この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「国設知床野営場」は、自然と利便性が共存するライダーやチャリダーに人気のフリーキャンプサイト
国設知床野営場【目次】
国設知床野営場のロケーション
「国設知床野営場」は、うとろ温泉のホテル街と同じ山の手地区にある。
敷地内の観光名所「夕陽台」は、文字通りのオホーツク海に沈む夕景の名所で、知床八景のひとつに数えられている。
でありながら、朝夕には野生の鹿がサイトに現れ、悠々と草を食む…
利用者にはライダーやサイクリスト、あるいは外国人のバックパッカーも多く、低料金で世界自然遺産を体感できる、いかにも知床らしいキャンプ場だ。
国設知床野営場の施設
筆者は2000年からこのキャンプ場を知っているのだが、近くに「道の駅うとろ・シリエトク」ができた2007年以降は、オートキャンプができる奥のフリーサイトはいつもまばらで、隣をそう気にすることなく羽を伸ばすことができていた。
ただかつてのこのキャンプ場のトイレは、便座が大きく子供が落っこちそうな和式のポットン便所しかなく、それが利用する際の一番やっかいな問題だった。
しかし新しい管理棟が建ち、現在はその中に24時間利用できるウォシュレット付きのキレイな水洗トイレがある。
またゴミ箱は、ヒグマでもこじあけることができないくらい頑丈な鉄柵となっており、寝る前にそこに捨てるようにしておけば、キタキツネにも荒らされずに済む。
近年はテントキャンパー優先にシフト
筆者は長きにわたり、うとろでの車中泊は釣りをしたらここ、しないなら道の駅という具合に両者を使い分けてきたのだが、最近はキャンパーの数にサイト数が追い付いていないらしく、車中泊やキャンピングカーは、どんどん監理棟から遠く離れた不便な場所に追いやられている。
キャンプ場への依存度を考えれば、バックパッカーやライダーのようなテントキャンパーを優先せざるを得ない事情はわかるが、やはり同じお金を支払っている以上、不公平感はぬぐえない。
とはいえ、利便性は「国設知床野営場」のほうが圧倒的に高い。
【詳細データ】
国設知床野営場
【サイト数】
フリーサイト 約150張・オートキャンプ20台ほど
【営業期間】
6月下旬~9月末
【料金】
おとな一泊400円
チェックイン 11時~18時
チェックアウト 7時~11時
国設知床野営場の車中泊快適度チェック!
1.利用料金=施設内容とロケーションを考えると ◎
2.駐車場の平坦度=傾斜地が多い △
3.ゴミ箱の有無=あり ○
4.入浴施設までの距離=隣接 ○
5.コンビニ・スーパーまでの距離= セイコーマートまで約1キロ ○
国設知床野営場 最寄りの温泉&周辺買い物施設
実は一時期「夕陽台の湯」は施設の管理が悪く、筆者は隣に建つ「夕陽のあたる家」の温泉を日帰り利用していた。
当時は「夕陽台の湯」と同じ500円で入浴できたのでお勧めだったが、経営者が代わり、2021年7月現在の日帰り入浴料金は1,100円と倍以上になっている。
逆に「夕陽台の湯」は管理人が代わって、シャワーやカランの不備が修復され、使い心地が改善したため、再び「夕陽台の湯」に通うことにした。
なお、「道の駅 うとろ・シリエトク」に向かう途中には、セブンイレブンとコインランドリーがある。
ただしセブンイレブンは、店内にもゴミ箱を置いていない非常識極まりない店なので注意しよう。
筆者はここで氷のパーティーパックを買って、車内でポットに移し替え、そのカラを捨てに店内に戻ったのだが、悪びれる様子もなくゴミ箱は置いていないと云われて唖然。この店には2度と行かない。
また大きなスーパーマーケットは標津まで行かないとないので、野菜や肉などの生鮮食料品は事前に買い出しから来るようにしよう。