この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊ならではの旅」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「行動展示」は、動物園の新たなカタチ
北海道の人気観光スポットとして、今や不動の地位を誇る旭山動物園だが、いったい「何が」人をここまで惹きつけているのだろうか…
園内にその理由を知って入るのと、知らずに周るのは大きな違いだ。
旭山動物園の革命的とも呼べる功績は、動物園を「動物自体を見に行く場所」から「動物の動きを見に行く場所」に変えたことといわれている。
確かに運が良ければ、オラウータンは空中を散歩し、オオカミは迫力満点の遠吠えを見せてくれる。
それをサポートしているのが「もぐもぐタイム」。平昌オリンピック以降、それはカーリングの試合中に美女たちがフルーツを食べる時間帯として使われるようになったが（笑）、元祖は旭山動物園の公開給餌時間である。
ところで。初めて行く人が知りたいのは、全体の概要と人気の動物、そして見学の所要時間ではないだろうか。
筆者もそうだったが、全体のスケジュールを立てるにはその情報が必要だ。
もちろん、混雑具合によって必要時間に差は出るが、「もぐもぐタイム」を2.3箇所で見るとして、夏休みなら3時間を目安にしておけばいいだろう。
旭山動物園の敷地はそれほど広いわけではなく、各動物の展示ブースも思っているより密集している。
ゆえに単純に見て回るだけなら、おそらく1時間もかかるまい。
旭山動物園といえば、愛嬌に満ちたオラウータンやレッサーパンダに目が行きがちだが、日本最北の動物園らしく、北海道にゆかりの深い動物の展示にも熱心で、タンチョウやシマフクロウも飼育している。
また寒冷地域に生息する動物の飼育繁殖にも実績があり、国内で初めて飼育下で自然繁殖に成功した動物に、ホッキョクグマ、アムールヒョウ、コノハズクなどがいる。
見てから行くと、感慨ひとしお
旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ
2009年2月に公開された日本映画。創意工夫を凝らした展示で、全国的な人気を博す動物園となった旭山動物園の苦難の道のりを描いた感動ドラマ。
監督をＴＶドラマで同園園長役を演じて以来、映画化に熱心に取り組んできたというマキノ雅彦（津川雅彦）が務めた話題作でもある。
【主なキャスト】
滝沢寛治:西田敏行
吉田 強:中村靖日
小川真琴:前田愛
池内早苗:堀内敬子
韮崎啓介:長門裕之
三谷照男:六平直政
砥部源太:塩見三省
柳原清之輔:岸部一徳
臼井逸郎:柄本明
旭山動物園の上手な周り方
よく云われる通り、旭山動物園は東門から入場して、反時計回りに見て歩くのが基本ではあるが、実際はそんな単純には周れない（笑）。
レッサーパンダと同じように、普通は行ったり来たりの繰り返しになる（笑）。
ただ、東門には広い無料の平面駐車場があり、園内に入るとすぐにグッズ売り場とレストランがあるので利便性は高い。
もちろんお土産は最後に買おう。ご覧の通り、旭山動物園は斜面に作られており、東門は最上部にある。つまり「行きはよいよい、帰りはこわい」。ゆえに、少しでも身軽にしておくことと、坂道を歩きやすいシューズで行くことをお勧めする。
既に耳にしているかもしれないが、旭山動物園には無料と有料の駐車場がある。正門の無料駐車場は、信号のある旭山動物園の入口の坂をのぼった右手にあるのだが、初めて行く場合は通り過ぎてしまうかもしれない。なお左手側でオーバーに誘導しているのは有料駐車場のスタッフで、その指示に従う義務はない。
冒頭で説明したとおり、旭山動物園最大の見どころは「行動展示」だ。
特に人気の高いホッキョクグマは、平日でも「もぐもぐタイム」の15分くらい前から並ぶ心づもりが必要だ。
なお、「もぐもぐタイム」を見ない場合は、基本通り場内を反時計回りに歩くといい。ぺんぎん館とあざらし館では、お馴染みのマリンウェイを楽しんでいこう。
最後に、旭山動物園にアクセスの良い車中泊スポットをご紹介。
旭山動物園 公式サイト
078-8205 旭川市東旭川町倉沼
TEL:0166-36-1104
大人（高校生以上）820円
夏季営業時間：午前9時30分～午後5時15分(最終入園/午後4時00分)
