この道25年の現役クルマ旅専門家が、100円グッズを使って車中泊時に出る車内のゴミを削減する方法を紹介しています。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊入門ガイド
この記事では、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、既に1000泊を超える車中泊旅行を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、四半世紀に及ぶ経験を元に、日本各地を車中泊でめぐるための「know-how」を紹介しています。
~ここから本編が始まります。~
ゴミの削減には、「量」と「かさ」の2つがある。
地道に食材をジップロップやプラ容器に移し替え、買った店で容器を捨てる
ゴミ収集車に学ぶ、車中泊中に出る「旅行ゴミ」の減量法粉砕と圧縮でカサを激減する

車中泊で出るゴミは、「家庭ゴミ」ではなく「旅行ゴミ」
このおっさん、何を寝ぼけたことをいうとんねん!
そう思う貴方は、ゴミのことなど調べもせずに、ただ「感覚」でスーパーやコンビニで買った食べ物の容器や袋を、「家庭ゴミ」と決めつけている。
嘘だと思うのなら、このゴミ箱に書かれたコメントをよく読んでみるといい。
どこの馬の骨だか分からない筆者の戯言ではなく、これは道の駅に置かれたゴミ箱、つまりは”おかみのお言葉”だ(笑)。
正しい家庭ゴミとは…
家庭で発生した、もしくは一度家庭に持ち帰った、日用品の容器や包装資材など。
つまり、スーパーやホームセンターで購入した食品や日用品は、自宅に到着した段階ではまだ「商品」だが、お茶の間で中身を消費した時点で「家庭ゴミ」となる。
「家庭ゴミ」の廃棄方法は各自治体ごとに定められており、そこで暮らす人間は、規定から外れた廃棄をすれば「不法投棄」で、厳密に云うと「犯罪」になる。
しかしこの理屈から云うと、”旅先で購入し、旅先で中身を消費してできたゴミ”は、自宅に持ち帰っていないのだから「家庭ゴミ」にはならない。
分かりやすく云ってしまえば、”宙に浮いた行きどころのないゴミ”だ。
ゆえに勝手に「旅行ゴミ」と呼んでいるのだが、「旅行ゴミ」は確実に存在する。
それを自宅まで持って帰れる人は、そうするに越したことはない。
だが本州から北海道に、長期の旅で来ているような人は、”それを現地で引き取ってもらえなければ、どこかに”ポイ捨て”する以外の処分方法が「物理的」に見当たらない。
この車中泊専門誌カーネルのイラストは、立ち位置を間違っている。
「◯◯市民」が「◯◯にある道の駅」のゴミ箱に、一度家まで持ち帰った「家庭ゴミ」を捨てれば、確かに「不法投棄」になるが、◯◯市民以外がペットボトルやパンの袋を捨てたところで、そうはならない。
それに任意で置かれたゴミ箱に、自由にゴミが捨てられないのはいかなることだ?
少なくとも、マスコミがこんなことを載せているようでは”お話にならない”。
車中泊の旅人に飯を食わせてもらっている以上、お客様の便宜を”合法的に”計らうべく努力をするのが筋だ。これでは、まるで抵抗勢力の手先じゃないか。
ちなみに
似たような言葉に「家庭系ゴミ」があるが、これは工場や店舗などの事業所で出る「事業系ゴミ」と区別するために使われるもので、ゴミの区別の「切り口」が違う。
いずれにしても1週間ほど車中泊の旅をしてみれば、”日本はゴミが容易には捨てられずに困る国”であることが身に染みて分かる。
日本人でさえそうなのに、インバウンドにはもっとじゃないのかなぁ。
大人の事情がよく分からない筆者には、単純にそう思えてならない。
この件については以下により詳しく記載しているので、興味があればぜひ。
地道に食材をジップロップやプラ容器に移し替え、買った店で容器を捨てる
筆者は日本の「第一次オートキャンプブーム」と呼ばれる、バブル景気崩壊直後の1990年代にファミリーキャンプをしてきた人間だが、これは古今東西のキャンパーにとっては、「いまさら」というほど当たり前の話だ。
ただ30年近く過ぎても、未だに車中泊ではこれが「最善策」というのは、どうなんだろう(笑)。
変わったのは、「ジップロップ」や蓋付きのプラ容器が100円で買えるようになったことだけ…
付け加えるなら、おっちゃん・おばちゃんになった今は、わざわざクルマでなんかでやらずに、サッカー台で堂々と無料の袋を裏向きにして肉を掴んで移し替える。
安心してください。エコやってますよ!
プロだもの、時には派手なパフォーマンスも必要だ(笑)。
ゴミ収集車に学ぶ、車中泊中に出る「旅行ゴミ」の減量法
どこの町内でも毎週決まった日になると、燃えるゴミの回収にやってきてくれるゴミ収集車だが、その機能が旅先でのゴミの「かさ」削減に役立つことがある。
そのひとつが「粉砕」だ。
旅でもっともかさばるのは、お茶やミネラルウォーターを買うたびに発生する2リットルサイズのペットボトルだが、100円ショップに行けば、専用のカットハサミが売っている。
リサイクルに回せないのは殘念だが、小さく切り刻んでしまえば、空気を運ばなくて済むようになる。
もうひとつは「圧縮」。
写真ではカップ麺の容器を潰して広がらないようガムテープでとめているが、ペットボトルやトレイ、また刺身用の容器なども、この手を使えば劇的にコンパクト化できる。
ビニール袋に入れてからガムテープでとめれば、汁や臭いが漏れることもない。
困った際には、ぜひ思い出して活用していただきたいアイデアだ。
こうすることで「ゴミを持ち歩ける旅の期間」が、1泊2日から2泊3日に伸びれば、車中泊のマナー向上にも通じるだろう。
「捨てるな、持ち帰れ」というなら、こういうアイデアもセットで紹介するのが筋というもので、「アイデアがないなら、最初から云うな」。
ベテランはみんなそう思っているだろうし、これは若い業界及びマスコミ関係者にこそ、読んでいただきたい記事でもある。
車中泊のクルマ旅を支えてくれる「日用品」
※ここにはベストテンを表示。全アイテムの紹介は最後の全記事リストでご覧いただけます。

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