車中泊旅行歴25年の現役のクルマ旅専門家がまとめた、2024年1月現在の車中泊旅行者が一番安心して泊まれる「サービスエリア」で泊まる際の注意点です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊入門ガイド
この記事では、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、既に1000泊を超える車中泊旅行を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、四半世紀に及ぶ経験を元に、日本各地を車中泊でめぐるための「know-how」を紹介しています。
~ここから本編が始まります。~
サービスエリアは、間違いなく車中泊旅行者が一番安心して使える施設
一番大事なのは、部外者が語りたがる「建前」に踊らされないこと
必要なものが勢揃い! 楽天市場の「車中泊グッズ」大特集大事なのは、部外者が語りたがる「建前」に踊らされないこと
一応最初に断っておくが…(笑)
サービスエリアを運営するNEXCOは、2009年に導入された「1000円高速」こと「休日特別割引」が終了した以降も、サービスエリアでの車中泊については”推奨しない”というスタンスを崩してはいない。
そもそも…
道路休憩施設のサービスエリアや道の駅での車中泊に、長距離輸送トラックの運転手と同様、移動の途中で日が暮れ、睡魔や疲労感に襲われた場合の「休憩」というスタンスが求められるのは当たり前。
国土交通省は「仮眠」という言葉を使用しているが、それは単純に「車中泊」の解釈の違いから来ているだけで、大多数の車中泊旅行者にとっては、もはや気にすることのない話だ。
「道の駅」では、今だにキャンプまがいのことをする人間を見かけないではないが、さすがにサービスエリアの駐車場にイスやテーブルを広げている姿を、筆者は25年間車中泊をしてきて、ただの一度も見たことがない。
「道の駅」と「サービスエリア」をごっちゃにして、ほんの一部のハメを外した輩を大袈裟に取り上げ、やれ車中泊禁止だのOKだのと騒いでいるのは、車中泊をブームと捉え、それに便乗してアクセスを上げたい一部のマスコミや、近頃になって車中泊を始めたばかりの「ひよっこ車中泊」アフィリエイターとYouTuberばかりだ。
だが彼等はGoogle検索に対するSEO対策がうまく、初心者を”自分たちの土俵”に引きずり込もうとしている。
「騙そうとしている」とまでは、云わないがね(笑)。
そのいっぽうで官僚さんたちは、実はしたたかにマーケットを見据えている。
つまり「仮眠」は「建前」であって、NEXCOは本気で車中泊客を減らそうとは思ってはいない。
それどころか、車中泊にはもっと大きなビジネスチャンスが潜んでいると睨んでいるフシさえ感じるくらいだ。
ゆえに、ベテランの車中泊旅行者は「仮眠」を真には受けていない(笑)。
長年マイペースで車中泊を楽しんできた中高年の旅人は、もっと客観的にクールに、今の車中泊業界を眺めている。
それに我々からすれば、そんな話はとうの昔に「解決済み」。いまさら何を騒いでいるの?でしかない。
サービスエリアは、車中泊旅行者がいちばん安心して使える施設
たとえば…
万が一、大雪や豪雨で高速道路が通行止めになったとしても、サービスエリアには、トイレとレストラン・売店はもちろん、シャワーステーションやドッグラン、そしてスマートインターがあるところもある。
また最悪でも、従業員の出入口から救助を受けることが可能だ。
防犯面においても、サービスエリアは道の駅より安心できる点が数多くある。
何より24時間営業しているので、人の出入りが多く、駐車場は明るいうえに視界が開けているため、犯罪には適さない環境だ。
多少騒々しいという点を除けば、老若男女いずれの車中泊旅行者にとっても、サービスエリアが道の駅よりお勧めの「旅の宿」であることに異論はあるまい。
ちなみにサービスエリアを利用するには、高速代が必要と思っている人がいるかもしれないが、今は「ぷらっとパーク」と呼ばれる、高速道路外からでも利用できる駐車場を備えているところが多い。
それから考えれば、こんなに条件の整った災害時に使える「車中泊の避難所」が他にあるのだろうか?
スイスが高速道路をいざという時に「滑走路」として使えるよう想定して作っているのと同様、今後のサービスエリアが「災害時における車中泊の避難所」という側面を意識して目指せば、さらに利用価値の高い施設になるのは間違いない。
ちなみに熊本地震では、クルマを使って避難した人は全体の61.3%、指定避難所またはそれ以外の場所に駐車して、車中で避難生活した人は全体の39.2%を占めていたというデータもある。
サービスエリアで車中泊をする時の注意点
ここまでサービスエリアが車中泊に好適な理由を綴ってきたが、そのサービスエリアにも”車中泊旅行者の天敵”がいる(笑)。
それはエンジンをかけたまま長時間駐車する大型トラックだ。
彼らは夜間にやってくるので、夕方は少なくても深夜にはレーンに駐めきれなくなり、施設によっては普通車のゾーンにまで進出してくることもある。
どう思います、この駐め方(笑)。
現時点での防衛策は、まずはそれが起きうる可能性の高い場所を、最初から外して車中泊をすることだ。
ベストなのは、確実にトラックと離れて車中泊ができるサービスエリアを事前に調べ、そこを車中泊地に選ぶことだろう。
それには経験値が高い人がツボを押さえて書いた、車中泊スポットの紹介記事を見つけることが肝要だ。
ということで、ひとつ模範的なサンプル記事を挙げておこう(爆)。
その他の車中泊スポットはどうなの?
”サービスエリアは、車中泊旅行者がいちばん安心して使える施設”の裏返しは、その他の車中泊スポットが、サービスエリアに敵わないことを意味している。
そこで、どこがサービスエリアより劣るのかを中心に話をまとめてみた。
道の駅
道の駅は、筆者がサービスエリアの次に使える車中泊スポットに挙げている施設だが、最大の課題は店舗の営業時間が短すぎることだろう。
18時閉店でも早いと思うが、中には17時まで、また飲食店はランチタイムのみ営業という道の駅も少なくない。
これでは車中泊時の夕食には到底間に合わず、旅行者は他で外食してくるか、到着してから調理済みの食品を食べるしかないが、その際に出る可燃ゴミが捨てられない施設がたくさんある。
利用者へのサービスを顧みず、営業する側の都合だけを書き並べるのは、まさに時代遅れで「お役所仕事」にほかならない。
「どこもみんなそうだから」が通用しないことを、既に旅人は知っている(笑)。
有料・無料の観光駐車場
まず、道路利用者の休憩施設でも車中泊用の施設でもない有料・無料の観光駐車場には、夜間も開放しなければならない義務はない。
そのため防犯上の理由から、施設の営業時間の終了とともに、駐車場も閉鎖するところが多い。
24時間出入りができ、付近にトイレも用意されている駐車場は、早朝から混雑が予想される大きなイベント会場の近くや、登山口、波止場、あるいは夜間も観光客で賑わうところで多く見かける。
もちろん、そこでの車中泊は「道の駅」と同様で、車外で調理をするなどのキャンプ行為はできない。
なお、有料・無料の観光駐車場でよくあるのが、「突然の車中泊禁止」(笑)。
こないだまで車中泊ができたのに?
という話は思っている以上によくあるので、ネットの情報を鵜呑みにして出かけるのはちょっと危険だ。
念のために、車中泊ができなかった場合の対策を用意して出かけよう。
オートキャンプ場
区画された高規格オートサイトが主流の現在の日本のオートキャンプ場は、「テントの横にクルマが横付けできるキャンプ場」であって、テント泊を前提に作られているところが大半だ。
ゆえに駐車場には、水はけを良くするために意図的に傾斜が設けられており、スライドドアと反対側にサイトがあって、サイドオーニングを出すにはアタマからクルマを入れなければならないところもあるし、駐車区画に木の枝が覆いかぶさって入れないところもある。
そうなると車中泊に好適なオートキャンプ場は、滅びゆく電源もない「昔ながらのフリーオートサイト」ということになってしまう…
RVパーク
ここへきて猛烈な勢いでその数を増やし続けている「RVパーク」は、車中泊のための施設と思われているようだが、今のところ車外で調理や食事ができるところはほんの僅かしかない。
つまり大半は、”車内で調理も食事もできるキャンピングカーのための宿泊施設”の域を出るものではなく、利用者の目的はそれよりもエアコンの使用や、サブバッテリーの充電に利用できる電源にある。
キャンピングカーにすれば、それでも高規格オートキャンプ場の電源サイトの半額近いコストで収まるのだから利用価値はあるのだが、キャンピングカーより圧倒的に多い3.4.5ナンバーの普通車で車中泊をしている人にしてみれば、魅力を感じる施設ではないのは確かだろう。
普通車にとって、RVパークの利用価値は予約ができることだと思う。
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