湯元山鳩湯/奈良県・入之波温泉


吉野川源流部に湧く、褐色の秘湯

温泉愛好家の間で評価の高い湯元山鳩湯は、吉野川源流部に近い入之波温泉にある温泉宿だ。

湯元山鳩湯

お湯は重曹泉(ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩泉)で、空気に触れると数時間後には淡い黄褐色の濁り湯となる特性を持つ。源泉温度は約39度と温めで、同時に炭酸泉特有のサラサラした肌触りが楽しめることから、どちらかといえば夏にお勧めの温泉といえるだろう。

湯元山鳩湯/奈良県・入之波温泉

印象的なのは、湯船に付着している黄褐色の石灰質。本来は総杉丸太造りの湯船と聞くが、木の浴槽であることが分からないほど付着が激しい。これを見れば、誰もが「ここのお湯は良い」と思っても不思議ではないが、こういった「湯治系」の温泉では、「入湯時の感想」よりも、具体的にどういう効能があるのかという「客観的な情報」をもう少し詳しく知りたい。

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一般的には、重曹泉に入湯すると、まず皮膚の表面が軟化し、美肌効果が期待できると云われている。さらに山鳩湯のホームページには、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、慢性婦人病、ヒステリー、冷え症、うちみ、ねんざなどにも良いと書かれている。

また飲用すると胃酸を中和し、胃中で炭酸ガスを発生させ排泄を促進することから、慢性消化器病・糖尿病・肝臓病などに効果があるそうだ。ただし、禁忌症として高血圧症、腎臓病の場合は、飲泉は控えなければならない。

なお温泉分析表には、「低張性-中性-温泉」と書かれている。低張性とは浸透圧がヒトの細胞駅より低いことを意味しており、長湯をすると皮膚がふやけやすい特徴を持つ。また山鳩湯には保湿力の高いメタけい酸が153.2ミリグラムと、温泉標準値の3倍以上含まれている。

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こうしてみると、「よいことづくめ」のように思えるが、我々にとって、山鳩湯の最大の問題はアクセスにある。
世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に含まれ、南北朝あるいは千本桜で名高い吉野山から、国道169号で吉野川沿いに大台ケ原を目指し、途中にある大迫(おおさこ)ダムの上を通って対岸に渡る。

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それから狭く曲がりくねったダム湖沿いの道を、4kmほど走ってよくやく到着…。道中には写真のように、ガードレールのない個所も点在し、マイカーで行けるとはいえ、アクセスの点では秘湯と呼んでもおかしくはない不便さだ。

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なおハイエース以上のキャンピングカーは、道路に加えて駐車場の面でも苦戦は必至。この温泉に行くのは「困難」というより、むしろ諦めた方が良さそうだ。

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ちなみに、入之波温泉は「しおのはおんせん」と読む。今は山鳩湯の他に民宿が2軒あるだけの鄙びた温泉地だが、古くから薬湯として知られ、平安時代には既に温泉として開湯されていた歴史を持つ。江戸時代には湯治に訪れる人も多かったという。

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またかつては村営の五色湯があり、筆者は2004年に一度そちらにも入湯したことがある。だが2009年5月に閉館。昨年は再開を目指して新たな運営者を募っていたが、どうやら決定には至らなかったようである。ちなみに泉質は透明で癖の無い単純温泉で、同じ入之波温泉でも山鳩湯とは大きく異なっていた。

山鳩湯の基本情報<2013.11月現在>

アクセスデータ
所在地 :〒639-3611奈良県吉野郡川上村入之波391
電話 :0746-54-0262

営業データ
入浴料: 700円
営業期間 :通年
営業時間 :10:00~16:00受付(17時最終)
休館日 :11月~3月末まで 火曜日・水曜日、4月~10月末まで 水曜日(祭日・連休・お盆は営業)
 
詳細データ
源泉かけ流し
泉温 39度
泉質 ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩泉(低張性中性温泉)
効能 神経痛、慢性消化器病、冷え症など
pH 6.6
入湯 男女別
露天風呂 あり(男1、女1)
貸切風呂 なし
休憩場所 あり(無料)
飲食設備 あり(11:00~15:00)
タオル・バスタオル なし
石鹸・シャンプー あり
ドライヤー あり(無料)
鍵付きロッカー あり 100円
駐車場 12台 無料

 

 

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