超望遠カメラ「ニコン・COOLPIX-P900」で、琵琶湖のオオワシを撮影


2015年3月、ニコンから驚愕の超望遠カメラが発売された。
 工学ズーム83倍… 35ミリカメラに換算すると実に2000ミリ、さらにデジタルズームで最大4000ミリまでの望遠撮影が可能だという。

月

ちなみに写真は話題の「月」モードで撮影した満月。最初は月が発するボワ~ンとした光にオートフォーカスが妨げられるが、1秒ほどでセンサーが反応し、ピタッと鮮明な月の姿が映し出された。

倍率はこれが光学ズームの83倍。35ミリ換算で2000ミリの望遠だ。お月様もこのカメラにかかれば、まるでスターウォーズのデススターのように撮れてしまうから面白い(笑)。
しかも、なんと手持ち。手ブレ防止機能を効かしているとはいえ、なかなかのファースト・インプレッションである。

デジスコ

この結果を見る限り…
これまでデジスコの領域とされた1000ミリオーバーの望遠撮影を、いとも容易にしてしまうこのコンパクトデジカメの登場は、野鳥撮影の常識を本当に覆してしまいかねない… 

そこで、さっそくフィールドテストにでかけてきた。

バードウォッチング

テストの場に選んだのは、琵琶湖の湖北町。
そう、ターゲットはオオワシだ。筆者はこれまで幾度となくデジスコでここからオオワシを撮影してきた。だからこそ、違いがわかると踏んだわけだ。

デジスコ オオワシ

この写真は、以前にそのデジスコで撮影したもの。

クールピックスP900 オオワシ2

こちらが新しいCOOLPIX P900単独で撮影した画像。オオワシの留まっている場所も撮影位置も違うので、一概に比較はできないものの、ほとんど見た目は変わらない。

クールピックスP900 2

だが、この軽装備でほとんど変わらない写真が撮れるということは… やはりもうデジスコは要らないという結論になる。

クールピックスP900 バリアングルモニター

 COOLPIXの上位モデルに受け継いできたバリアングルモニターは、状況に応じて角度が変えられるうえに、水準器やGPS他、撮影時に確認したい情報が全てレイアウトできる。

鳥モード クールピックス

そして何より、筆者が興味を抱いたのは、このカメラにはさきほどの「月モード」と同様に、「鳥モード」というプログラムが組み込まれている点だ。
の特徴は、OKボタンを押すと自動的に800ミリ相当にズーミングしてくれることにある。

ザクッとした使い方はこんな感じ…

コミミズク

まず双眼鏡でターゲットを見つけたら、カメラのファインダーをそのあたりにアバウトに合わしてOKボタンを押す。

クールピックスP900 鳥モード

するとこんな感じで鮮明な様子がモニターに映しだされる。あとは鳥さんの表情を見ながらズームを好きに調節して、軽くシャッターを押すだけでいい。

クールピックスP900 コミミズク

COOLPIX-P900を買うにあたってのいちばんの不安要素は、照準器なしに被写体を液晶モニターに誘導できるかだったが、このカメラには「鳥モード」以外にも様々な工夫が施されている。

クールピックスP900 ファインダー

COOLPIX-P900には一眼レフと同じようなファインダーがあるが、なんと目をファインダーに近づけるだけで、液晶モニターから自動的に切り替わってくれる。ただファインダーも液晶なので、一眼レフほどのスムーズさはない。それでも照準器代わりと思えば十分すぎる。

クールピックスP900 ズームレバー

またズームレバーはシャッターの前だけでなく、ボディーの左横にも設置されており、シャッターに指をかけたままズームの調整ができる。

さらに、被写体を見失った際は、そのレンズ側にある「クイックバック・スムーズボタン」を押すと、広角側に自動でズームがかかる。押している間に再度ターゲットをフレームに入れてボタンを離せば、その前の望遠状況に戻せるという画期的な発想だ。

ただし、「鳥モード」のオートフォーカスは枝かぶりのような状況では、うまく鳥にピントが来ないことがあるようだ。筆者もそう感じたが、利用者のレビューを見ると、酷評している人も少なくない。ただそれは、フォーカスの範囲を狭くしてPやAモードで撮影すれば解決できる。

というわけで、そろそろ結論を書こう。

クールピックスP900 コハクチョウ

まずオオワシやコミミズクが木に留まっている状態を撮影するなら、クールピックスP900はデジスコよりもかなり扱いやすい。しかも6万円ほどでニッコールレンズ付きのモデルが使えるのは、コストパフォーマンスから見ても悪くない選択肢だろう。もしこれからデジスコの購入、もしくは一眼レフのサブ機を買うという人には、間違いなくお勧めの一台といえる。

コハクチョウ 飛行

ただしフライトシーンの撮影においては、残念ながら一眼レフには遠く及ばない。まだ初めてなので、慣れれば今より多少は上手くなるとは思うが、すべての面で「スピード感」に劣ってしまうのは否めない事実だ。
練習次第では、青空を飛ぶコハクチョウくらいなら何とか撮れるようになるかもしれないが、オオワシやコミミズクのように遠くて複雑な背景の中を飛ぶ鳥と、カワセミのように小さくてすばしこい小鳥相手では、まず並の腕前では使えないと思う。

もっとも… それはどんなコンデジにもいえることだ(笑)。

ちなみに野鳥を撮るなら、60倍の望遠倍率で既に3万円台で手に入るP610よりも、このP900を強く勧める。野鳥撮影機は高解像・高望遠が全てといっても過言ではなく、その差は金額の何倍にも匹敵すると後々気づくことになる…

またこのカメラは、レンズ一体式で独立して使える。つまりロクヨン・ユーザーが、どでかい画像撮影用に持つサブ機としてもお勧めだ。カメラ・レンズを買うことを考えれば、ずいぶん安い買い物だ(笑)。

 PS

クールピックスP900 充電器

このカメラには、バッテリー専用の充電器がついていない。標準でついてくるのはビデオ機のように、カメラにバッテリーを入れてコンセントに繋ぐ充電器だ。

クールピックスP900 バッテリー充電器

しかし実際の撮影では頻繁にズームを繰り返すため、バッテリーの消耗が激しく、移動中や撮影中にクルマで充電できるようにしたほうが安心だ。純正品ではないが、そのニーズに対応できるバッテリーセットがあるので、合わせて紹介をしておこう。

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