この話は、「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、20年以上に及ぶキャリアを通じて、思い浮かんだことをエッセイに仕立てた記事のひとつです。

たびの空から~エッセイ&忘備録~
クルマ旅専門家・稲垣朝則が、車中泊の取材旅で書き残した忘備録と、旅でのエピソードを綴ったエッセイを収録しています。
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「ご遠慮ください」は、百害あって一利なし
2020年2月。
またひとつ、僕らは素晴らしい車中泊スポットを失った。
場所は南紀白浜温泉。筆者のお気に入りの温泉地だ。

南紀白浜温泉 しららはまゆう公園駐車場 車中泊OK?禁止?【クルマ旅のプロが解説】2023年10月
車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、2023年10月現在の南紀白浜温泉にある、しららはまゆう公園駐車場の車中泊に関する情報です。
ただ、今回は規制の表示にひっかかった。
ビシッと「禁止」にしてしまえばいいものを、「ご遠慮ください」なんて生ぬるい表記にしているものだから、予想通りこうなる(笑)。
そもそも「ご遠慮ください」というのは、利用する側に決定権があるわけで「遠慮しない」という選択肢が許される、電車の優先座席のようなものだ。
だが、良識を持ち合わせた車中泊旅行者なら、そういう選択はしない。
するとどうなる?
ここには図々しい輩だけが残り、ますますマナーのレベルが低い車中泊客の巣窟になるだけだ。
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世の中では、こういうケースの対策が、とうの昔に確立されている。
このように「禁止事項」を明記すれば、誰の目にも違反行為が明白で、する側はやりづらくなり、施設側は通報してくれる味方が増える。
するとさっきとは逆の循環が生じ、マナーのいい車中泊旅行者しかいなくなるため、禁止する必要もなくなるわけだ。
これは乗鞍観光センターだが、ここ数年試行錯誤を繰り返し、今はこのカタチに落ち着いている。
確かに以前に比べてマナーの悪い車中泊者は減ったように思う。もちろんそれでも、ゼロというわけではない。
白浜温泉が「車中泊禁止!」と大上段に構えられないのは、インバウンドに陰りが見え、先行きが不安になる中で、再びブームの兆しが出始め、平日でも安定的な来客が望める車中泊の旅人を、「おいしいお客様」と認識しているからに他なるまい。
ビジネス的見地に立つなら、この不景気な時代にキャンピングカーが買えて維持でき、さらに旅に出られる経済力を有したターゲットを、自ら切り捨てるなんてあり得ない(笑)。
今からでも、あの隙だらけの看板を作り直す時間は十分にある。

車中泊環境を守る最良策とは…
車中泊旅行者の誰もにできて、効果が期待できる「車中泊環境を守る最良策」に関する記述です。
「車中泊の規制と禁止」特集
旅の空から エッセイ

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