値頃でおいしい地酒の紹介/四万十の栗焼酎 ダバダ火振 


高知県・四万十川のブランド焼酎

ダバダダバダ… 我々の世代はこの響きを耳にすると、「大橋巨泉の11PM」なる古い番組を思い出したりもするのだが、この酒の名前の由来は全く別…のところにある。(笑)

ダバダ火振とは、“深山の小平地”という意味で、この地域の随所に残る地名「駄場」と、四万十州の伝統鮎漁法「火振漁」に由来し、自然と共生するふるさとの素朴な心を未来に伝えようとしている地酒だ。

ボトルに大きく書かれた無手無冠(むてむか)は、高知県の西部、幡多郡大正町で明治26年に酒造りを始めた蔵元の名前。社名の「無手無冠」は、冠におぼれず、飾らず、素朴な心を大切に、ひたすら自然を生かした地の酒づくりという、創業当時からの酒造りの姿勢に由来しており、豊かな郷土資源を生かした地酒造りに徹している。

さて、生栗が50%も使用されているというこの焼酎は、栓を開けると栗独特の甘い香りが感じられるが、味わいにはクセがなく、焼酎が苦手な人でもこの酒なら比較的抵抗感なく飲めるかもしれない。飲み方は栗の甘みが十分に味わえるロックがいい。

そのダバダ火振がブランド焼酎と呼ばれる理由の一つが、ラインナップの豊富さだ。陶器に入れた”うんすけシリーズ”や、栗を75%使用し、長期貯蔵した”四万十大正”など、インターネットの酒店には様々なバリエーションが顔を並べる。だが、そこにも並ぶことのない「秘蔵」のダバダ火振があるのをご存知だろうか…

写真は「四万十太郎」と呼ばれる予約限定販売の古酒だ。ダバダ火振を「四万十時間」、すなわち4年7ヶ月もの間、壷詰めにして地下の洞窟で寝かせている。だが、その大半は地元の古くからの顧客の手に渡るため、まず市場に出回ることはないという。

実は、筆者はその幻とも呼べる古酒の味を知っている。もう5年近く前になるが、群馬県の水上温泉にある道の駅で知り合った、高地県中村出身で筆者と同じアネックス社のハイエースキャンパーに乗る旅人夫婦が、この酒を「注文」していたのだ。
後日手元に届いたら連絡すると言ってもらい別れたのだが、それからちょうど4年が過ぎた昨年の秋、彼からの電話が鳴った。彼は今、埼玉県に住んでいるのだが、偶然にも電話をもらった時に、筆者は山梨県の甲府にいた! このまさに奇跡的な偶然が、幻を現実に変えてくれたのだった。なぜなら、彼は一晩で1800ccの焼酎を飲みほしてしまうほどの酒豪なのである…(笑)。最後にお味は、超まろやか。古酒ならでは熟成感に満ちた美酒である。

PS 2015年12月

この年、筆者は「年越し車中泊の旅」の取材で高知に赴いた。久しぶりの四万十ということで、無手無冠酒造に立ち寄ったのだが、そこで店の片隅に置かれた初めて見るボトルに気がついた。

ポップに「四万十ミステリアスリザーブ」と書かれたその酒は、ボトルの大きさは違うが、あの「四万十太郎」そのものである。不定期ではあるものの、在庫があればこういうかたちで市場に出回ることがあるそうだ。

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