車中泊コースガイドの裏話  岩手県遠野


 2012年12月。急ピッチで車中泊コースガイド東日本編の執筆を進めてきたが、昨日ようやくカラー52ページにわたる11のコース概要が完成した。

20141016ラフ

約600点の写真をレイアウトに落としたデータは東京のGデザイナーに送られ、きちんとしたデザインに清書されて筆者の手元に戻ってくる。そこに配置された文字数に合わせ、原稿を書き上げて雑誌はようやく完成するのだが、今はデザイナーの作業を待つ「つかの間」の休憩タイムというわけだ。

もちろん今日からは後半のモノクロページの制作にかかるので、のんびりしている時間はない。同じ工程をこれから、西日本編、北海道編とまだ2度繰り返さなければならないし、その間にレギュラーのカーネルの発刊が春号、夏号と2度入るのだから、まさに半年間は「執筆漬け」の毎日になるだろう。

さて、東日本編で筆者が最後に悩んだのが、岩手県の「遠野」である。一般的には民話の故郷と紹介されているのだが、テーマが素朴なだけに、そのまま雑誌に載せようとするとぼんやり感が拭えない。

デンデラ野

もともと遠野は、柳田国男がまとめた逸話集「遠野物語」で名を馳せ、その後に仲代達矢主演の同名映画が放映されて、広く知られるようになった農村地帯で、現地に行っても絵になるところは乏しい。

しかし、日本人には遠野の情景に癒しや切なさを覚えるDNAが埋まっているようで、なぜか不思議な気分になれるところなのだ。それを音も匂いもない2次元の世界で、いかに表現したらよいものか… 

そのヒントになったのがこの「HOME 愛しの座敷わらし」という映画だった。遠野を中心に盛岡や岩手山の映像をうまく取り入れ、得も言えぬ「空気感」を、座敷わらしと家族の絆を通して巧みに表現している秀作だ。

経済の低迷と政治の迷走に喘ぐ今の日本人にとって、遠野に残る民話はさすがに重苦しさが感じられ、脱日常を求めて出かける旅の気楽さに水を指すような気がして迷っていたのだが、この映画を見て見事にそれが払拭された。

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