このサイトでは、既に車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、20年以上の歳月をかけて培ってきた、オリジナルの車中泊ノウハウとそのアイデアを紹介しています。

大人が横になれるクルマなら、車種は不問
この記事は「現在乗っている乗用車で始める車中泊」という観点から書いており、通常の車中泊入門書とは少し中身が違う。
早い話が、何かの刺激を受けて、この週末からでもとりあえずクルマで旅に出かけたい!というような人向けの話である。
目標は「思っていたより眠れた」
クルマのシートの寝心地は、乗り心地に反比例する。
簡単に云うと、乗り心地を追求している乗用車のシートは、横揺れに対するホールド性を高めた構造になっている。
それをフルフラットにしたところで、凸凹が大きく寝心地は悪いのは当然だ。
そして、それを改造なしに快適化するには限度がある。
すなわちフリードプラスのように、一部の車中泊を想定した乗用車以外のシートは、もともと車中泊に適していない。
つまり最終目標は、「思っていたより眠れた」というあたりに置くほうが、朝起きた時の落胆は少ない(笑)。
問題はフルフラットにならないクルマ
こういうシートアレンジができるクルマは、多くのサイトで紹介されているように、タオルや使っていない座布団などでできるだけ凸凹を埋め、そのうえに下の車中泊マットを敷けば、「思っていたより寝られる」レベルには到達する。
なお、「さらなる快適さ」を求めたければ、以下のページを参考に。
問題はフルフラットにならないクルマだ。
写真は日産のリーフだが、フルフラットにならないクルマの多くは、このようにリアに大きなラゲージスペースを有している。
車中泊仕様にするには、そのスペースを写真のように埋めてやればいい。
ポイントはスノコ。
別ページで記載している通り、フルフラットシートでもスノコを使うと飛躍的に平坦性がアップする。
安いし、適度なサイズがなければDIYするのも難しくはない。
また折りたたみ式のコンテナを台にしておけば、普段はたたんでコンパクトに収納しておくことができる。
その上にさきほどのマットを敷けば、こちらも「思っていたより寝られる」レベルには到達する。
もっともこれは基本であって、身長によってはクッションを加えて寝る向きを変えるなど、さらに工夫の上乗せが必要かもしれない。
しかしこの方法を応用すれば、車中泊に使えるクルマの選択肢が広がることは確かだろう。
ただ「思っていたより眠れる」レベルの上乗せは、ほどほどにしておくほうがいい。
この方法は『「避難」のための車中泊』の対応策の域を出るものではなく、筆者が推奨する「ワンランク上の車中泊」は、異なるベクトルの上にある。
つまり進むなら「脱皮」、すなわち車中泊に適したクルマへの乗り換えが必要だ。
最後に。
「運転席をリクライニングして寝る」というのは極力避けたほうがいい。
それは震災のたびにテレビを騒がす「エコノミークラス症候群」を発症するきっかけになるからだ。
中高年のための車中泊入門
車中泊の位置づけは「手段」。 「目的」は生活ではなく、クルマ旅やアウトドアを愉しむこと。


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