大雪時の車中泊対策


ここ数日の大雪で、日本列島には信じ難い道路災害が起きている。まさか降雪により国道や高速道路で孤立し、一夜を明かすことになろうとは誰が思うだろうか…

実は近畿でも金曜日に大雪が降り、筆者は土曜日の朝から実家の津で行われた親類の葬儀への参列を断念した。当初は当日の朝自宅を出るつもりだったが、金曜日の積雪を見て凍結を避けるべく出発を繰り上げ、午後には家を出られるよう準備を整えていた。
しかし雪は勢いを増し、名神高速道路は38キロの渋滞、西名阪道に至っては通行止めに…。是が非でもという事態であれば、道路上での車中泊覚悟で行けなくもなかったが、「断念」の結論は結果的に正しかったと思う。

チェーン規制

若き日々にスキーを嗜み、何度か大雪で北陸道や名神高速道路が通行止めになった経験を持つ筆者は、それがどういうことに通じるかを知っている。

運良く高速道路を出られたとしても、下の国道にはクルマが集中し、同じように動くことはできない。もし通常時の感覚で「抜け道」をしようものなら、今度は除雪されていない道に出くわし、まさに「タッチアウト」だ。すなわち、どれだけ動かなくても主要幹線道路上にいることこそが身の安全に通じる。

ゲレンデ

またゲレンデの駐車場では、一夜にしてクルマが雪で覆われるのを見てきたため、大雪の中でエンジンをかけたまま長時間過ごすことの危険性も熟知している。マフラーが雪で埋まれば、排気ガスが車内に逆流し一酸化炭素中毒に陥るのだ。 

今回テレビで見た山中湖周辺の道路では、上記のリスクが重なっていた。そうなれば、頼りになるのは電気もガスもなかった時代の「おばあちゃんの知恵」と、冬山登山などで使われるハイクオリティーのアウトドアグッズだけになる。特にサブバッテリーの切れたキャンピングカーは、停電した家にいるより辛いだろう。

スリップ

さて。なぜこの記事を書いているかというと、実は今日の午前中に朝日新聞本社から同様の電話取材を受けたからだ。その記事は明日の近畿以外の朝刊に掲載されると思うが、ここではもう少しその内容を補足しておきたい。

 

大雪

結論として言えるのは、大雪が予想される場合は、可能な限り「出かけるのをやめること」に尽きる。たとえ自分が4WDでスタッドレスタイヤを履いていたとしても、前のクルマがスリップし、スピンしながらガードレールにぶつかれば、道は遮断され否応なしに渋滞に巻き込まれる。しかもJAFはいくら待っても来てはくれない… 災害は「人災」を伴い、湖面に広がる波紋のように、思いもよらぬ方向に影響を及ぼすのだ。
しかし、分かっていてもそれが防げないこともある。そこでそんな時のためのアドバイスを箇条書にしてみた。

 

給油

ガソリンは出る時に満タンにしておく。 
車中泊では「ご法度」とされるが、緊急事態ではクルマのヒーターを使っても許される。ただし軽油は寒冷地仕様でなければ凍結の恐れがあるので、雪の降るエリアに入ってからSAなどで給油しよう。

サービスエリア

 渋滞の気配を感じたら、迷わずSAかPAへ。
理由はいうまでもなく「トイレ」の確保だ。このような時の理想は設備の整ったサービスエリアだが、それは約60キロおきに設置されているため、うまくタイミングが合うとは限らない。だがトイレだけは確実にあるパーキングエリアは、約20キロ間隔で設置されている。道路情報をラジオで確実にキャッチして、渋滞になる前に入ることが重要だ。

マルチシェード

防寒対策は大きく2つ。 
前述のとおり降雪時にはエンジンを切るほうが安心だ。そのため暖房ではなく防寒の準備が必要なのだが、厳冬の防寒法は2つある。

ひとつはクルマで、窓ガラスをダンボールやエアパッキン(ぷちぷち)とガムテープで内張りするとよい。フロントガラスは夏の日除けでも十分だ。またスライドドア車は、ステップから冷気が入るので、ゴミ袋にクッションなどを入れて、そこに挟んでやるといい。

次は体の防寒だが、ヒートテックやフリースなどの化繊ウエアとインナーダウンを重ね着するのがベストだろう。分厚いジャケットはかさばるだけで、むしろ毛布のほうが役に立つと思う。またカイロは靴下に貼るタイプがいい。座ったままの姿勢なら、足元からくる冷気への対策が功を奏する。また帽子やネックウォーマーもきっと重宝することだろう。

ゼリー

空腹を満たすだけでなく、エネルギーの補給ができる飲食物を買う。 
カップ麺は不要。長期戦に備え、空腹を満たすパンなどと合わせて、エネルギーの補給ができるゼリー状の健康補助食品や、ぶどう糖、ビタミン系のサプリメントを用意しておこう。

シェラカップ

またコンパクトな登山用のバーナーやクッカーがある場合は、「サトウのごはん」のような湯煎できるレトルトパックがいい。湯煎する水には周りの雪が使え、おでんなどの暖かいメニューも開発されている。

シュラフやテントマットも含めて、登山用品は過酷な環境で人を守るために研究開発された賜物だけに、防災という視点からもトップクラスであることに間違いはない。

 

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