車中泊禁止の道の駅 神戸フルーツ・フラワーパーク大沢

なるほど、これが車中泊旅行者の間で「噂」の看板か(笑)。

だが、最初から表記が間違っている。道の駅は「道路利用者ための休憩施設」であって、一般的な休憩施設とはワケが違う。

国土交通省の公式サイトには、道路利用者のための「休憩機能」、道路利用者や地域の方々のための「情報発信機能」、そして「道の駅」をきっかけに町と町とが手を結び活力ある地域づくりを共に行うための「地域の連携機能」、の3つの機能を併せ持つ休憩施設が「道の駅」だと記されている。

その「一丁目一番地」を理解していないような施設の表記を、真に受ける必要はあるまい。これまでにも、伊豆半島の道の駅伊東マリンタウン」のように、「車中泊禁止」の看板を掲げた道の駅があったが、新聞で叩かれ、現在は「それを取り下げさせられている」。

「仮眠」という行為がある以上、道の駅は車中泊を真正面から禁止などできない。車上生活者に長期滞在されたくないという意図は分からないでもないが、「車中泊の定義」を責任者は勉強すべきだ。放っておいても、この看板はいずれ失くなるか、書き換えられるだろう。

そんなことより… 

筆者は、なぜここが道の駅に認定されたのか? ということのほうに大いなる疑問を感じる。

そもそも、神戸フルーツ・フラワーパークは1993年に開園した大規模なテーマパークだ。神戸市の委託を受け「株式会社神戸ワイン」がその運営を行っていたが、2014年(平成26年)4月からは「一般財団法人神戸みのりの公社」が担当することとなった。なお、株式会社神戸ワインについては債務超過により、2014年7月1日から特別清算が開始されている。

こちらの神戸市のサイトにその詳しい説明が記されているのだが、結果的には何をやってもうまく行かず、不採算施設の活性化対策として「道の駅」にしがみついたに過ぎない。

にもかかわらず、駐車場の近くにある「お茶を濁しただけのような産直店舗」には、周辺の観光パンフレットも置いておらず、道路利用者や地域の方々のための「情報発信機能」という意識も、まったく見受けられない。

そんなことだからとはいわないが、三連休にもかかわらず、ゲートの向こうには誰もいない。シーズンオフとはいえ、あまりにも廃れている(笑)。

そもそも主要幹線から遠く離れた場所にあるのだから、「道路利用者」が立ち寄るようなロケーションではなく、もしゼロから道の駅を作るとしたら、100%ここにはならないはずだ。

同じような経緯を持つ長崎のハウステンボスが、HISによって再生されたように、神戸フルーツ・フラワーパークを本気で再生したければ、大資本の民間企業に売却するのが筋。その意味からすると、道の駅化は本来なら赤字が膨らむだけの投資である。だが道の駅の場合、その設備投資を国土交通省がもってくれる。

そんな経緯でできた道の駅であるなら、ほかよりもっと「道の駅らしくあって」然るべきだと思わないか。今のままでは車中泊の旅人にとって、「行く価値なし」というしかない。

ただ、筆者なら「日本最大級」の広さを誇るこの道の駅を、既存のホテルだけでなく、車中泊やオートキャンプの「宿泊客」を取り込むことで、滞在型の道の駅へ向けて舵を切る。驚いたことに、ここには有馬温泉と同じ泉質を持つ温泉施設まで揃っている。

環境だけを見れば、人気の道の駅・阿蘇や、群馬県の道の駅・川田田園プラザよりも上を行く道の駅にするのは、そう難しいことではあるまい。

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