車中泊歴25年の現役クルマ旅専門家が、キャンピングカーに乗る最大のメリットを、分かりやすく解説しています。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊入門ガイド
この記事では、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、既に1000泊を超える車中泊旅行を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、四半世紀に及ぶ経験を元に、日本各地を車中泊でめぐるための「know-how」を紹介しています。
~ここから本編が始まります。~
キャンピングカーの”マイペースな旅”を支えてくれるのは、「居住性の良さ」プラスアルファ「変幻自在な車中泊」
必要なものが勢揃い! 楽天市場の「車中泊グッズ」大特集マイペースな旅とは…
コロナ禍の際には、「投機」的な理由からキャンピングカーを買い求める人もあったと聞くが、大半の人がキャンピングカーに乗る一番の目的は、ペットの同伴を含む”マイペースな旅”を愉しむことにあると思う。
それは「自由奔放な旅」と同じようにも思えるのだが、「マイペース」は「自分にあった方法や進度」という意味で使われており、よくよく考えると、そこには2つの意味が含まれている。
居住性の良さ
キャンピングカーの分かりやすい「マイペース」なところは、”自分にあった方法”、すなわち「居心地の良い居住空間」で過ごせる点だろう。
キャンピングカーのオーナーの中には、それまでビジネスホテルを利用しながら個人旅行を楽しんできた方も多いと思うが、グルメや温泉で名高い名宿は別として、目的地の近くで泊まるだけなら、「車中泊」でも「ビジネスホテル」でも大差はない。
まして同じ「車中泊」でも、キャンピングカーには、キッチンとテーブルはもちろん、トイレまで装備している車両もあり、普通車に比べて居住性は極めて高い。
そこで好きなものを食べて、ご愛用の生活用品が使えるのだから、居心地がいいのは当然だ(笑)。
週末旅ではさほど感じないが、1週間・1ヶ月ともなれば、乗用車での「車中泊」との違いは大きく、それは疲労を含めた健康状態に、顕著な違いとなって現れてくる。
変幻自在な車中泊
もうひとつの「マイペース」は、他と比較してみての話になる。
誰だって、自分の意図にそぐわない行動を強いられるのは避けたいわけだが、クルマ旅におけるその最たる例は「渋滞」だ。
筆者が週末を利用して旅に出る時は、よほどのことがない限り、金曜日の夜に自宅を出発し、目的地ヘ行く途中の道の駅やサービスエリアで「車中泊」をする。
いちばんの理由は、早朝から始まる高速道路の渋滞を回避することだが、同時にそれは、旅の目的地にいち早く到着し、混雑や順番待ちを避けることにも通じている。
インバウンドが激増している今の日本では、誰もが憧れる旬を迎えた景勝地や、歴史と伝統を持つお祭りなどでは、混雑を避けるための「準備」が、以前にも増して求められている。
その意味からすると、「マイペース」の「進度」を支えているのは、「キャンピングカー」そのものより、「車中泊」という宿泊手段であると云えるだろう。
結論として
キャンピングカーによる「マイペースの旅」の良さは、宿泊施設がなくても、陽が暮れたり疲れたところで眠りにつける点にあり、それは「車中泊」ができるおかげに相違ない。
しかし「車中泊」はキャンピングカーでなくてもできることだし、むしろ走行性能の高い乗用車のほうに分があるくらいだ。
ということは…
持ち合わせている「居住性の良さ」に、「車中泊」の利点を重ねることが、キャンピングカーで本当の「マイペースの旅」を実現するための術になる。
ある時はサービスエリアや道の駅、ある時にはオートキャンプ場やRVパーク、またある時には有料・無料の観光駐車場や、繁華街にあるコインパーキング…
「変幻自在」に車中泊スポットを駆使してこそ、「マイペースの旅」は実現できる。
ただキャンピングカーを「家代わり」に使うだけなら、本当の「別荘」のほうが間違いなく快適だ(笑)。
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