凍結道路のスリップとスタックの回避と対応策【クルマ旅専門家が解説】

冬のドライブ雪道・凍結道路の走り方

車中泊旅行歴25年の現役のクルマ旅専門家が、凍結道路でのスリップとスタックの回避と、脱出する方法を解説します。

「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊入門ガイド

この記事では、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、既に1000泊を超える車中泊旅行を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、四半世紀に及ぶ経験を元に、日本各地を車中泊でめぐるための「know-how」を紹介しています。

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~ここから本編が始まります。~

パニックに陥るのは、スリップとスタック

スリップ

スリップとは…

スタックとは…

スリップとスタックの警戒ポイント

凍結道路と雪道の基本運転術

覚えておきたいテクニック

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スリップとは…

スリップとはタイヤは接地しているが、グリップを失い路上を滑っている状態で、典型的なのはスピンと横滑りだ。

そうなる原因については後述するが、一番の対策は、「カウンターステア」を当てること。

具体的には左方向にスリップした場合は、右ではなく左にハンドルを切る。

頭でわかっていても実際には難しいが、「スピンは逆ハン」と覚えておけば、多少は思い出しやすい。なおスピンがおさまる「きざし」を感じたら、速やかにハンドルをセンターに戻そう。

スリップを回避する秘訣は、道路状況から危険を察知すること。

不意打ちを喰らえば誰でも慌てるが、予測できていれば、万一スリップしても被害を最小限に抑えることが可能になる。

スタックとは…

新雪の走り方

いっぽう、スタックは駆動輪が空転して動けなくなくなる状態で、雪道だけでなく砂浜や砂利の河原でも時折見かける。

動いているスピンや蛇行と違い、スタックは停止状態なので、ハザードランプを点滅させれば、ひとまず事故になる心配からは開放される。

それからもがくのを止めてクルマから降り、冷静にタイヤ周りを観察しよう。

まずはスコップなどで、タイヤ周りの障害になっていそうなものを取り除く。

それからクルマに乗り込み、静かにバックしてみる。

それで僅かでも動けたら、しめたものだ。あとは何度か前進とバックを繰り返し、頃合いを見計らって一気に脱出を図ろう。

なおバスタオルや古毛布を使う場合は、手間でも空転しているタイヤをジャッキアップするほうが確実だ。

スリップとスタックの警戒ポイント

アイスバーン

交差点

通行車のタイヤでアイスバーンが磨かれ、よりいっそう滑りやすくになっていることが多い。

カーブ

遠心力でクルマが外側に流れやすくなる。S字では対向車の動向にも気をつけたい。

トンネルの出入口

コントラストがきついため、目の順応が遅れやすい。遠目からも路面の状況変化に着眼しておこう。

坂道

ブレーキとアクセルの操作を慎重に。一番危険なのは途中で完全停止することだ。

橋の上

吹きさらしになっているため、橋の上だけがアイスバーンになることも多い。特に鉄板には要注意。

日陰

日当たりの良い場所との路面状況のギャップに注意が必要。同じスピードで走るのは危険だ。

凍結道路と雪道の基本運転術

アイスバーン道路

「急」がつく操作は絶対しない

急発進・急加速・急ハンドル・急ブレーキ

車間距離をしっかりとる

制限速度を意識する

役に立つ「標語」

■ブレーキふむならハンドルきるな
■人が滑ったライン上は走らない
■自信がないならバスの後を走れ
■吹雪いた時はロービーム

覚えておきたいテクニック

大雪

スタックを回避するには、「完全停止」を極力避ける

凍結道路と雪道では、交差点や坂道で「完全停止」した後のリスタート時にスタックするケースが圧倒的に多い。

ということは、それを避けるように運転すればリスクは大幅に削減される。

具体的には2つの「合わせ技」を使う。

まずは、通常よりも車間距離を多めにとって走り、前方でクルマが停まれば、その車間距離を残したままで減速する。

後は前が動き出すまでノロノロ運転で車間距離を縮め、それでも動き出さないようなら、AT車はアクセルを離して「※クリーピング」だけで進むといい。

※クリーピング (creeping)
走行モードにギアが入ったAT車が、アクセルを踏むことなくゆっくり動く現象のこと。クリープ現象または、摺り足現象などとも呼ばれる。

スリップを回避するには、わざと滑って限界点を確認する

簡単にいえば、雪道や凍結路で強めにブレーキを踏み、あえてクルマをスリップさせることで限界点を体感し、その後の運転の目安にする。

要は滑る手前の感覚を肌で覚え、スリップする手前でブレーキを離すようにするわけだが、連日のように雪が降る地域では、道路状況は日ごとに異なり、ブレーキングポイントを頻繁にチェックする必要がある。

滅多に雪が積もらない地域の人間には、ちょっと思いつかない荒技だが、雪国では珍しいことではないという。

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