無料で見学できるタウシュベツ川橋梁 マイカー・アクセスガイド

苦労をするだけの価値がある景観

タウシュベツ川橋梁は、第1回北海道遺産に選定された糠平湖の畔にある「旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群」の1つである。

昭和30年に発電用の糠平湖が建設され、士幌線は湖を避けるように新線が引かれた。しかし、橋梁自体は湖の中にとり残され、現在まで古代ローマの遺跡を思わせる姿をとどめている。しかもこの橋梁は糠平湖の水かさが増える6月頃から湖面に沈み始め、10月頃には湖底に完全に沈みこむ。そのため、幻の橋とも呼ばれてきた。

60年以上にわたって放置され、修復もままならないタウシュベツ川橋梁は、今ただ静かに崩落の時を待っている。そのため、近年は廃線ファンだけでなく、その「歴史の証人」になりたいという人々が続々とこの地を訪れるようになった。

だが… 2009年から北海道森林管理局・十勝西部森林管理署東大雪支署は、国道273号線からタウシュベツ川橋梁に通じる糠平三股林道の一般車両の通行を規制している。

もともと糠平三股林道は事業専用道路なのだが、東大雪支署ではこれまで作業に支障のない限り解放し、原則的に一般車両も通行することができた。

しかし、この林道は上り下りのある幅約4m弱のダートで、路面状況が悪い上に対面通行が難しく、これまでにも路外逸脱の事故が発生したことから、観光客の増加による重大事故の発生が懸念されていた。

2017年8月現在、タウシュベツ川橋梁の見学方法は以下の3つに限定されている。

①町が整備した国道273号線沿いの「展望広場」から見る。
②ひがし大雪自然ガイドセンター主催の「アーチ橋見学ツアー」を利用する(有料・おとな一人3150円)。
③東大雪支署に事前申請の上、林道のゲートの鍵を借りて車で通行する。

【タウシュベツ川展望広場】

タウシュベツ川橋梁を約750メートルの距離から望むことができる展望所で、国道273号線をぬかびら源泉郷から旭川方面に8kmほど進んだ地点に駐車帯(一般車両5台、大型バス2台程度)があり、そこから森の中の散策路を200メートルほど歩く。

現在はここから見るのが、もっとも安上がりで簡単だ。とはいえ、写真の通り、橋まではかなり遠い。

10台ほどが停められる駐車帯。どちらかといえば路上駐車に近い。

展望地までの散策路。ぬかるむと滑りやすいのでサンダルでは危険だ。

しかし、これでは誰もが感じる通り、明らかに物足りない…

では有料の見学ツアーに参加するかといえば、一人旅ならともかく、夫婦で6300円はかなりの思案に値する金額だ(笑)。

そこで2014年と2017年の夏に、③のマイカーで行く方法にてタウシュベツ川橋梁を訪ねてきた。

だが、その道のりは容易ではなかった。事故を懸念するのは分かるが、通行規制をしておきながら「この道の分かりづらさ」はどうなんだ!

たぶんそう憤っているのは筆者だけではないと思う(笑)。というわけで、迷いやすいポイントを詳しくガイドしていくことにしよう。

まずは、鍵を貸してくれる十勝西部森林管理署東大雪支署(上士幌航空公園の近く)を訪ねる。
〒080-1408 北海道河東郡上士幌町上士幌東3線231
電話番号01564-2-2141
もちろん土日はお休み。

タウシュベツ川橋梁見学の旨を伝えると、無料で通行許可証と林道の鍵が借りられる。手続きはいたって簡単だが、個数に限りがあるので、事前に電話で確認して行くほうが確実だ。タウシュベツ川橋梁への往復を含めて、見学時間は最低でも2時間、できれば余裕を見て3時間は確保しておきたい。またこの時に周辺マップも忘れずにもらおう。

なお、鍵の貸し出しは朝8時半からだが、その時間は競争が激しい。借りやすい時間帯は第一陣が戻ってくる正午前後。1.2組の待ち時間なら、東大雪支署で返却を待つといい。また土日の見学が希望なら、金曜日の夕方に鍵を借りることができるようだ。その場合は念のために確認を。

さて。タウシュベツ川橋梁までは片道約30キロの道のりがあり、途中にはその他の橋梁が点在している。それらも見学するなら、周辺マップを参考に寄り道しながら行くといい。なおトイレは三叉林道の分かれ道を通り越した少し先にある「幌加防雪ステーション」の中にある。

タウシュベツ川橋梁へのアクセスで、最初に迷うのは林道への入口。

目印は国道273号に架かる「丸山橋」で、それを超えたすぐの三叉路を右折すると上の写真のダートに出る。三叉路には一切看板は出ていないので、橋を見落とさないことが重要だ。

林道に入るとまもなくゲートが現れ、ここで借りてきた鍵を使う。もちろん行きもゲート内に入った後で施錠することを忘れずに。

これで後は道なりに進めばOK… と誰もが思いがちだが、そうではない。途中の何のヘンテツもないところに、タウシュベツ川橋梁に通じる細い分かれ道があり、その分かれ道からは徒歩で進まなければならない。

だが、もし先人がいなければ、その場所がわからないかもしれない。実は筆者も最初は見事に通り越してしまった。

この無関係な看板の手前に、4.5台ほどクルマが置けるスペースと上の写真の分かれ道がある。

ただ2017年には、周辺に2か所の駐車広場が設けられており、看板こそないが「ここがそこだ」ということが分かるようになっていた。

分かれ道を100メートルほど歩くと、いよいよ先が開け、ようやくタウシュベツ川橋梁が見える河原に到着する。

いずれにしても、一般客に対するこの案内の悪さには呆れさせられる。筆者が書いた程度のガイダンスを、せめてホームページ上に掲載する必要はあるだろう。

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