この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
積丹岬は「積丹岬遊歩道」が通る一帯の名称
積丹岬【目次】
積丹半島の「ランドマーク」は、神威岬。
まず、初めてこの地に出かける大半の観光客は、道北の宗谷岬、日高の襟裳岬、あるいは道東の納沙布岬がそうであるように、積丹半島の先端にある積丹岬が、半島めぐりの「ハイライト」だろうという先入観を持っていると思う。
しかしガイドブックを読むうちに、積丹半島では神威岬のほうがメジャーで、景色とアクセスがいいことに気づくわけだが、肝心の積丹岬が、いったいどういうところなのかが今ひとつわからない。
地図には名前があるのに、紹介すらされていないのはどういうこと?
さらに、そのウヤムヤ感に一役買っているのが島武意(しまむい)海岸の存在だ。唐突に登場するその海岸はいったい何なんだ?
単独の積丹岬は存在しない。
その謎は、島武意(しまむい)海岸に行けば解ける。
まず上のマップの「現在地」の手前にあるP(駐車場)の名前は、「島武意海岸駐車場」ではなく「積丹岬駐車場」だ。
そして駐車場がある島武意海岸から女郎岩に至る、緑の「積丹岬自然遊歩道」一帯を、現地では「積丹岬」と呼んでいる。
つまり大雪山と同じで、単独の積丹岬というのは存在しない。
そして島武意海岸が、そんな「積丹岬」の一番の見どころというわけだ。
ちなみに、島武意海岸から女郎子岩までは、「積丹岬遊歩道」を歩いて1時間ほどとされているが、筆者の経験ではもっとかかると思う。
実は「女郎岩」が見たくて進み出したが、遊歩道には距離や方向を記した表示がないばかりか、途中からは「藪こぎ」となり、家内は文句ブーブー(笑)。
結局あきらめ、途中で引き返した。
黄色のラインあたりに遊歩道があるようだが、草は筆者の胸辺りまで伸び、2メートル先の状況さえもわからない。これを遊歩道と呼んでいいのか?
他者のブログを見ると、ヒグマも姿を見せているらしく、ゆえに「あえて通れなくしている」のかもしれない(笑)。
だが、それならそうと表示し、遊歩道だけはせめて草刈りをしていただきたい。
このままでは圧倒的にヒグマが有利(爆)。
駐車場から島武意海岸には、このトンネルを通ってアクセスする。
トンネルの全長は約70メートルで所要時間は1分ほど。照明がなく真っ暗なので、すれ違いには注意が必要だ。
その先にこの展望台待っている。確かに晴れていれば、神威岬に引けを取らない「積丹ブルー」の絶景が見られる。
展望台の横には海岸に通じる道がある。体力に自信のある人はぜひ挑戦を(笑)。
積丹岬駐車場の車中泊事情
さて、今度は積丹岬の無料駐車場と車中泊事情について説明しよう。
海水浴客も訪れる積丹岬の駐車場には、キレイな水洗トイレがあるだけでなく水場も用意されている。
また日帰り温泉施設の「港の湯しゃこたん」にも近いため、車中泊環境はよく整っており、積丹半島の穴場車中泊スポットと云えそうだ。
夕日を含めて、じっくり積丹岬を見たいのなら、ここでの1泊は悪くない。
駐車場の入口前にはウニ丼が食べられる「食事処鱗晃」があり、昼間は観光バスもやってくる。
もっとも、そのおかげで長期滞在しているクルマには従業員が気づくと思うので、治安はそうヒドイことにはならないだろう。
こちらが「食事処鱗晃」のメニュー(2021年7月現在)。
実際に食べたわけではないので詳細は分からないが、観光地にしてはそう高くはないようだ。