カーネル「車中泊で旅する」 三重県松阪市の取材メモ


 「伊勢志摩」という言葉があるように、三重県の「中勢」と呼ばれるこの一帯では、伊勢神宮の参拝とスペイン村のある志摩半島をセットにした旅のプランが主流だ。ただ今回は季節が風の強い冬ということで、少し趣向を変え反対側の松阪市を旅してきた。

まず訪ねたのは、お隣の津市に近い松浦武四郎の記念館。北海道に行く人ならたぶんよくご存知だと思うが、この人物が「北海道」の名付け親である。

〒515-2109 松阪市小野江町383
☎:0598-56-6847(松浦武四郎記念館)

間宮林蔵の陰に隠れているが、江戸時代に蝦夷地をくまなく歩き、その自然文化を調査して、幕府にレポートした。

知床の様子も、このような細かで忠実なイラストにまとめていた。すごい!面白い!

また晩年は郷里の三雲に戻り、大台ケ原を探検して世に知らしめている。

松浦武四郎記念館から10キロほど走り、いよいよ松阪の中心街へ移動する。まずはJR松阪駅前にある観光協会で資料を集め、ガイダンスを受けることに。
筆者は、初めての地ではできる限りこの作業を行う。どんなサイトやガイドブックを見るよりも短時間で的を得た情報が得られるからだ。ただし、そのためには「下調べ」が要る。予備知識があってこそ、アドバイスは生かされる。

そのひとつが、ご当地名物の「松阪牛」だ。
商標登録上は「まつさかうし」と発音するのだが、ここでそれを食べさせてくれる店は、超有名な「和田金」から、地元の若者やサラリーマンが集まるホルモン焼きの「一升びん」まで多数あり、一元客が自分にあう店を選ぶのは至難の業。ゆえに絞り込みの条件が必要だ。 今回の筆者のテーマは、シルバー層の多いカーネル読者を意識して「量は少なくてもいいので、本物がリーズナブルに食べられる店」だった。

もちろん、期待に沿う店をちゃんと見つけた(笑)。
訪れたのは「快楽亭」(☎0598-21-0222)。ランチで石焼きとすき焼きをそれぞれ選んで会計は4600円。それでもそこそこお腹が膨れるボリュームだった。脂の混ざった霜降り肉は、思っているほど食べられない。

なお黒毛和牛はサシに甘みがあり、肉そのものの味がわかるので、本物であることに間違いはない。ただ、それが松阪か神戸か、飛騨か米沢かは、たぶん食肉のプロでもわからないと思う。ちなみに、若女将はすこぶる美人だった(笑)。

その後は、市役所にクルマを置いて松阪城址周辺を歩いて回る。市営駐車場はあるが、休日は市役所の駐車場が無料開放されるとのこと。これは観光協会のおねえさんのアドバイスだが、普通は本に載らない嬉しい情報だ。

松阪城界隈における一番の見どころは、やはり「御城番屋敷」であろう。後に会津の鶴ヶ城主となる蒲生氏郷が築いたこの城は、江戸時代に入ると御三家の紀州藩の管理下に置かれる。城内には様々な出先機関が置かれ、紀州藩士がここに家族とともに「転勤」してきたという。

「御城番」とは文字通りお城の警護がお役目で、早い話、ここは当時のガードマンたちの社宅だったのである。新政府に変わり「御城番屋敷」は払下げとなって子孫達が買い取ったというのだが、それが借家として現在も使われ、実際に人が住んで生活しているのには驚いた。京都の町家よりも面白そうだ。

その後は、伊勢市内に入り、伊勢神宮のおはらい町や駐車場をロケハンし、スーパー銭湯で疲れを癒して車中泊スポットへ。明日は夜明け前からここで仕事を始めるつもりだ。

【稲垣朝則のオリジナル・ウェブサイト】

オートパッカー

大人の車中泊

サブバッテリー

クルマで旅する北海道

車中泊で温泉旅