二見浦興玉神社と夫婦岩/伊勢志摩


おそらく「二見興玉神社」と「夫婦岩」では、圧倒的に「夫婦岩」の方が知名度は高いと思う。観光客の中には、二見浦に来て初めて「二見興玉神社」の存在を知ったという人もあるだろう。

伊勢には「浜参宮」という言葉が残るが、それは古来から伊勢神宮に参拝する前、また祭典に奉仕する前には、清き渚と称される二見浦で禊(みそぎ)を行ってきた慣習に由来している。現代はそれに代わるかたちで、二見興玉神社にて霊草無垢塩草で祓い清めを受けており、2013年の神宮式年遷宮のお木曳行事やお白石持行事への参加者も、ここで浜参宮を行った。

そもそも二見興玉神社とは、夫婦岩の沖合約700mの海中に沈む、祭神・猿田彦大神縁の興玉神石を拝する神社である。猿田彦大神は天孫降臨の際に高天原と豊葦原中津国の間の道案内を務めたことから、「道開き(導き)の神」と呼ばれてきた。

その神使はカエルといわれ、境内には無数のカエルの石像が並んでいる。ご利益も「無事カエル」・「貸した物がカエル」・「若ガエル」など「カエルがらみ」のネタが多く、どことなく大阪チックで面白い。(笑)。

さて。では夫婦岩とは何なのだ?
実は、大事なのは「夫婦岩」よりもむしろ、その間に掛けられた「五連の注連縄(しめなわ)」のほうである。「五連の注連縄」は、天照大神と興玉神石を拝むための鳥居の役目を果たしているという。古来、男岩は立石、女岩は根尻岩と呼ばれていたが、いつの頃からか、夫婦岩と呼ばれるようになったらしい。
それからすると、どこにも「夫婦円満」や「縁結び」のご利益は見えてこない(笑)。まさかここが今流行の「恋人の聖地」に選定されることはないと思うが、若者もたまには「本筋」をちゃんと知ることが大事だ。

二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)
〒519-0602 三重県伊勢市二見町江575
0596-43-2020

クルマで旅する伊勢志摩

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