車中泊旅行歴25年の現役のクルマ旅専門家がまとめた、冬の車中泊に不可欠なスタッドレスタイヤに関する具体的で分かりやすい解説です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊入門ガイド
この記事では、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、既に1000泊を超える車中泊旅行を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、四半世紀に及ぶ経験を元に、日本各地を車中泊でめぐるための「know-how」を紹介しています。
~ここから本編が始まります。~
スタッドレスタイヤとは、直訳すると「スタッド=鋲(びょう)」の「レス=ない」タイヤ。
必要なものが勢揃い! 楽天市場の「車中泊グッズ」大特集なぜ、雪や氷の上は滑るのか?
スタッドレスタイヤは、かつての主流であったスパイクタイヤに代わり、ゴムの質や溝の形状などを研究することで、凍結道路や雪道を滑らずに走行できるよう開発された製品で、冬タイヤとも呼ばれている。
雪道や凍結路でタイヤが滑る原因は、雪や氷そのものではなく、融けてできた水が、その上に水膜を作るからだが、実は同じ現象を我々は家庭内でも体験している。
冷蔵庫から出したばかりの氷は手でつかむことができるが、少し時間が経って表面が溶けると、とたんにツルツル滑って素手ではつかみづらくなる。
つまり路上では、氷が濡れている場所に危険が潜んでいる。
スタッドレスタイヤとノーマルタイヤの3つ違い
❶柔軟性の高いゴム
スタッドレスタイヤには、低温でも柔軟さを失わず常温でも溶けにくい、ノーマルタイヤとは異質のゴムが使用されている。
論より証拠に、写真の通り指で溝が広げられる。
❷深い溝
溝が雪を圧縮することで生じる抵抗を利用し、少しでも高い駆動力が得られるよう、スタッドレスタイヤにはノーマルタイヤよりも深い溝が掘られている。
❸サイプ
スタッドレスタイヤの溝を構成しているブロックには、溝と溝を結ぶように、サイプと呼ばれる細かい筋が切られている。
サイプには❷の補助と、凍結路の表面にできた水膜を取り込む効果がある。
スタッドレスタイヤの「使用上の注意」
❶寿命は摩耗と劣化で決まる
まず摩耗からくるスタッドレスタイヤの寿命を確認する方法は、プラットホームを見るのが確実だ。
スタッドレスタイヤの場合、表面が新品タイヤの50% まで磨耗すると、雪道や凍結路でのグリップ力が低下するので、冬タイヤとしては使えなくなる。
写真の溝の中にある「突起」がプラットホームで、タイヤがこの高さまですり減ったら、冬タイヤとしての寿命は終わり。タイヤ交換のタイミングだ。
もうひとつの寿命を見極める基準は劣化。
たとえタイヤの山が残っていても、ゴムは3年ほどで経年劣化し始める。前年に比べて明らかに滑る回数が増えたと感じたら、早々にタイヤを買い換えたほうが安心だ。
毎年10月下旬から翌年のゴールデンウィークまで、スタッドレスタイヤを装着している筆者は、3シーズンを終えたら夏タイヤには履き替えず、秋に新品のスタッドレスタイヤを購入している。
❷保管とタイヤの交換
保管でもっとも大事なのは、柔らかいゴムを硬化させないこと。
そのため、まず融雪剤や泥などを水で洗い流し、直射日光が当たらず、温度変化の少ない通気性の良いところで保管するといい。
またタイヤへの負担を低減するため、空気圧を指定の半分程度に下げておくのが理想とされている。
なお交換は、安全点検が受けられるカー用品の専門店や整備工場、あるいはガソリンスタンドに依頼することをお勧めする。
筆者はそのおかげで、タイヤの僅かな歪みに気づき、未然にバーストを回避できたことがある。
冬の車中泊の寒さ&安全対策
普通車で扇風機・電気毛布はもちろん、電子レンジも冷蔵庫も使える、現代の車中泊に最適なポータブル電源は、EcoFlow RIVER 2 Pro!EcoFlow ポータブル電源 RIVER 2 Pro 大容量 768Wh 70分満充電 リン酸鉄リチウムイオン電池 6倍長寿命 高耐...