この道25年の現役クルマ旅専門家が、冬の車中泊時に使い捨てカイロを効果的に使う方法を紹介しています。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊入門ガイド
この記事では、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、既に1000泊を超える車中泊旅行を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、四半世紀に及ぶ経験を元に、日本各地を車中泊でめぐるための「know-how」を紹介しています。
~ここから本編が始まります。~
効果的なのは、カイロをインナーの上からカラダに貼って使うことだが、そのまま寝ると「低温やけど」になる恐れがある。
必要なものが勢揃い! 楽天市場の「車中泊グッズ」大特集「貼るカイロ」は、床につくまでの間だけ利用するのが◎
ご承知の通り、使い捨てカイロには「貼る」と「貼れない」の2種類がある。
「貼れない」カイロは、男女を問わず学生時代に一度や二度は使った経験があると思うが、「貼る」カイロは冷え性の女性以外には、あまり縁がないものかもしれない。
しかし冬の車中泊では、その「貼る」カイロが有効だ。
といっても、昔のキャンパーみたいにマットやシュラフにベタベタ貼るのではなく、ピンポイントでカラダ側に貼る(笑)。
理由は、長時間の使用が「低温やけど」を招く可能性があるからにほかならない。
そのため使い捨てカイロは、電気毛布のためにポータブルバッテリーを節電する方策として、シュラフに潜り込むまでの”つなぎ”に使うと考えるのが良さそうだ。
そもそも1月.2月の厳冬期には、電気毛布や4シーズン用のダウンシュラフがないと、車中泊はただの”寒中修行”になるだけだ。
つまり、きちんとした冬用の装備なしに、使い捨てカイロに頼ろうとするほうが、どうかしている。
中には、「寒くなったらクルマのエアコンをつければいい」。
そう思っている人がいるかもしれないが、寒さ対策が確立されている冬は、平常時に安易にエンジンをかけて寝ると、周りからは「ちょっと車中泊を舐めてるよね」という目で見られると思う(笑)。
ちなみに通常の「貼る」カイロは、「貼れない」カイロに比べると厚みがなく、発熱成分の量が少ないため、多くは10時間ほどで効力を失う。
であれば、夕暮れから使うと、いちばん冷え込む明け方には、もう冷たくなっている可能性が高く、「低温やけど」のリスクを犯してまで、やる意味をなさない。
ポカポカ感が期待できる「カラダのツボ」はココ!
一般的にカイロは、太い血管の通っている場所に貼ると、効率的に温まりやすくなると云われており、とりわけ首の真後ろの下にある「大椎(だいつい)」というツボ周辺を温めるのがいいという。
次に効果がありそうなのは、くるぶしの後ろ側で、ここを温めると足の冷えが緩和されるとのこと。
もちろんいずれも、直接素肌に貼るのは「低温やけど」のもとになるので禁物だが、だからといって首元は、スウェットのような厚手のウェアに貼ったのでは、熱が伝わりにくく効果は薄いに決まっている。
そうなると、ユニクロのヒートテックのような、薄手でカラダにぴったりフィットするインナーに貼るのが良さそうに思える。
ところが説明書には、「伸びる衣服・機能肌着など」には、使用しないでくださいとの表記がある。
では、何ならいいの?
残念ながらこの疑問に対しては、具体的な答えが記されていなかった。
察するに「リスク回避」のつもりなのだろうが、これでは逆に不信感を発散しているようなものだ。
とりあえず、少し厚めのコットンTシャツに貼って実際に試したところ、首の下の効果は明らかだったが、筆者は肌が弱いせいか、「低温やけど」の危険も感じたので1時間ほどで外した。
結論としては使えそうだが、製品・貼るウェアの素材や厚み・個人の肌のコンディション差等々、不確定要素が多すぎるため、コレというひとつの答えは出せない。
ただ前述したように、長くとも”クルマに戻って床につくまでの間だけ”、この方法で寒さを凌ぐのが、合理的な使い方になるのは確かだと思う。
それにこれは、車中泊では使わなくても、万が一の大雪で立ち往生した時のことを考えると、知っておいて損はない話だ。
今のカイロは揉んではいけない?
筆者の同年代は、未だに使い捨てカイロは袋から出した後、よく振ったり揉んだりしてから使うものだと信じているかもしれないが、時代は変わり、現在は”揉んではいけない”と書かれている。
今のカイロは、袋の表面に小さい穴が開いており、そこから空気を取り込むことによって、中に入っている鉄が酸化して発熱する仕組みになっている。
そして最後に…
驚いたことに、使い捨てカイロの処分方法は、大阪市は「燃えるゴミ」だし、名古屋市は「燃えないゴミ」と、市町村によってバラバラだ。
なので旅で使う時は、できれば持ち帰って捨てるようにしよう。
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