坂本龍馬も訪れた、知られざる温泉 西郷どん湯/日当山温泉・鹿児島県


地元で「せごどん湯」と呼ばれるこの温泉は、霧島の麓にある日当山温泉地区の古びた銭湯である。たまたま塩浸温泉の足湯で出会った地元の老夫婦が、「西郷どん湯」をそう呼んでいたのが妙に嬉しく思え、それから筆者も真似て発音することに決めた。

西郷どん湯/日当山温泉・鹿児島県

せごどんとは、薩摩の人たちに今なお絶大なる人気を誇る西郷隆盛のこと。南洲翁と同様、彼に親しみを込めて呼ぶ際の呼称で、鹿児島に来れば、こういった点からもその「人となり」を知ることができる。

西郷どん湯/日当山温泉・鹿児島県

さて。見た目に「ぱっ」としない「西郷どん湯」だが、「西郷さんの宿」と呼ばれる写真の古民家を訪ねると、たぶんその認識が変わる。 

日当山は西郷さんのお気に入りの土地で、当時この「龍宝伝右衛門宅」は「西郷どん湯」の隣にあったそうだ。「西郷どん湯」の前に掲げられた由来書きには、明治維新後の征韓論に敗れて以降、この地に足しげく通ったとの記載があるが、実はそれより前の1866年3月16日(慶応2年)に、坂本龍馬とお龍をここに招いている。

京都伏見の寺田屋で夜襲を受け、瀕死の重傷を負った龍馬を藩邸に匿い、霧島への湯治旅を勧めたのは西郷さんだが、よもや助けた龍馬のおかげで、21世紀にこの地がこれほど脚光を浴びるとは、思いも寄らなかったに違いない…

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ところで、日当山温泉は鹿児島最古の温泉といわれ、『隼人・新川渓谷』として、環境省の国民保養温泉地に指定されている。ただリゾート化が目立つ霧島温泉や、湯治湯の色彩が濃い妙見・安楽温泉とは違い、町としては温泉地というよりも生活感が漂う住宅地といった印象が強い。

西郷さんが愛したお湯場は、その日当山で元湯と呼ばれた古い自然湧出温泉で、萬病に卓効のある湯として古来より地元の人々は勿論、遠来の湯治客にも親しまれていたそうだ。今で言う「アウトドア」が趣味であった西郷さんは、付近の山野で狩りを、天降川では釣りを楽しみ、その疲れをここで癒したという。

西郷どん湯/日当山温泉・鹿児島県

現在の「西郷どん湯」は明るいタイル貼りの浴室に浴槽が2つ。お湯は透明感が強く、飲泉もできる。ここは歴史の好きな人にお勧めの温泉だろう。

西郷どん湯/日当山温泉・鹿児島県

【駐車場とアクセス】
駐車場は平面でキャンピングカーでも問題なく停められる。ただし温泉の周囲は狭い路地なので、バスコンのような大型車両は通行に苦労するかもしれない。

西郷どん湯
〒899-5116 鹿児島県霧島市隼人町内1462-2
☎0995-43-3870
入浴料:250円
営業時間:6:00~21:00(最終)・第4月曜定休

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