「壬生温泉 はなの湯」は、新選組の本拠地だった壬生寺の近くにある天然温泉の”スーパー銭湯”。京都市内では唯一ともいえる地元市民向けの入浴施設で、広い駐車場を持ち、平日は700円、土日祝日は800円で利用できる。
筆者がここを気に入っている理由は、まずパワフルなジェットバスがあること(笑)。また露天風呂には系列の施設に湧き出る天然温泉が注がれており、半身浴用の席が設けてあるのもいい。
休憩室も気がきいている。日帰り温泉の休憩室と云えば大半が座敷で、そこでおっちゃん・おばちゃんみたいにアザラシの如く寝転ぶことには、まだいささかの抵抗感があるのだが(笑)、ここはマッサージチェアのような個別のリクライニングシートが置かれているため、多少は気楽に寝転べる。
しかも全席テレビ付き。音声はヘッドレストの中に埋め込まれたスピーカーから聞こえるため、隣の音はほとんど聞こえない。さらに館内はWifiが完備しており、スマホやタブレットで動画を気が済むだけ見ることもできる(笑)。
加えて食堂のメニューもリーズナブル。丼や麺類の単品だけでなく、夜でも1000円以下でちゃんとした定食が食べられるというのは、旅行者にとってはありがたい。
詳しい写真は下の公式サイトでご覧いただけるが、なにしろ京都の観光は歩き回るので、想像以上に疲れる。それもあって、筆者は車中泊旅行者にこの日帰り温泉を勧めてきた。
その「壬生温泉」を久しぶりに訪ねてみると、駐車場がコインパーキングに変わっていた。
しかも料金をよく見てみると、入浴すれば6時間まで無料。かつ深夜1時~翌朝9時までは1時間100円で、最大300円となっている。
ということは午後7時以降に来れば、無料サービス中に夜間料金に切り替わり、9時までたった300円で泊まれるわけだ。まさに激安! というより、京都市内でいちばん安い有料の車中泊スポットではないか。
ただし、問題は24時間利用できる野外トイレがない。「はなの湯」は午前1時で閉館するため、それ以降はトイレがないということになる。
本当にそうなのか?
そう思って周辺を探索することに。要は徒歩圏内にコンビニか、公衆トイレがあればその問題は解決する。
探しものは、100メートルも行かないうちに見つかった。中堂寺交番に隣接する光徳公園に水洗の公衆トイレがある。距離のイメージは、大きな道の駅やサービスエリアの隅っこからトイレに歩いていく程度なので、まったくといっていいほど気にならない。
ただし便座は和式でウォシュレットはなし。トイレットペーパーも置いていないので、持参することをお忘れなく。
この駐車場の奥に歩行者用の出入口があるが、そこから右に進んで信号を渡れば、さきほどの交番がある。
さらに、その先には23時まで営業しているスーパーマーケットがあるので、ここで冷えたビールとおばんざいを買って、ゆっくりクルマで食べることも可能だ。もちろん市内なので、テレビもバッチリ映る。
こう書くと、「はなの湯」は非の打ちどころがない車中泊スポットのようにも思えるが、京都市内のクルマ旅はそれほど単純ではない。
基本的に京都の観光には、渋滞と待ち時間、そして高い駐車代がつきまとう。
つまりクルマでウロウロするのは得策とはいえない。それゆえに、「ここに来るまで、どのようにその日を過ごすか」が問題になる。
その件については、最後に「京都市内の車中泊&観光事情」というページをご覧いただきたいのだが、ここでは結論のみを記載しよう。
「壬生温泉 はなの湯」で車中泊をするなら「前泊」がいい。
たとえば自宅からの移動日の夜、あるいは琵琶湖や丹後から市内に移動してきた夜の車中泊地にする場合にお勧めだ。
市内からの場合は、駅に近い最大料金設定のあるコインパーキングにクルマを置いて、電車や地下鉄で観光を楽しみ、夜ここに移動してくるといい。
【京都】Contents
車中泊旅行者がいちばん知りたいのは、 京都市内をクルマを持て余さずに観光する方法
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