この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊ならではの旅」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
津軽海峡フェリー「大間~函館便」は、わずか90分間のプチな船旅
津軽海峡フェリー「大間~函館便」を勧める、もうひとつの理由
大阪在住ながら全国を取材で走り回る筆者は、この津軽海峡フェリー「大間~函館便」をこれまでに4度利用している。
その理由は、青森県の下北半島に見どころが多くあるからに他ならない。
イタコの口寄せで有名な恐山、津軽海峡の荒波が削り上げた仏ヶ浦、寒立馬が放牧されている尻屋崎、薬研温泉、そしてマグロの1本釣りで名を馳せる小さな漁師町「大間」。
東北と北海道をあわせて旅したい人には、ぜひこの津軽海峡フェリー「大間~函館便」をお勧めしたい。
通常、大間からは午前7時発・8時30分函館着と、14時10分発・15時40分着の2便が運行されているが、お勧めなのは早朝の便だ。
なぜなら大間のフェリーターミナルの近くには、無料のキャンプ場がある。
屋内の炊事棟と水洗トイレが完備した大間崎テントサイトは、近くに温泉とスーパーがあり、車中泊環境は全国で見てもトップクラスといえる。
そしてそれは、筆者が青森便をあまり利用しない理由のひとつでもある。
青森市内に車中泊の好適地はない。
便利な津軽海峡フェリーのスマートチェックイン
さて。これは青函フェリーの全ての便に共通するが、インターネットで予約するとバーコード入りのメールが返信され、それをスマートチェックインの機械にかざすだけで乗船手続きが完了する。
筆者はパソコンから予約をするのだが、スマホでメールのバーコードを撮影し、試しにそれをかざしてみたら、なんと認識された!
ものぐさな人間には、これができるのとできないのでは大違いになる。
津軽海峡フェリー「大間~函館便」の船舶
津軽海峡フェリー「大間~函館便」は、青森便に比べると小さく、車両はトラック21台または乗用車60台しか載せられない。
そのため夏は、早めに予約をするほうが確実だ。
船内ではこのフリースペースが売店に近くて便利。
ちなみに航行するのは、あのクロマグロが跳ねる津軽海峡。
ただし、7.8月にマグロ漁はほとんど行われないとのこと。甲板には出られるが、見られるのは穏やかな海だけ…だ。