松山に近い陶磁器の里 砥部(とべ)


道後ハイカラ通りでも見かける砥部焼(とべやき)は、愛媛県砥部町を中心に作られる陶磁器で、愛媛県指定無形文化財に指定されている。夫婦喧嘩で投げつけあっても割れなかったという逸話から、別名「喧嘩器」とも呼ばれるようだ。

砥部焼

砥部焼は、大洲藩・九代藩主、加藤泰候(かとう やすとき)の時代に、藩の財政を立て直すため、砥石くずを使った磁器づくりを命じたことに起源を発するといわれている。

登り窯

命じられた杉野丈助(すぎの じょうすけ)が砥部の五本松という所に登り窯を据え、苦労の末に1777年(安政6年)にようやく白地に藍色の焼き物作りに成功した。日本の陶磁器発祥地、佐賀県の有田に遅れること約150年後のことである。

蔵

後背の山地から良質の陶石が産出されたこと、焼き物に必要な薪が近くの山で豊富に採れたこと、そして傾斜地に流れる渓流や小川が水車を据えるのに適しており、原料の砥石を砕き陶土にするのが容易であったことなどの好条件が揃い、その後は大洲藩の庇護のもとで発展を遂げる。

写真は梅山窯

砥部焼

さらに明治期に入ると、廃藩置県により、工芸技術者の行き来が盛んになり、それまで各藩が抱え込み、門外不出とされた陶磁器作りの技術が流出し、瀬戸や唐津、あるいは京都といった当時の先進地の情報が砥部にもたらされるようになり、砥部焼も量産が可能となった。

砥部焼

砥部焼は、やや厚手の白磁に呉須と呼ばれる薄い藍色の手書きの図案が特徴だ。今でも多くは手作り成形のため、全国的に見ても決して大産地や有名産地ではないが、独特の風合いが愛好家に評価されている。

砥部滝観光センター 炎の里
愛媛県伊予郡砥部町千足359
☎089-962-2070
営業時間8:30~18:00
駐車場あり

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