この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊ならではの旅」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
津軽海峡フェリー「青森~函館便」は、便数の多さと船の大きさが魅力
大間便に比べると、津軽海峡フェリー「青森~函館便」は便数が多いうえに船そのものも大きい。こちらはトラック71台または乗用車230台が収容でき、約4倍のキャパを誇っている。
利便性からすると、首都圏在住者なら仕事を終えてから自宅を出発し、途中で仮眠したとしても翌日の内に函館入りが可能なこの便の利用価値は高い。
東海・関西方面の在住者からすれば、羨ましい話だ。
ただし前泊する場合は、青森フェリーターミナルに近づきすぎないほうがいい。青森市内には車中泊の好適地はなく、寝るなら東北自動車道のSAが無難だろう。
便利な津軽海峡フェリーのスマートチェックイン
大間便で詳しく記載したように、津軽海峡フェリーには「スマート・チェックイン」と呼ばれる「自動改札システム」があり、インターネット予約をすると、このゲートで乗船チケットが発行できる。
窓口で乗船名簿等を記入する作業が割愛できるのはありがたい。
便利な津軽海峡フェリーの船内
津軽海峡フェリー「青森~函館便」には、オートレストランと呼ばれるコーナーがあって軽食が食べられる。
もっとも乗船時間は3時間40分しかないので、あらかじめ好きなパンかお弁当を1食分買って持ち込めば、事は足りるだろう。
ちなみに函館からの帰りは、「ハセストのやきとり弁当」がお勧めだ。
なお、青森と函館を結ぶ航路には、津軽海峡フェリーの他にも青函フェリーが運航している。
ただし青函フェリーは貨物トラックやトレーラー向けの船舶で、料金は安いがサービスや装備は劣るようだ。価格優先で行きたいという人は、一度検討してみてはどうだろう。
最後に、クルマの運転が嫌いでなければ、スケジュールの自由度という観点からしても、1日2便で車両収容台数の少ない大洗発の商船三井フェリーより、津軽海峡フェリーの青森便は勝っているように感じる。
函館着でいいのなら、むしろこちらがお勧めかもしれない。