車中泊の旅人にお勧めの映画 「あなたへ」


今日は午後から見たかった健さん主演のクルマ旅の映画、「あなたへ」を観に行ってきた。上映の15分前にマイカルに着いたのだが、劇場はほぼ満席… 毎月1日は映画が1000円の日ということなど全く頭になかったので、滑り込みセーフとなった。

映画はストーリー、映像共に満足できる内容だった。比べるものではないかも知れないが、同じ車中泊シーンが登場する作品としては、昨年の「星守る犬」よりは、その世界を知らない人に好印象を与えたに違いない。

健さんは御年80歳過ぎとはとても思えない演技で、若き日の「幸せの黄色いハンカチ」を彷彿させてくれた。それにしても、余貴美子はこういった作品によく出演している。しかし、これがまた「ハマリ役」という感じで、どの映画でもいい味を出しているように思えるのだ。龍馬伝の大浦慶役も筆者はけっこう好きだった。

さて。この映画で印象に残った一節を紹介しよう… 
旅と放浪の違いは、目的があるかどうかだ。
そしてもうひとつ、帰るところがあるかどうかである。
同じ俳人でも、松尾芭蕉は旅、種田山頭火は放浪であった。

誰のセリフかは、ぜひスクリーンで。

監督:降旗康男  
脚本:青島 武
キャスト
高倉健/田中裕子/佐藤浩市/余貴美子/綾瀬はるか/三浦貴大/大滝秀治/長塚京三/原田美枝子/浅野忠信/ビートたけし

【あらすじ】
北陸のある刑務所の指導技官・倉島英二(高倉健)のもとに、ある日、亡き妻・洋子(田中裕子)が遺した絵手紙が届く。そこには、一羽のスズメの絵とともに“故郷の海を訪れ、散骨して欲しい”との想いが記されていた。 刑務所に慰問に来た歌手であった洋子とは50歳を目前に結婚し、晩婚だった二人は子どもを望まず、穏やかで幸せな夫婦生活を営んでいた。15年間連れ添った妻とはお互いを理解し合えていたと思っていたのだが、妻はなぜ生前その思いを伝えてくれなかったのか…。 英二は、妻の真意を知るため彼女の故郷を訪れることを心に決める。妻とともに日本を旅するはずだった自家製のキャンピングカーに乗り、彼女の故郷・九州へと旅立つ英二。旅を続ける中で出会うさまざまな人々。彼らと心を通わせ、彼らの家族や夫婦の悩みや思いに触れていくうちに蘇る妻・洋子との心温かくも何気ない日常の記憶の数々。妻の故郷に辿り着いた英二は、遺言に従い彼女の遺骨を故郷の海に散骨する。そのとき英二は、妻の本当の想いに気づかされるのだった。

さて、次は「あなたへ」のロケ地を紹介していこう。
ここからの文面は、2014年にブログサイトを移管した際に、複数の記事をつないで再編集したものである。

仕事で丹後半島まで出かけた帰りに、今上映中の話題映画「あなたへ」に登場する、兵庫県の和田山にある竹田城址を取材してきた。ここは雲海がみられる近畿屈指の撮影スポットとして知られ、これからちょうど良い季節を迎える。

雲海撮影の勝負は「日の出」。朝日によって景色に幻想さと感動が加わる。

今回筆者が訪ねた竹田城址では、田中裕子が演じる妻・洋子が歌をやめる告白をするシーンが撮影された。車が対抗できない細い道から撮影機材をあげて、スタッフ総勢150人余りの大ロケだったようだ。

なお、その竹田城址がいかに素晴らしいところであるか、いつ誰が築いたのか、そして雲海を見るための詳しい条件などは、こちらに詳しく記載しているので興味のある方はあわせてどうぞ。

続いては、ドライブ ステーション板蔵のお話。

ここは東海北陸自動車道で奥飛騨温泉郷や上高地にアクセスするようになって以来、何度も利用してきたところだ。特に大阪への帰路では、「ここでラーメンでも食っていくか」という気分になる場所に建っている。自慢の板蔵ラーメンはボリューム感があって、筆者の中ではけっこう好きな部類に入る味だ。

しかし… まさか店の前で天然水が汲めるとは映画を見るまで知らなかった。きっとこれは、今後車中泊をする人々にとって嬉しい情報になることだろう。「あなたへ」では、ここで高倉健とビートたけしが初めて出会う設定だ。

ロケ地めぐりはさらに続く(笑)。

こちらは下関から関門海峡を見下ろす「火の山公園」。下関ではここだけでなく、関門海峡が間近に迫る唐戸市場横の姉妹都市広場でもロケが行われたようだ。

そして…

2013年2月。筆者は車中泊コースガイド西日本編の取材で長崎に向かっていた。最初に目的地は平戸。平戸といえば、その少し先に「あなたへ」の最後のロケ地となった薄香の漁港があるではないか… 

この漁村の沖に、妻・洋子は散骨され、映画はフィナーレを迎える。

薄香には、きちんとロケ地が残されていた。「北の国から」ほどではないが、はるばる本州からやってくる旅人をがっかりさせるものでなく、むしろそれは手作り感が端々に見えるアットホームなやり方に思えた。

薄香の宣伝に一役買っていたのが、当時の区長の久保田さんだ。筆者が何も言わないのに、どんどんロケ地をガイドしてくれ、健さんのコーヒーや大滝秀治さんの昼食へのこだわりなど、他ではちょっと聞けないエピソードまで聞かせてくれた。

最後に。映画会社と自治体の間には、様々な調整が必要なようだが、「映画のロケ地」は立派な観光要素である。制作費を考えれば、それをただ「作品収入」だけで償却するのは愚の骨頂… 世の中にはロケ地になりたい地方自治体は山ほどある。 その中で、駐車場だけ用意してやればいいのだから、車中泊で来てくれる客ほどありがたいものはあるまい。

 

【稲垣朝則のオリジナル・ウェブサイト】

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