十勝岳望岳台のナキウサギ観察ポイント

標高930メートル地点にある十勝岳望岳台は、大雪山国立公園十勝岳本峰の真下にあり、夏は十勝岳周辺の登山基地となっているが、定期バスの運行がなく、公共交通機関で行くことはできない。

そのため、やってくるのはマイカーの登山客と、パノラマロードから白金方面をドライブする観光客、そしてナキウサギ目当てのアニマルウォッチャーがほとんどだ。

もともと駐車場はきれいに舗装されていたのだが、古びたかつてのレストハウスは2016年に「十勝岳望岳台防災シェルター」に生まれ変わっている。

室内は24時間使え、車中泊者にはとてもありがたい環境だ。

もちろんトイレも使える。以前の屋外トイレとはまさに雲泥の違い。おまけにFree-Wifiも利用できる。

ちなみに2017年(平成29年)8月時点で、気象庁が発表している十勝岳の噴火警戒レベルは「1」、この値は「活火山であることを留意」を示している。

展望デッキの反対側からは白金模範牧場がよく見える。

さて、本題に入ろう。

望岳台のナキネズミは、登山道ではなく、駐車場の逆サイドにあたる望岳台探勝路の溶岩地帯に棲んでいる。探勝路といっても、道は未舗装でブッシュが覆い、人がひとり通れるだけのようなところもある。その探勝路を駐車場から15分ほど歩くと、大きな溶岩の山が見えて視界が広がり、ナキウサギの声が聞こえてくる。

ナキウサギとは… 

ナキウサギは、日本では北海道だけに生息する小さなウサギ。大陸と北海道が陸続きになった氷河期に移動してきたといわれ、大雪山系、日高山脈から夕張山地、北見山地を中心に生息している。

住処は標高1500メートルほどの岩場で、付近にエゾマツ、ダケカンバなどの森林地帯がある。冬眠をしないナキウサギは、冬の間の寝床兼食料として、自ら作った干し草を必要とする。そのため新鮮な草を集め、それらを積んで干し草を作り、巣穴に運び込んで貯蔵するのだ。このように寒さには対応できるが、熱さに弱く、15度以下でなければ生きることができない。そのため、飼育することが難しいとされている。

ただ不思議なことに、ナキウサギは未だ国の天然記念物には指定されていない。

●習性/警戒心は強いが昼行性で昼間に活発に活動する
●鳴き声/「キチッキチッ」「ピィッピィッ」
●サイズ/15センチ、体重130グラムほど
●食べ物/コケモモなどの草の葉や茎、シダ、蘚苔類、茸などの植物

筆者の印象では、ナキウサギは好奇心が旺盛で、人が自分たちのテリトリーに近づいたら、必ずどこかでこちらの動きを観察しようとする。ゆえにシャッターチャンスは「出会いがしら」にあることが多い。望岳台には4度観察に来て目撃したのは100%、うち3回は撮影に成功している。

ただし撮るには、野鳥と同じく超望遠レンズと、秒間5枚以上の連写ができるカメラが必要だ。動きが素早いうえに、なかなかじっとしていないので、デジスコでの撮影は至難を要するだろう。ただワイルドライフの世界には、「ビギナーズラック」という言葉があるように、それは「絶対」ではない。とはいえ、常識からすれば携帯電話やごく普通のデジカメで撮れる相手ではあるまい。

だが、観察だけなら話は別。もちろん双眼鏡は必要だが、見つけるコツは、鳴き声が聞こえた方角にある見晴らしの良さそうな岩の上を丹念に探すことだ。また、鳴き声は聞こえるが、なかなか姿を見つけられない時は、一度そこを離れて油断させ、しばらく間を開けてから再びアプローチをしてみよう。自然観察には根気と運がモノをいう。最低でも2時間は粘るつもりでお出かけを…

十勝岳望岳台

 〒071-0235 北海道上川郡美瑛町白金
マップコード 796 093 408*15

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