このサイトでは、既に車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、20年以上の歳月をかけて培ってきた、オリジナルの車中泊クルマ旅スタイル「Auto-Packer」で、実際に使ってきたグッズとアイデアを紹介しています。
貝柱の特性を利用する。
牡蠣が美味しくなるのは英語で「R」の付く月と云われている。
すなわち、January(1月)、February(2月)、March(3月)、April(4月)、September(9月)、October(10月)、November(11月)、December(12月)になるわけだが、日本では冬の味覚、つまり12月~3月が一般的には旬になる。
さて。アウトドアにおける牡蠣の食べ方といえば、言わずと知れた「焼き牡蠣」になるわけだが、ここで悩むのがタイトルの深い殻・平たい殻のどちらから先に焼くべきか?だろう。
インターネットを見る限り、答えは半々に見えるが、「深い殻から先に焼く」と書かれた料理のプロのサイトは見当たらない。
だが平たい殻を先に焼くと、ぷっくらした身から滲み出る牡蠣エキスが、全部流れ落ちてしまうように思える…
プロが平たい殻から焼くのには科学的な根拠がある。
牡蠣のみならず、二枚貝には「開殻筋」という筋肉=「貝柱」が貝殻の内側についているが、貝柱は熱を加えると貝殻についている部分が外れる。
もちろん外れるのは加熱されている側。つまり深い殻から先に焼くと、必然的に上の貝殻に身が残ることになる。
そのうえ、貝柱は貝が生きていなければ外れない。ゆえに牡蠣の深い殻を下にして焼くと、うまく貝柱→身の順に火が通らず、貝が死んで開かなくなる場合も多くなる。
しかし、そのままでは最初に心配した通り、牡蠣の滋養がたっぷり入ったエキスが外に溢れ漏れてしまう。
それを防止するには、途中で一度ひっくり返す必要があるわけだ。
そのタイミングは、最初のカキから湯気や汁が吹き出した瞬間。火力にもよるが、時間にすれば3分以内だろう。
裏返しにうまく成功すると、殻を開けた瞬間、スープにぽっかり浮かぶ見事なカキがお目見えする。
牡蠣は焼くより蒸すほうがいい!
なお、牡蠣はそのまま炭で焼くと、バーン!と大きな音をたてて爆ぜるものが出てくる。
それが嫌で電子レンジを使う人も多いのだが、キャンプサイトではフライパンにフタをして蒸焼きにすれば、同じように簡単に殻が開けられる。タコパーならぬカキパーなら、断然効率の良い蒸し焼きのほうがお勧めだ。




