この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「新栄の丘展望公園」は、パノラマロードからメルヘンの丘が望める唯一のフォトスポット
筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2008.07.13
2011.09.21
2012.07.23
2012.09.04
2018.07.08
2020.07.25
「新栄の丘展望公園」の目次
「新栄の丘展望公園」のロケーション
それほどハンサムとは思えないが(笑)、愛嬌のある牧草ロールの人形がトレードマークの「新栄の丘展望公園」は、パノラマロードの途中に位置している。
ただ、別記事の「美瑛・パノラマロード ベストドライブルート」からは少し外れているため、そちらではあえてこの公園は紹介していない。
三愛の丘もそうだが、クルマでパノラマロードをドライブする旅人にとって、この2つの公園はスタート地点の『道の駅びえい「丘のくら」』に近すぎる。
そのため休憩地には適していない。
ゆえに「新栄の丘展望公園」をよく利用しているのは、遠方からやってきた観光バス客とサイクリストたちだと思う。
ただ、ここからは「知る人ぞ知る美瑛の絶景」を目にすることができる。
通称「メルヘンの丘」。
道東の女満別にも同名の絶景地があるため、最近は「美瑛メルヘンの丘」とも呼ぶようだが、在りしの前田真三が見出した美瑛の「絵になる場所」のひとつで、年によっては拓真館でその作品を目にすることができるようだ。
筆者は「メルヘンの丘」が、よもや「新栄の丘展望公園」からこんなによく見えるとは知らず、2012年にずいぶん苦労して撮影場所を探し当てた思い出がある。
しかし、今やそれも昔の話。
2020年に再訪すると、もう入口の看板も人形も撤去されていた。
ゆえに現在は「新栄の丘展望公園」が、唯一の「メルヘンの丘」を眺望できる場所になる。
「新栄の丘展望公園」の施設と車中泊の好適性
「新栄の丘展望公園」には、無料の駐車場と公衆トイレ・水場・自動販売機、さらには小さいながらも売店があり、逆サイドには広々とした芝生公園が広がっている。
駐車場はご覧の通りフラットで広々としており、車中泊に支障はない。
だが以下の記事に書いているように、本来は農作業の邪魔になる路上駐車を防ぐ目的で作られた施設だけに、それを妨げる要因にもなりうる車中泊は、残念ながら推奨できない。
パノラマドードの入口付近にある『道の駅 びえい「丘のくら」』が車中泊に不向きなこともあり、設備とロケーションから、「新栄の丘展望公園」を車中泊の好適地と紹介しているブロガーもいるようだが、ここで車中泊をするのなら、過去の経緯も頭に入れておくほうがいい。
加えて…
かつてあったゴミ箱が撤去されていることを考えると、今でもマイカー客が地元から歓迎されているとは考えにくい。
特に近年はインバウンドを含めて、レンタカーで美瑛をまわる観光客が激増しており、再び路上駐車や農場の迷惑になる行いが目立つようになってきた。
その「とばっちり」が、車中泊をしている人に向けられないとは限らない。
そう考えると
「新栄の丘展望公園」に限らず、富良野と美瑛の農場エリアに設けられた公園での車中泊は、「リスク回避」の意味からも自重し、明るい時間帯に写真撮影や休憩で立ち寄るのが無難だ。
他に選択肢がないなら別だが、ここではその言い訳は通じない。