京都 紅葉の貴船神社


貴船は鴨川の水源にあたり、貴船神社はそれを守る水の神様のお社として、古来より守り続けられてきた。実際に訪ねてみればわかるが、神社一帯は古木・大木が醸しだすしっとりとした空気に包まれ、スピリチュアルな雰囲気が漂っている。

 貴船神社

さて… 神社の案内をする前に、まずは貴船神社へのアクセスについて書こう。このブログにホームページの「クルマで旅する京都」経由で辿り着かれた人は、既にお読みになられたと思うが、検索エンジンから直接アクセスしてくださった方は、貴船の道路事情をまず最初に知る必要がある。

紅葉の貴船

もみじ灯籠に火が入る11月中旬から下旬は、道の細い貴船に驚く数の観光客が訪れる。貴船神社近くまで来れば、道幅はご覧の通り。仮に早朝に到着し、行きの渋滞を免れたとしても、帰りはやってくる人と対向できない所が点在するために、道は空いていても渋滞につかまる。

貴船神社 駐車場

渋滞を引き起こすもう1つの要因は駐車場だ。これは奥宮にある有料駐車場だが、停められるのは、なんとここに写っているクルマの数だけである。

貴船神社駐車場

こちらはトイレがある手前の貴船神社の駐車場。早朝でも満車ということは、たぶん付近の宿の宿泊客が利用するのだろう。つまり車中泊は極めて困難と考えるべきだ。

いずれにしても、駐車場については需要と供給のバランスが如何とも悪すぎる。両方を合わせても、わずか20台ほどしかキャパがないのだから、休日の10時頃にのこのこと家を出てきたのでは、悲惨な結末が待つだけだろう。

貴船もみじ灯籠

ハイシーズンに貴船・鞍馬を訪ねる最善の方法は叡山電車を利用するパーク&ライドである。別のページに、出町柳駅からのパーク&ライドに関する詳しい情報を記載しているので、ぜひ合わせてご覧頂きたい。

叡山電車の車窓紅葉

写真はきららと呼ばれる叡電の特別車両から見える、通称「紅葉のトンネル」。もみじ灯籠の時期に合わせて、夜はライトアップもされる。

 

貴船神社鳥居

いよいよここから本論。貴船神社を詳しくガイドしていこう。

貴船神社本殿

風情あふれる石段を登り切ると、目の前に2頭の馬の像が飛び込んで来る。平安時代に記された文献「類聚符宣抄」によると、雨乞の社といわれた貴船神社には、歴代天皇により、日照りには黒馬、長雨には白馬又は赤馬をその都度献げて御祈願する習わしがあった。

しかし、御祈願が度重なる際には、生き馬に換えて馬形の板に色をつけた「板立馬」を奉納したとされる。その「板立馬」が、今日の絵馬の原形で、古くは和泉式部が復縁を、源義経が源氏再興を、それぞれ神前に絵馬を捧げて祈ったという。

 なお、貴船神社は奥宮が元々の鎮座地だったが、度重なる災害を避け、天喜3年(1055)に現在の場所に移築された。写真の本殿は平成17年に建て替えられたものだそうだ。どおりで真新しい感じがした。

 

京都 貴船

 さて今度は、貴船神社のご利益について。一般的には心願成就・えんむすび・家内安全・商売繁盛などとされているが、原点はどうやら、水の働きから生まれた信仰にあるようだ。水は命の源であり、汚いものを洗い流す浄化力にも優れている。清らかな水は、心の中の汚れをも清め、心が洗われると元気が蘇る。
かつて、キフネは「気生根」とも書かれていたという。「気の生ずる根源」の前で祈れば運も開かれる… それが心願成就のご利益に通じている。

貴船神社 結社

本殿から出て貴船川沿いを奥宮に向かって進むと、今度は中宮「結社」が現れる。ここには天照大御神の孫にあたり、天孫降臨で知られるニニギノミコトにまつわる恋の逸話が残されている。

それがきっかけで、今から1000年もの昔に、宮廷の女流歌人・和泉式部がこの貴船神社に参詣し、名歌「蛍の歌」を捧げて恋を祈り、その願いがかなえられたという。以来、貴船神社は「恋の宮」としても知られるようになった。

ただ残念なことに、筆者が訪ねた2011年の秋は、お社の大規模な改修工事中で、中は全く見ることができなかった。

 

貴船神社奥社

いよいよ最後が奥宮だ。貴船神社の本殿からは500メートル、歩いて7.8分ほどの川上に建つ。

この奥宮は古社中の古社といわれ、正確な創建年代は不詳。伝説では第18代の反正天皇の御代(1600年程前)の創建と伝わる。社伝によれば、神武天皇の母にあたる玉依姫(たまよりひめ)が黄船に乗って淀川、賀茂川(鴨川)、貴船川を遡り、このあたりに船を留め、そこに社殿を建てたのが始まり。 奥宮には玉依姫が乗ってきた黄船を、人目につかないように小石を積んで囲んだものと伝わる「船形石」があり、海に出る時はこの小石を携帯すれば航海のお守りになるといわれる。

最後に、貴船神社にある珍しい2つのご神木を紹介したい。いかにも水の神様が宿る貴船らしさを感じる不思議な命の絡まり… パワースポット伝説の「丑の刻参り」よりも、遥かにこの木の存在に筆者は神秘性を感じた。

相生の大杉

相生の大杉
結社と奥宮の間にあり、同じ根から生えた2本の杉の大木がぴったりと寄り添うように天に向かって伸びている。樹齢は1000年ともいわれ、その姿を仲睦まじい老夫婦の姿になぞらえて、相生(相老)の杉と呼ばれるようになった。

連理の杉

連理の杉
奥宮の神門をくぐったすぐ左山手の末社・日吉社の横に、杉と楓が合体した珍しい大木がある。連理とは、別々の根から生えた2本の木の枝がくっついてどちらがどの枝かよく分からなくなることを意味し、夫婦、男女の仲が親密なことに例えられる。

貴船神社についてのガイドは以上でおしまい。叡電の貴船口駅からは徒歩で片道約30分を要するが、京都の寺社仏閣の中でも、トップクラスに入れたいお勧めのスポットだといえるだろう。ぜひそのまま、牛若丸ゆかりの鞍馬寺へも足を伸ばしていただきたい。

貴船神社
京都府京都市左京区鞍馬貴船町
☎075-741-2016

京都の車中泊・クルマ旅のガイドはこちらに詳しく記載

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