北海道・道東の旅 2014


7月1日の夕方に苫小牧東港に上陸し、早くも6日目の朝を迎えている。北海道に上陸後、実質的には4日間が過ぎ去ったわけだが、旅はトラブルにも雨も遭わず順調だ。

上陸して最初に訪ねたのは、東大雪にある「タウシュベツ橋梁」。これまでは展望所から遠めに眺めてきたのだが、今回はその袂に迫った。

タウシュベツ橋梁は、第1回北海道遺産に選定された「旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群」のひとつで、それを含めた橋梁群は、糠平から十勝三股の山岳森林地帯を南北に貫く国道273号に並行して点在しており、車道からその遺構を垣間見ることができる。

だが、タウシュベツ橋梁だけは少し事情が違う。糠平湖の水かさが増える6月頃から湖面に沈み始め、10月頃には湖底に沈むのだ。水かさが減る1月頃から凍結した湖面に再び姿を現すため、幻の橋ともいわれている。

 現在は橋梁付近の崩落を避けるため、森林管理署で通行許可を得なければ現地にいくことができない。ガイドツアーもあるが、ひとり3000円とかなり高価だ。

鍵の借り方から橋へのアプローチに至る詳細は、帰宅後データベースにまとめたいと思っているが、森林管理署から、タウシュベツ橋梁までは約30キロ。見学後に鍵を返却に戻ることを考えると、ここは本気で見ようと思わない限り行きにくい場所であることは確かだろう。

さて。カーネル誌上で、筆者と「車中泊・日めくりの旅」を連載している長谷川氏が紹介している北海道の人気イベントが「枝幸かにまつり」だ。今年で47回目になるそうだが、筆者は3回目の参加になる。ただ… 毎年場所取り競争が熾烈化しているようで、それがゆえに一度で十分という人も多い。

筆者を含む「枝幸かにまつり」のリピーターの多くは、ここではどちらかというと「同窓会」を楽しんでいる。北海道の旅で出会った者同士が、年に一度互いの元気な顔を見せ合う場というわけなのだ。筆者と長谷川さんもそんな仲で、約束は特にしないが、今年も一晩酒を飲みつつ、情報交換会を楽しんだ。

枝幸かにまつりの「目玉」といえるのが、枝幸夢夢想。「よさこいソーラン」を過去に連覇し、今年も再びグランプリに輝いた素晴らしい舞踊が間近で見られる。

 かにまつりの本番は7月の第一日曜に行われるが、筆者は前夜祭だけ参加し、当日はまつりが始まる前に会場を後にする。今年は枝幸からオホーツク国道を南下し、紋別に向かった。

紋別 パークゴルフ場

今年紋別に足を運んだ理由はふたつある。ひとつは昨年オープンした「紋別市営まきばの広場パークゴルフ場」の取材だ。全72ホールのフラットで広大なコースは、芝がほどよく管理された素晴らしい施設である。しかもそれが「無料」で利用できるのだから驚きだ。ただ、消費税を値上げするほど逼迫したご時世に、市民が得られる行政サービスの面から考えると、本当にここまでのレベルが必要なのか… と思えなくもない。

こちらは紋別海洋公園。昨年までは200円で利用でき、ゴミは100円で引き取ってもらえたのだが、今年からゴミ引き取り込みで400円になった。ちなみに料金は1泊ではなく、1シーズン… こちらもパークゴルフ場に劣らず「太っ腹」である(笑)。

その紋別海洋公園に隣接する波止場からは、いろんな魚が釣れる。筆者が訪ねたシーズンは氷下魚(こまい)がかかることが多く、今年も獲物は一夜干しにして夕食の一品となった。

 翌日は早朝に氷下魚を釣り、午前中にシェルターをたたんで丸瀬布に移動した。午後からは舞台を川に替えて渓流魚を釣ることに。

写真は本州では滅多にお目にかかることのできないネイティブのヤマメ。型は小さめだが、丸瀬布いこいの村キャンプ場内を流れる川の護岸から、ウェダーなしでも容易に釣れる。この日は20匹ほどの釣果を得た。もちろん釣りにお金はかからない。

キャンプ場はフリーサイト1泊1500円。近くにはHOの常連、マウレ山荘があり温泉が無料になることを考えると、ここは静かでお勧めだ。夜は釣りと登山に来たという2人組のおじさんたちと「オショロコマの骨酒」を楽しんだ。

順調にスタートしたはずの今年の北海道ツアーだったが、台風8号のおかげで天候が悪化… そのため先週の道東はぐずついた天候が続き、予定がずいぶん狂ってしまった。

今年の北海道取材のテーマは、「道東セカンドルート」。釧路湿原や知床といったメジャーな観光地を既に旅終えたリピーターたちの旅先を紹介しようという目論見だ。その中のひとつが「清里町」。信州の清里は八ヶ岳の麓にあるが、北海道の清里からは斜里岳が良く見える。

清里の今の旬は、サクラマスの豪快なジャンプが見られる「さくらの滝」だが、他にも摩周湖の水が湧き出る神の子池など、北海道ならではの見どころが点在している。

だが、今回の狙いは早朝の藻琴山から見られるという雲海にあった。曇天と当らない天気予報(笑)に阻まれ、なかなか晴天の清里を撮影することができなかったが、その合間を縫って顔を出した青空を、釧路湿原から早朝にクルマを飛ばして得た貴重なカットだ。雲海の下は屈斜路湖。広大な湖上に浮かぶその景観は、美幌峠をも凌駕する美しさだった。

根室半島の付け根に近い太平洋岸の小さな岬… それが霧多布だ。「霧多布」の地名はアイヌ語で「茅を刈るところ」を意味する「キータプ」に由来するという。だが、多くの旅人は「霧の多いところ」がその語源だと勘違いしているのではないだろうか。

 事実、この一帯は特徴的な海霧の影響を受けやすい土地柄で、霧は突如海面から湧きあがるように発生する。そのため、厚岸方面から来ると、琵琶瀬までは晴れていても、霧多布半島に近づけば瞬く間に視界が薄れ、フォグランプが必要になる。

 湿原に咲く、瑞々しい野生のショウブ。

 霧多布半島のお勧めは西の端にある「アゼチの岬」。 アゼチの岬はビワセ湾に突き出た岬で、小島・ゴメ島・嶮暮帰島を望め、遥かにビワセ湾、浜中湾の海岸線を見渡す事ができ、付近一帯はエトピリカの営巣地となっている。ここは晴れた景観が見たかった。

霧多布のキャンプ場で一夜を明した翌朝、釧路に向かう途中で最後に霧が晴れ、僕らの前に見渡す限りの湿原が姿を現した。

【稲垣朝則のオリジナル・ウェブサイト】

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