湯方法がある。

1.神の湯
銭湯感覚の気軽さで大盛況

道後温泉本館

まず、道後温泉本館の構造は、1階に「神の湯」、2階に「霊の湯(たまのゆ)」と大広間の休憩所、3回に個室の休憩所とぼっちゃんの間がある。

神の湯

1Fの神の湯に浸かるだけなら、料金は400円とリーズナブルだ。ただし露天風呂はなく、イメージは銭湯に近い。もちろん石鹸・シャンプーも置いていない。

 お湯は無色でほんのり香りがし、舐めると多少塩分を感じた。後日調べてみると、源泉かけ流しだが、塩素系の消毒剤が使用されているようだ。1日に3000人ともいわれる数の人が入浴するだけに、それはいたしかたのない話なのだろう。2009年に初めて入った時は熱めで硬い感じがしたのだが、2013年の今回はずいぶん温く、そのせいか柔らかく感じた。

なお、神の湯の浴室は西と東の2つがあり、東の男湯には源泉が引かれていた跡が残されている。

2.霊(たま)の湯
温泉館らしいサービスが魅力

道後温泉本館

筆者のお勧めは、ひとりなら1200円の「霊(たま)の湯二階席」。夫婦や家族なら、個室の休憩室が使える1500円の「霊の湯三階席」である。

道後温泉本館

霊の湯のコースは、まず休憩室に案内され、用意された浴衣に着替えて「霊の湯」に入ることになる。希望するなら、無料で「神の湯」に入ることも可能だ。それからお茶とお菓子が出され、又新殿(ゆうしんでん)のガイドを受ける。

霊の湯

 「神の湯」に比べると、「霊の湯」はこじんまりしていて落ち着ける。

又新殿

道後温泉本館には、又新殿(ゆうしんでん)と呼ばれる日本で唯一の皇室専用浴室があり、有料で御影石の最高級品、庵治石を使った浴槽の他、控え室、トイレ等の見学ができる。ただし霊の湯の切符には、それがセットになっている。

ちなみに、又新殿にはこれまでに10人の皇族が入浴しているそうだが、本館の老朽化もあり、ここ50年ほどは使用されていないという。

道後温泉本館

最後に駐車場についてだが、道後温泉本館の向かいにある冠山の頂上部に市営駐車場が用意されている。市内から来ると、駐車場の入口ゲートがカーブを曲がってスグのところにあるので注意していないと通り越してしまう。初めての場合は、古めかしい道後温泉本館の建物が見えたら減速し、いつでも停まれるようにしておこう。

PS

通路

100年以上もの間、公衆浴場として使われてきた道後温泉本館は、長年に渡る劣化のため基礎部分の大規模修復が必要であることが調査で明らかになっている。

他に替えがたい道後温泉のシンボルであるため、たとえ長期的な観点から大規模改修が必要とはいえ、改修期間中は共同浴場としては使用できず、また、期間も長期化することが予想されることから、観光産業関係者は修復期間中に観光客の足が遠のくことを懸念している。

2014年現在、市長は17年のえひめ国体の終了後すぐに着工する考えを表明しており、道後温泉本館が現在の形に改築されて130周年を迎える24年までの工事の完了を目指しているようだ。

工事と代替施設の最新情報はこちら。

【道後温泉本館の解説お勧めサイト】

松山観光コンベンション協会
道後温泉本館にまつわる様々な逸話をコラム形式でわかりやすく紹介している。見やすく読んで楽しい観光ガイドの手本のようなサイトだ。

道後温泉本館
愛媛県松山市道後湯之町5-6
 ☎ 089-921-5141

入浴料
(神の湯、階下)大人400円 
(神の湯、2階席)大人800円
(霊の湯、2階席)大人1200円
(霊の湯、3階個室)大人1500円
(又新殿観覧料大人250円)
営業時間:6:00~22:30(閉館23:00)・無休

道後温泉の詳細ページはこちら。

道後温泉

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