四国と九州を結ぶフェリー航路 まとめ

1999年に「本四連絡橋」と呼ばれる3つのルートが完成したことで、近畿・中国地方から四国を旅するコースは飛躍的に広がった。「瀬戸大橋」「しまなみ海道」の名はもとより、神戸と淡路島、さらに淡路島と徳島県の鳴門を結ぶ2つの橋があることは、関東以北の旅人にも既に浸透していることと思う。

では、四国と九州がどこで結ばれているかをご存知だろうか?

もちろん2つの「島」の間に「橋」はない。だが、おそらく想像しているよりも多い数のフェリー航路が存在している。それをこれから紹介しよう。

なお、記載している運行時間・運賃等の情報は2018年1月現在のもの。ご覧になられた時の最新情報は、リンクしている各フェリー会社の公式サイトでご確認を。

現在、四国ー九州間を運行しているフェリーは、上記の5つの航路になる。

❶国道九四フェリー ⇒公式サイト
所要時間約70分。四国と九州を結ぶ最短航路

佐田岬の先端にある三崎港と、「関サバ」「関アジ」の水揚げで知られる大分県の佐賀関港を結ぶ航路で、筆者も別府温泉の取材時に過去何度か利用している。

「船が苦手」という人は、まずコレで決まりだと思うが(笑)、この航路最大のメリットは運賃の安さだろう。5メートル未満車の車両運賃は8,700円(運転手の運賃込み)、旅客運賃は1,070円、つまり夫婦で乗船しても1万円でおつりがくる。乗船時間が短いため、大人だけでなら個室は不要。まさに9,770円ポッキリだ。

加えて1日16便、深夜を除けば1時間に1便の割合で運行しているのもありがたい。また2016年には、横揺れ防止のためのフィンスタビライザーを装着した、新造船の遊なぎ(ゆうなぎ)が就航している。

ただし、四国側の港がある佐田岬は、高速道路から外れており、松山市内からだと約100キロ、順調に進んでも2時間はかかる。

それを考えると、この航路は道後温泉や宇和島で1泊して、佐田岬までのドライブをのんびり楽しめるような、「時間に余裕のある旅人」向きといえそうだ。

❷宇和島運輸フェリー ⇒公式サイト
佐田岬の「付け根」から別府に渡る、快適ルート

「松山あるいは、宇和島を観光してから別府に向かいたい」という人には、上記の国道九四フェリーに加え、佐田岬の付け根に位置する「八幡浜」から出港する、宇和島運輸フェリーの別府航路も選択肢になる。

そこで国道九四フェリーとの違いを整理してみた。

まず八幡浜から別府間の車両運賃は12,720円。同乗者の旅客運賃は3,100円。ひとり旅の場合、国道九四フェリーとの差額は4,020円。夫婦なら6,050円高くなる。

次に所要時間を比べると、国道九四フェリーは1時10分、こちらは2時間50分と倍以上かかるようだ。しかも、宇和島運輸フェリー1日6便しか運行していない。

今度は走行距離を見てみよう。まず四国側の走行距離の差は、松山市内にある「道後温泉」をスタート地点とした場合、約40キロ・時間にすると50分ほど短縮される。次に九州側を見てみると、国道利用でやはり約40キロ・1時間15分ほどの短縮になり、その差は2時間ほどと予想される。フェリーの乗船時間差は1時間40分なので、多少は宇和島運輸フェリーのほうが早く別府に着く計算だ。

ここで加味すべきはガソリン代。合計約80キロを、リッター140円・下道燃費6キロのハイエースで走行すると、ガソリン代は約1,870円。つまりひとり旅なら、正確な差は4,020円からそれを差し引いた2,150円になる。

それを運転時間の2時間で割ると、「運転手のお時給は1075円」。

奥様がこれを「高い」と感じるなら国道九四フェリーを、「妥当もしくは安い」と思うなら、宇和島運輸フェリーをお選びいただくといい(笑)。ちなみに… 現在の大阪府の最低賃金は909円。今日からアルバイトに来た高校生でも、その金額が受け取れる。

あと、それに判断基準を追加するとしたら、宇和島運輸フェリーのほうが船は大きく、装備もいい。

国道九四フェリー 「遊なぎ」2016年6月就航
乗用車換算積載台数 51台
宇和島運輸フェリー 「あけぼの丸」 2017年12月就航 
乗用車換算積載台数160台

ただ、こちらは事前予約しないと乗れない可能性が高いと思う。

❷宇和島運輸フェリー ⇒公式サイト

❸九四オレンジフェリー ⇒公式サイト
四国経由で阿蘇、宮崎方面に行きたい人にお勧め

宇和島運輸フェリーの臼杵(うすき)航路と九四オレンジフェリーは、航路と料金は全く同じだが、船舶と時刻表は違っている。いずれも、5m未満の車両運賃は11,350円、旅客運賃は2,310円。1日7便が運行、所要時間 2時間25分。

着岸する大分県の臼杵港は、別府港から高速道路で約55キロ・1時間ほど海岸線を南に下ったところにあり、道の駅阿蘇までは国道で約86キロ・2時間ほど。また日向・宮崎方面に南下するにも都合はいい。もちろん、別府・佐賀関行きの船が満車時の代替え便としても使えるだろう。

❹松山・小倉フェリー ⇒公式サイト
所要7時間の深夜便。続けて北九州を観光するなら便利

運行時間は、松山港・小倉港ともに、夜21:55 発・翌朝 05:00 着の深夜便のみ。所要時間は7時間5分で、寝ているうちに九州に到着できるメリットはあるが、そのぶんコストはあがる。

4m以上~5m未満の車両運賃は18,000円 (二等客室含む)。1クラス上の二等寝台D(7,710円)を利用すると、ひとり旅で20,260円となる。なお、船には食堂はないが、大浴場は完備されている。

短い日程で博多を周りたい人には、便利かもしれない。

❺宿毛フェリー ⇒公式サイト
高知県から九州に渡る、魅惑の最南ルート

愛媛県との県境に近い高知県の宿毛(すくも)港から、宮崎県との県境に近い大分県の佐伯(さいき)港を結ぶ、四国ー九州最南のルート。他の航路よりも陸路に対するアドバンテージが圧倒的に高いことを考えると、それなりの価値が見いだせそうだ。

運行は1日3便、所要時間は3時間10分。
4m-5m未満の車両運賃は12,240円、旅客運賃は2,570円。

四国・九州のリピーターなら、この航路に魅力を感じる人は少ないと思うのだが…

スポンサードリンク