世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」/概要と観光の秘訣


熊野古道は世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部

お膝元の近畿在住者でも、この世界遺産の正式名を知らない人は少なくない。それはマスコミや行政が、「世界遺産・高野山」あるいは「世界遺産・熊野古道」というように、観光案内を便宜上分かりやすくするため、「世界遺産の構成要素単位」に切り分けた表記を使っているためだ。

しかし、説明する側の立場になれば、それは「致し方のないこと」。なぜなら、それほどまでにこの世界遺産の範疇は広い。早い話が、欲張りすぎだ(笑)。

「熊野古道」は6本ある。

その構成要素のひとつである「熊野古道」は、聖地「熊野本宮大社」を目指す道であることは確かだが、1本道ではない。むしろ「道」というより、「ルート」と考えたほうが分かりやすい。

正しい理解は、上のマップの通り、紀伊路・小辺路・中辺路・大辺路・伊勢路・大峯奥駈道の6つのルートの総称が「熊野古道」になるわけだ。

霊場は「点」、参詣道は「線」

さて。この世界遺産の全容を理解する秘訣は、「点」=霊場と「線」=参詣道を分けて考えること。

そもそも、「古道」という聞くからに車両では通れなさそうな言葉が先行していることで(笑)、クルマ旅をする人間には今ひとつ関心が薄く、ピンと来るものがないのかもしれない。

そこへもってきて、実際に和歌山県南部を走ってみると、いたるところに「熊野古道」と書かれた表示がでてくるため、混乱してイライラもする(笑)。

実はこれが「熊野古道」を、必要以上につかみどころがないように感じさせている要因であり、旅人を「食わず嫌い」にさせているのだ。

そこで頭の地図から古道を消してしまおう。

そして霊場をクルマで走れる国道で結んでみる。そうするとクルマ旅版の「熊野新道」が浮かび上がるので、それでまずは各霊場に足を運ぶといい。その結果、興味が湧くようなら、今度は本格的に熊野古道ウォークを始めるわけだ。

単純に、昔は巡礼に「歩く以外の方法」がなかった。もしキャンピングカーが平安時代にあれば、そりゃ白河法皇も喜んで利用したに違いない(爆)。

話をまとめると、「熊野古道」は「霊場」に参拝するために作られた道であって、本来のプロセスは、まず「霊場」を知ることにある。この世界遺産は「入り方」を誤ると「本末転倒」、たぶん最後まで分からずじまいに終わるだろう。

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