熊野本宮温泉郷/温泉地の概要と車中泊事情

温泉地の概要

「熊野本宮温泉郷」というのは、世界遺産・熊野本宮大社の膝元にある「湯の峰温泉」・「川湯温泉」・「渡瀬(わたらせ)温泉」の3つの温泉地をまとめた総称だ。筆者はこれを「良い表現」と思っているのだが、読者の中には耳慣れない人も多いのではないだろうか。

ウィキペディアによると、1957年に3つの温泉地が国民保養温泉地に指定された際に、「熊野本宮温泉郷」という表現が使われていたようだが、現地に行ってもそのような表示は一切見当たらない。現在でも道路標示やパンフレットには、3つの温泉地が個別に表記されている。

おそらく「熊野本宮温泉郷」という表現が積極的に使われ始めたのは、熊野大社や中辺路とともに、湯の峰温泉の「つぼ湯」が「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成要素として、世界遺産に登録された2004年以降なのだろう。筆者もそれまでは、聞いたことがなかった。

しかし「温泉郷」と名乗ることで、旅行者の目は全てに向くことになる。

そこで、まずは簡単に3つの温泉地について説明しよう。

湯の峰温泉 ~熊野詣の湯垢離場(ゆごりば)~

「熊野本宮温泉郷」の中で一際古い歴史を誇っており、古くから熊野詣の湯垢離場として親しまれてきた。当地の資料には「日本最古の湯」と書かれている。

世界遺産の構成要素である「つぼ湯」の周辺には、今も昔ながらの温泉情緒が色濃く残り、いにしえの風情を求めて訪れる外国人の姿も多い。

なお、湯の峰温泉には「つぼ湯」を含めて3つの共同浴場がある。

川湯温泉 ~冬の風物詩、仙人風呂~

河原から湧き出す70℃以上の源泉に、熊野川の支流・大塔川の水が混ざり合うことで、ワイルド感に満ちた野湯が楽しめる。そのため、グリーンシーズンはシャベルを持参して河原を掘る家族連れも多い。

だが、川湯温泉の名物は、なんといっても冬に出現するこの巨大な「仙人風呂」だろう。自然の地形を利用しているため、年によって大きさや形状が変わるというのも面白い。

なお、仙人風呂の近くには通年入れる共同浴場がある。ただし、温泉街らしき通りはない。

渡瀬温泉 ~西日本最大級の露天風呂~

雑誌やテレビでよく見かける、この広大な露天風呂があるのは、ひらがなで書く「わたらせ温泉」。正式名は「心の宿 わたらせ温泉」で、敷地内に3つのホテルと複数の温泉施設を持つ大規模温泉リゾートだ。

ややこしいが、漢字の「渡瀬温泉」は温泉地名を示す際に使われているようで、意図的に区別がなされている。渡瀬温泉には、他にも「湯バイバル・モア」というクアハウスがある。

車中泊事情

総じて云えば、道の駅、オートキャンプサイト、そして無料駐車場と3つの車中泊スポットが、ひととおり揃っている。

といっても、このエリアを訪れる旅行者の多くは、温泉めぐりよりも、熊野古道と熊野本宮大社の観光、もしくはアウトドアが目当てだと思われるため、実質的な温泉旅の車中泊スポットは、上の写真の「湯の峰温泉・無料駐車場」になるのだろう。ここは平坦でトイレがあり、約40台を収容できる車中泊向きのスポットだ。

ただ場内にはデカデカと「キャンプ自炊禁止」と書かれた看板が立てられている。ということは、「そういう人達が集まりやすいところであることの証」で、筆者も車外で自炊をしている場面を何度か目撃してきたし、残念なことにそれは今でもさほど変わっていないようだ。

もしここが「車中泊禁止」になれば、きっと嘆く人間は多いだろう。その意味でも「守りたい車中泊スポット」のひとつといえる。

「湯の峰温泉・無料駐車場」の詳細ページへ

 

自炊がしたい人にお勧めなのは、大塔川河川敷にある「川湯野営場・木魂の里」だ。比較的リーズナブルで、敷地は広く、写真のフリーオートサイトのほかにも芝生のテントサイトがあり、その舗装された駐車場でも車中泊ができる。また渡瀬温泉の近くにも、「渡瀬緑の広場キャンプ場」がある。

筆者はいずれにもテントを張ってキャンプをした経験があるのだが、それは20世紀の話(笑)。あまりに記録が古すぎるので、オリジナルの車中泊スポット記事は割愛させていただくことにする。

なお、「熊野本宮温泉郷」に最寄りの道の駅は、国道168号沿いの「奥熊野古道ほんぐう」になるが、冒頭に記したように、ここは熊野古道のウォーキングや熊野本宮の参拝客が多く利用しているようだ。

「道の駅 奥熊野古道ほんぐう」の詳細ページへ

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