車中泊をする時の「エコノミークラス症候群」対策


エコノミークラス症候群(静脈血栓塞栓症<じょうみゃくけっせんそくせんしょう>)とは、長時間座ったまま状態を続けることで、脚の静脈の血行が悪くなり、膝の裏に血栓(血の塊)ができる疾患のこと

立ち上がって歩き始めた瞬間に、血栓が血流に乗って流れ始め、肺まで達すると血管が詰って「胸の痛み」や「息苦しさ」などを引き起こし、最悪の場合は呼吸困難に陥って死亡する場合もある。飛行機内で発症することが多いことから、ロングフライト血栓症とも呼ばれている。

コンパクトカー

普通は車中泊をしていて、エコノミークラス症候群を発症するケースは稀だと思う。ただ軽自動車やコンパクトカーで車中泊をする人の中には、寝るまでの時間を運転席と助手席で過ごす人もある。その場合は、適度にクルマから外に出て、散歩や運動をしたり、脱水症状に陥らないよう水分補給を心がけよう。

それよりも…

車中泊時にエコノミークラス症候群を発症する心配があるのは、地震などによる避難時だ。

2004年(平成16年)10月に起こった新潟県中越地震では、実際に車中泊を続けていた3名が、エコノミークラス症候群で死亡し、つい先日の熊本地震でも9名が発症し、ひとりの女性が命を落としている。

大地震が起こると、被災者は避難所生活を余儀なくされるが、余震による建物の崩壊に巻き込まれる心配がなく、プライバシーが確保できるうえに、貴重品を安心して保管できるなどの理由から、そこで車中泊を始める人が多いという。

もちろん避難所でもエコノミークラス症候群に対する注意の呼びかけは定期的に行われており、車中泊者も警戒をしているはずだ。にもかかわらず、なぜ発症する人が後を絶たないのだろうか?

実はその「答え」を今日のニュースで耳にし、忘れないうちにブログに残すことにした。

車中泊

※画像 中日新聞社より転用
多くの住民が車中で避難生活を送る大型展示場「グランメッセ熊本」の駐車場

どうやら理由は2つあるらしい。
ひとつは車中泊など普段したことがない人間が、必要な荷物ともに、
車内で窮屈な姿勢を続けていることに起因する。
しかもコンパクトカーは、2人になれば寝転ぶこともままならない。そのためリクライニングはできても、結局座った姿勢であることに変わりがなく、下半身を長時間動かさない状況に陥りやすい。

もうひとつはトイレの問題だ。もともと避難所に指定された施設にあるトイレの数と、避難してくる人数のバランスがあわないことは容易に察しがつく。
そのため女性は水分の摂取を控え、トイレに行きたくなるのを抑えようし、それが血液の濃縮を促進してエコノミークラス症候群を誘発しているという。また高齢者の中には、トイレに行く際にボランティアスタッフなどの手を煩わせることに遠慮を感じている人も多いそうだ。

 このブログをご覧いただいた人の中には、そういった情報を今後の糧にしつつ、万一自分が被災した時には、やはり車中泊で過ごそう思っている人も多いと思う。

であれば防災用品には、小さめのキャンピングチェアとテーブル、そして年配者がいる場合は、ステッキも加えておいたらどうだろう。

バックドア

可能であれば、明るい時間帯はバックドアの下にイスとテーブルを出して、車外にいたがいいように思う。中には「有事にキャンプ気分で過ごしやがって」と謗る人もあるだろうが、動きやすい姿勢を保つことが、エコノミークラス症候群の予防には効果的だ。そう考えると意識して運動しなければならない車内よりも、立って歩きやすい環境のほうがいい。

また車外で食事をすれば、誤って飲食物を布団や敷物のうえにこぼす心配もない。

なお、車内を少しでも広く使うには、寝る時に荷物を車外にだせばいい。軽いものなら、ダンボールに入れてボンネットや屋根に置くことができる。夜が不安なら、「昼寝」の際にそうするだけでもいい。

虫も出ず、天気も安定している今のような時期であれば、それらは理にかなうスマートな方策といえるはずだ。

また収納に余裕があれば、ポータブルトイレも有効だろう。避難所では汚物の廃棄を憂慮することもない。
なにより気軽に使えるトイレを持つことで、水分補給の不安から開放されることが大切だ。

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