今、とりあえず車中泊デビューのために買い揃えるべきグッズとは?【車中泊歴25年のクルマ旅専門家が解説】2023年6月

Nバン車中泊今から始める車中泊

2023年6月更新/25年以上の車中泊経験を持つ現役のクルマ旅専門家が、令和の今、とりあえず車中泊デビューのために買い揃えるべきグッズとは何かを、理由とともに解説します。

クルマ旅のプロが実践する、ワンランク上の車中泊
このサイトでは、既に車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、25年以上の歳月をかけて培ってきた、オリジナルの車中泊ノウハウとそのアイデアを紹介しています。
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今、とりあえず車中泊デビューのために買い揃えるべきグッズは、車中泊マット・ウインドウシェード・USB対応のシガーソケット充電器の3つ

Nボックス 車中泊

車中泊はキャンプとの相性も抜群!

~プロローグ~ 車中泊の必需品の”優先順位”は、クルマによって変わる!

車中泊には、暑さ10センチの「インフレータブル・マット」が最適。

ウインドウシェードがないと車内が丸見えで、夜は着替えもできない。

走行中にシガーソケットからUSBでスマホに繋がる充電器。

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~プロローグ~ 車中泊の必需品の”優先順位”は、クルマによって変わる!

車中泊キャンプ

筆者は20世紀の「昭和」から、何台かクルマを乗り継ぎながら、車中泊で旅とキャンプを重ねているのだが(笑)、「平成」を終えて「令和」になっても、車中泊で一番大事なことが、クルマの中に”寝心地の良いベッドスペース”をどう作るかであることに変わりはない。

ミニバン フルフラット

座って乗って走ることを大前提としている乗用車で、「仮眠」ではなく自宅で寝る時と同じように「熟睡」しようというのだから、それが容易ではないことは、車中泊の経験がない人でも、なんとなく察しはつくと思う。

ボンゴフレンディー

ミニバンに”開閉式の屋根裏部屋”を搭載し、一斉を風靡したマツダの「ボンゴ・フレンディー」でさえ、運転席と助手席を使って”完全フラット”なベッドスペースを簡単に作ることはできず、筆者は100均商品やコンパネ、マットレスなどを使ってDIYをすることで、それを実現し快眠を得てきた。

そのハウツーには今でも需要があるようなので、ホームページに残している。

そんな経緯もあって、かつては「車中泊の達人」とマスコミから呼ばれもしたのだが、今はもう「車中泊の達人」が不要なくらい、クルマもグッズも進化をしている。

ゆえに、その進化したモノを活用すれば、車中泊デビュー自体はたやすいと思う。

そこでまずは、

今の乗用車が、どこまで車中泊がしやすくなっているかを簡単に紹介しよう。

新型ステップワゴン

写真はHONDAの「新型ステップワゴン」だが、2人までなら何一つ補助グッズを使うことなく完全フラットと呼べるベッドスペースを作り出せる。

ただ、驚くのはそれだけじゃない。

車中泊 ミニバン

従来のミニバンは、ファミリーで車中泊をするのは不可能に近く、せいぜいひとりの幼児を”川の字”で寝かせられるだけだった。

新型ステップワゴン 車中泊

だが「新型ステップワゴン」では、このシートアレンジを使えば、身長120センチまでの子供なら横向きにひとり、100センチまでの幼児であれば、縦にふたりまで寝かせることが可能だ。

フリードプラス 車中泊

HONDAの車中泊カーと云えば、「絶飯ロード」で使用された「フリード・プラス」のイメージが強いが、ファミリーユースなら、「新型ステップワゴン」はそれ以上に汎用性が高く、使い応えもありそうだ。

実は筆者は、このHONDA公式サイトの車中泊関連ページを監修しており、すべての撮影に参加しているし、また動画にも参画している。

なので多少の忖度はするが(笑)、情報の精度はかなり高いと思うし、なにより現場でその寝心地を何度も試している。

ボンゴフレンディー

車中泊におけるHONDA車が持つ最大の優位性は、完全フラットなベッドスペースを作るための”補助パーツ”が要らないという点にある。

フレンディーでは、このコンパネにマットレス、さらにシートの凸凹を埋めるためのクッションなどが必要だったが、これらは座席をシートに戻すと、車内では不要な荷物になるしかなかった。

フリード・プラス

冒頭で「車中泊の必需品はクルマによって変わる!」と書いたが、HONDA車を使えば、DIYをする手間もコストも、そして車中泊時にいちいちパズルのようなベッドメイキングをする煩わしさも発生しない。

雨の車中泊

雨の日の車中泊を想像してほしい。

ミニバンは車外からベッドメイキングをする必要があり、寝られる状態にできるまで、パパは一人ずぶ濡れになる…(笑)。

それを思うと、このシートアレンジが”エポックメイキング”と呼ぶべき「発明」であることが、ご理解いただけるだろう。

もっとも… このコーナーはクルマ選びが目的ではなく、ここまでは「プロローグ」にすぎない。

ということで、CMを挟んでさっそく本論へと進んでいこう。

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車中泊には、暑さ10センチの「インフレータブル・マット」が最適。

車中泊マット

まず車中泊に「絶対に必要」と云えるのはマットで、とりあえずこれがあれば、ひどい腰痛や寝不足、はたまたエコノミークラス症候群に陥る心配からは開放される。

ただこれまでの経験上、既に「ベスト」と呼べるアイテムは決まっているので、ここでは製品とあわせて、その理由も詳しく紹介しておきたい。

この商品をベストと呼ぶ理由

フィット 車中泊

❶厚さが10センチも必要なワケ

前述したHONDA車でも、厳密には”完璧にフラット”とは云えない凹凸は残っており、薄いマットではそれがカバーしきれず、時間が経てば背中に違和感を覚える。

そうなるとクッションや座布団が欲しくなり、結局は荷物が増える要因になる。

だが10センチの厚みがあれば、この程度の段差なら問題なく吸収できる。

車中泊マット

またクルマのシートは、乗り心地を追求している高級志向の車種ほど凹凸が大きくなる傾向があり、このような大きな空間ができてしまう場合も少なくない。

さすがにここまでの段差になると、マットのみでは吸収できないが、10センチ厚のこのマットを使えば、空間を固い箱のようなもので埋めても、マットの柔らかさでカバーすることができる。

車中泊マット

本来凸凹を埋めるパーツは、クッションのような変形しやすいものではなく、上から重みがかかっても変形しないもののほうが好ましい。

❷インフレータブル・マットがいいワケ

雷鳥沢キャンプ場

インフレーターブル・マットとは、中にウレタンが入った、空気を吸い込んで膨らむ自動膨張機能がついたマットのこと。

インフレータブルマット

空気を抜けば小さくたため、銀マットに比べて寝心地がよく、もし穴があいて空気が漏れても、ウレタンのクッションが残ることから、山岳キャンプでも愛用されてきた、折り紙付きのアウトドアグッズだ。

インフレータブルマット

ただキャンプ用の製品は、携帯性の面から厚さは1~2センチしかなく、前述したような環境が待つクルマの中では使いづらい。

だが、

空気を抜くとコンパクトに収納できる。

また予期せず空気が抜けても、ウレタンでクッション性がゼロにはならない。

といった点は、車中泊時にも有効だ。

車中泊マット

もうひとつ注目すべき点は、しっかり空気を入れれば「板」のように簡単には曲がらなくなるが、それでいてクッション性は保たれること。

実はこれが車中泊では一番大事で、厚さ10センチを勧めているのは、その効果が最大に得られるからにほかならない。

電動エアポンプ

なお、10センチ厚のインフレータブル・マットをパンパンに膨らませるには、上のような電動エアポンプが必要だ。

口で空気を送っても、たぶん”屁の突っ張り”にもならないだろう(笑)。

今は手の平サイズでUSBで充電ができ、空気の挿入と排出ができるアイテムがリーズナブルに手に入るので、合わせて用意してしまおう。

❸シングルサイズをお勧めするワケ

車中泊マット

理由は幾つかあるが、一番は収納性だ。

車中泊マット

特に荷室が狭いコンパクトカーにこれを積むなら、場所を別々にできるサイズの小さなマットのほうが車内を有効活用できる。

また時には、ひとりで車中泊をする時もあると思うし、ひとりはテントでひとりは車中泊というケースがあるかもしれない。

そういう事態を想定すると、マットは個別にしておくほうが汎用性は高い。

布団は車中泊には適さない。

理由はたたむとかさばり、シートを座席に戻せなくなるから。

またキャンプ場や河原・湖畔などにはダニが潜んでおり、それに侵入されるとひどい目に遭う。

ゆえに、このマットに下のようなダウンの封筒型シュラフを組み合わせるのがベストだ。ただ、最初はシーズンに応じて毛布やタオルケットで代用すればいい。

ウインドウシェードがないと車内が丸見えで、夜は着替えもできない。

どこで車中泊をするにしても、夜クルマの中で明かりをつけると、車内は外から丸見えになる。そのため、車中泊時は内側から窓を覆うのがセオリーだ。

とりあえずというなら、フロントガラスには夏用のサンシェードが安くて重宝するが、クルマにはサイドにもリアにも窓がある(笑)。

ちなみに窓のサイズはクルマごとに違っているため、ステップワゴンのように売筋で車中泊にもよく使われている車種には、メーカーの純正品以外にもジャストフィットする製品が発売されている。

結論として、筆者は既製品を買うほうが明らかにコスパも見た目もいいと思うが(笑)、DIYがしたい人はこちらを参照に。

またこの記事は、自らDIYするしか術がない車種に乗る人にも参考になる。

なお、ウインドウシェードでもっとも良いのは筆者も使用している、この「マルチシェード」だが、その分値段も張る。

ゆえにこちらは、このクルマを当分使うと心に決めてからでいいと思う(笑)。

マルチシェード

走行中にシガーソケットからUSBでスマホに繋がる充電器。

スマホナビ

令和の時代に車中泊をする方は、ほぼ100%がスマホを使われていると思う。

最新の道路事情はもちろん、通行止めもキャッチし、さらに街歩きにも使えるスマホナビが、もはやカーナビより車中泊の旅にマッチするのは明白だ。

ゆえにスマホは、「三種の神器」以上の”別格”と呼べる必需品だと思うが、問題はその充電だろう。

ちなみに、2023年6月時点における筆者の愛用品がこちら。

車載用USBスマホ充電器

普通なら右の2連シガーソケットは不要かもしれないが、筆者は一眼レフカメラなどの充電用に、今でも車載用カーインバーターを利用しているのと、レーダー探知機を搭載しているため、別途にシガーソケットが必要になる。

また最近は、シガーソケットから電源をとるドライブレコーダーもあるようなので、このセットのニーズは高いと思う。

充電式スマホホルダー

それにワイヤレスチャージタイプのスマホ・ホルダーを併用。

ここに載せておくだけで、エンジンをかければ自動的に充電されるため、ナビを使ってもスマホのバッテリーが減らない。

筆者はBGMもAmazon Musicから流しているため、特にスマホのバッテリーの消費が激しく、今ではセットで必需品だ。

ちなみに最近は、リチウムイオンバッテリーを搭載した、ポータブルバッテリーがキャンプでも車中泊でも人気を呼んでいる。

ポータブル電源

通称「ポタ電」は、あるに越したことはないが、要は使い方次第だと思う。

「ポタ電」の値段は搭載しているバッテリーの容量で、2万円程度から20万円近いものまで様々だが、もし夏はサーキュレーター、冬は電気毛布を使いたいと思うのなら、このクラスの「ポタ電」がお勧めだ。

とはいえ、ちょっと高価な買い物にはなるので、実際に車中泊を試してみてからでも遅くはないと思う。

なお「ポタ電」は上を見たらキリがない。

たとえば筆者のキャンピングカーには、「ポタ電」に使われている「リチウムイオンバッテリー」が、「サブバッテリー・システム」に組み込まれており、走行充電と屋根に積んでいるソーラーパネルから、随時充電されてくる。

wiz

そのため、電子レンジとティファール、冷蔵庫・冷凍庫、テレビにパソコンを毎晩使っても、ひと月でもふた月でも車中泊で旅ができるわけだが、その背景にあるのは”優れた充電システム”だ。

土台からして、普通車とキャンピングカーは作りが違う。

それを普通車で真似ようとしても不可能に近いと思うので、最初から割り切った使い方をするほうがいい。

ちなみに、

「それならいっそ、キャンピングカーにしちゃおうかな」。

それはそれでありだと思う(笑)。

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