この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
建物はレプリカで、中は地元の水産会社の直営食堂
今はどのガイドブックを見ても「お食事処」として紹介されているため、ここまで来てカッカする人はないと思うが(笑)、この「純の番屋」は特に「北の国から」とは関係のない、羅臼の水産加工会社「舟木水産」の直営店で、地元の魚介が良心的な価格で味わえることで評判だ。
定食や海鮮丼のほかに、好みの魚介を厨房で捌いて出してくれるという。
それだけに最終作の主要ロケ地にあたる純の番屋の写真が、レプリカしかないということでは納得がいかず、羅臼町市街地から道道87号線を行き止まりの相泊地区まで走り、そこにクルマを置いて、海岸線を30分ほど歩くカムウェンベ地区にあるとされた、本物の「純の番屋」を探しに出かけたことがある。
しかし、行く手に現れたのは海岸線いっぱいに干された大量の羅臼昆布。
これではさすがに漁師さんの邪魔にならずに番屋まで歩いて行くのは難しいということで、潔くあきらめた。
もっとも… この頃はさすがに「北の国からのロケ地めぐり」にも飽きていたし、そう後ろ髪を引かれることもなかった(笑)。
ただ、世の中には同じことを望む筆者のようなファンがたくさんいたようで、観光客が大事な昆布漁の邪魔にならないようにとの配慮から、羅臼町観光協会がボランティアを募って、2003年11月に羅臼市街地に建てたのがこの「純の番屋」らしい。
本物とほとんど同じ作りにしてあるらしいが、内部にロケセットが置いてあるわけではなく、2005年から地元の魚屋さんが食堂を開業し、今日にいたっている。
どんなものかと2度店を訪ねたのだが、運悪くいずれも閉店中。なので料理を食べたことはない。
評判なのは「キンキの煮付け」。
筆者がよく知る「キンキ通」が太鼓判を押すくらいなので、味に間違いはなさそうだ。機会があれば一度注文をしてみたいと思っている。
ただし、財布と相談しての話(笑)。なんてったって、素材がこの値段だもの!
純の番屋
〒086-1834 北海道目梨郡羅臼町礼文町2−8
☎0153-87-5667