知床五湖のネイチャーウォークって、行く価値あり?

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この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
「日本クルマ旅先100選」 ~テーマはディスカヴァー・ジャパン~
車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、2023年9月現在の「日本クルマ旅先100選」をご紹介。
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コスパで判断するなら、筆者はパスする。

知床五湖は、大半の団体ツアーの観光ルートに含まれる知床最大の観光スポットで、年間約50万人が訪れる。

かつての知床五湖は、夏休み中の混雑に伴う植生浸食と、ヒグマの出没による頻繁な閉鎖など、不安定な開業に課題があり、筆者も過去に2度訪ねているが、いずれもヒグマ出没の恐れがあるとの理由で、2湖まで行くことができなかった。

しかし2011年から、これらを解決する新しい手法が導入されたということで、改めて足を運んだ。

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知床五湖では平成17年から、地上遊歩道とは別に高架木道の設置工事が進められ、平成22年には1湖畔までの全長800mが開通している。

高架木道脇には電気柵が設置されており、ヒグマの影響を受けることなく、安全に知床の雄大な自然を楽しむことができるほか、バリアフリー構造で、泥でクツが汚れることもない。

所要時間は往復40分程度で、通行は開園期間を通じて無料だ。

加えて平成23年からは、ヒグマに対処できる技術を持った登録引率者のツアーに参加することで、ヒグマ活動期(5月10日~7月31日)でも、知床五湖を歩くことが可能になった。

ただし8月1日~10月20日は植生保護期に設定され、植生への踏みつけなどの防止、ヒグマに対する基礎知識の普及のために、事前レクチャー(約10分)の受講が義務付けられている。

地上観光の詳細は以下の通り。

5月10日~7月31日 <ヒグマ活動期>
ヒグマに対する対応技術を持った、登録引率者によるツアーへ参加することで、地上遊歩道を楽しむことができる。ただし事前に、ガイドツアーへの申し込みが必要。
●ルート:5湖→4湖→3湖→2湖(1湖へは行かない)
●時間:約2時間45分
●料金:大人ひとり4500~5500円(立入認定手数料500円+引率者のガイド料)

8月1日~10月20日 <植生保護期> 
地上遊歩道を歩く前に、植生保護・ヒグマへの基礎知識のレクチャーの受講が義務付けられている。レクチャーは10分おきに実施され、1回の定員は50名。
●ルート①(大ループ):5湖→4湖→3湖→2湖→高架木道。所要時間は約1時間半
●ルート②(小ループ):2湖→1湖→高架木道。所要時間は約40分
●申し込み手続き:知床五湖フィールドハウスにて手続き。フィールドハウス内で手数料を支払い、申請書に氏名・住所を記入。
●料金:立入認定手数料(大人250円、子供100円)。 立入日の10日前から予約可能。

10月21日~閉園 <自由利用期> 
予約や手続きの必要がなく、地上遊歩道を自由に散策できる。
●ルート②(小ループ):2湖→1湖→高架木道。所要時間は約40分
●申し込み手続き:不要。
●料金:無料。

詳しくは、オフィシャルサイトで。

*注意*
駐車料金(乗用車410円)は全期間必要。なお駐車場に車を置いて、カムイワッカへのシャトルバスに乗ることはできない。

カムイワッカへのバス乗り換えは知床自然センターで。またペットの同伴も不可。たとえ小型犬でも、その匂いや鳴き声がヒグマやエゾシカを興奮させ、他人まで事故に巻き込む恐れがある。

よそはともかく知床で見つかれば、間違いなくきついお説教を食らい、退場させられるはずだ。本来、国立公園とはそういうところだ。

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最後に私見を。

知床五湖が美しいのは、羅臼岳に残雪がたっぷり残ったミズバショウの咲く頃で、7月になると緑一辺倒の光景になる。

確かにガイドツアーなら知床五湖の植生を詳しく学べるかも知れないが、夫婦で1万円近い料金は、オールインワンのツアー客は別として、車中泊の個人旅行客にはかなり高価といえるだろう。

筆者なら最初はまず高架木道を歩き、その1万円は海洋クルージングに充てる。知床で本当に見たいのは、豪快に潮を噴き上げるマッコウクジラや、ルシャの海岸を闊歩するヒグマ、あるいはカムイワッカの滝といったダイナミックな光景なのでは…

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