岐阜県取材旅 長良川・高山・馬籠・妻籠宿


昨日の夜はこの写真を撮るべく長良川へとやってきた。長良川で鵜飼が行われるのは10月15日まで。今は目の前の金華山に建つ岐阜城もライトアップされ、フィナーレに向けた様々なイベントが行われているようだ。

それにしても、さすがは宮内庁職に認定された鵜匠だけあって、その「たずなさばき」は洗練されて無駄がなく、美しくさえ感じられた。

さて。美濃と言えば「斉藤道三」、岐阜と言えば「織田信長」。歴女なら分かると思うが、この二人は義理の親子で、道三が築き上げた資産を、信長が義理の兄から奪還し、天下布武へと続いてゆく。

岐阜城はまさに信長躍進の「舞台」となった居城で、今も金華山に残る参城の道は、秀吉や光秀、また家康らも実際に歩いてきた。

ただし今回は急ぎの取材にて、そのあたりはビューンとロープウェイで割愛(笑)。ちなみに金華山は東海地方の「高尾山」のようで、ド派手なウエアを身にまとったランドネーゼ達を多く見かけた。今度はぜひ歩いて登るとしよう。

今は長良川の河原にある無料のオートキャンピングフィールドにいる。昨日はここで地元の友達と焚火を囲んだのだが、こんな場所は自分じゃとても探せない… 設備は簡易トイレしかないが、キャンピングカーならそれで十分だ。

9時までここで過ごして、そのあとは「岐阜の朝の楽しみ」を取材に街に出る。それが何かはホームページかカーネルでいずれ明かそう。朝・昼・夜とそれぞれに楽しみがある岐阜市周辺は、鳥取県の倉吉と同じく車中泊のクルマ旅にはお勧めの土地だった。

この後は下呂温泉を抜けて高山へと向かう。

筆者が高山の町を訪ねるのは今回が4度目になる。ただ過去3回は、いずれも上高地や奥飛騨温泉郷の「ついで」だったため、じっくりと町中を見てはいなかった。

なぜなら「道が狭いうえに、人も車も多く世俗的な店ばかり」… そんなイメージが高山にはある。本来は奥飛騨や上高地と比べるところではないのだが、車中泊で飛騨高山に来る人の多くは、たぶん筆者とそう変わらないのではないだろうか… 今回はそれが偏見かどうかを確かめるべく、車中泊スポットを含めて本気で高山を歩いてみることにした。

高山市内の見どころは大きく2つに分かれる。ひとつは、るるぶや食べログに煽られた観光客がどっと集まる「さんまち」エリアで、確かに洒落たカフェや雑貨屋さんなどが「昔風の装い」で並んでいる。世俗的には違いないが、巧みに洗練されていて、白川郷の通りとはずいぶん違う。ちなみに、彼らのお目当ては下の写真だ。

今、高山ではこれがブームのようで、何件もの「飛騨牛の握り」テイクアウト店を見かけたが、まさに軒並みの行列だった。それに耐えられる中高年と外人さんは、たぶんいない。筆者は仕事だから頑張ったが…、いや頑張ったのは家内だった(笑)。

もちろん「プライベートの旅なら、まず手を出すことはないだろう。ここで貴重な体力を大きく消耗してはいられない。

中高年にお勧めなのは、豊明台エリアだ。
日壁民芸館と古島屋住宅の豪商屋敷の先に、秋の高山祭りの舞台となる桜山八幡宮がある。本来はここが高山の観光メインストリートだったらしいが、歩く人の数はさんまちの10%ほど、その人たちの年齢は約2倍… これほど客層が鮮明に違うところも珍しい。

もっとも、それは手元にある「まっぷる」がその紹介に割いているページの数に比例している(笑)。そう思うと「中高年るるぶ」というガイドブックがあってもよろしかろう。人力車もここでは違和感を感じなかった。

さて。1日が終わり、今は高山から10キロほど離れた道の駅「アルプ飛騨古川」でこのブログを書いている。このあと飛騨古川の白壁の町並みを少し歩いて、今日は奥飛騨温泉郷から長野に入り、友人と会うため白馬を目指す。

飛騨古川は高山市内から約15キロのところにあり、瀬戸川沿いに白壁土蔵が残る端正な町だ。歩いたのが平日の朝というのも良かったのだろう。雑踏ではなく日常の姿がそこにはあった。中高年になるとこういうところが落ち着ける。

ただ取材が難しいのは、いつもいつも「こういう絵」がそこで見られるわけではないということだ。特に高山のような人気の観光地では、むしろ人だらけの写真のほうが読者に臨場感が伝わるのではないかという気もする。現実に読者が行けば、それを目にするしかないのだから… 

ゆえに筆者はできるだけ両方の写真を撮るようにしているのだが、それには膨大な時間がかかる。だが曜日を変え、季節を違え、積み重ねた取材回数の多さが、記事に「厚み」「深み」を感じさせてくれると信じたい。

奥飛騨温泉郷からは安房トンネルを抜けて長野県へ。この日は白馬の道の駅で同じく旅の途中のFさんと合流し、2月ぶりの再会を果たした。

翌朝早く筆者たちは白馬を出て、最後の目的地である木曽へと向かった。写真は木崎湖。既に湖面には「けあらし」が湧き、信州はまもなく本格的な秋を迎える。

さて、木曽といえば中山道。69ある宿場町の中でもとりわけ有名なのが、馬籠と妻籠宿だろう。この2つはセットのように紹介されるが、実は間に県境があって、馬篭宿は岐阜県、妻籠宿は長野県になる。
筆者が馬籠宿に来たのはこれが4度目。最初は家族で御嶽スキー場の帰りに立ち寄ったのだが、馬籠は冬に来ると大変だ。石畳の坂道は凍れば途方もなくやばい道になる(笑)。

 馬籠宿に比べると、妻籠宿は平坦で歩きやすく土産店の数もずいぶん多い。高山に例えるなら、妻籠宿は若い人が楽しめる「さんまちエリア」ということだろう。ちなみに妻籠宿は1976年9月に日本で最初に登録された重要伝統的建造物群保存地区のひとつ。白川郷の荻町や京都の産寧坂、萩の武家町などが「同期」にあたる。

最後に周辺の車中泊スポットを取材し、4日間に及んだ「第一次岐阜取材」は完了。一度帰阪してデスクワークを済ませた後、2週間後に今度は白川郷と乗鞍の紅葉を撮りに戻ってくる。春の富山県と同じく、秋の岐阜県はできれば1ヶ月くらい滞在したいものである。

【稲垣朝則のオリジナル・ウェブサイト】

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