このサイトでは、既に車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、20年以上の歳月をかけて培ってきた、オリジナルの車中泊ノウハウとそのアイデアを紹介しています。

都会は「指定緊急避難場所」にクルマで行けない。
災害時の市町村からの呼びかけには、「避難準備」・「避難勧告」・「避難指示」の3種類があり、「避難指示」が発令されたら、住民は市町村の防災ガイドに記された「指定緊急避難場所」に向かい、そこでまず安否の確認を済ませ、避難解除が発令されるまで待機しなければならない。
場合によっては1日で済まず、災害によるインフラやライフラインの被害が発生すれば、待機は2日、3日となる可能性がある。
しかもその場合、3日間は支援物資が届かないことを想定し、自分で調達したもので凌がなければならなくなる。
だがクルマを所有していれば、ハンドキャリーとは比較にならない量の防災用品や食料を「指定緊急避難場所」に持ち込めるうえに、車中泊もできてプライバシーも保つことができる。
ゆえに、まずクルマでの避難を考えるのは当然だ。
しかし、都市部にある市町村の地域防災計画では、津波に限らず、地震、火災などの避難においても、避難の円滑な実施を考慮し、自動車による避難は原則 として禁止している。
ということは「避難のための車中泊」を目指すなら、「指定緊急避難場所」ではないところに「自主避難」するしかない。
もちろん「自主避難」である以上、制約を受けないかわりに、その間にかかる食料や生活費は自己負担になる。
さらに「自主避難」の場合、通勤や通学に都合の良い場所で、長期の「車上生活」が認められるような場所は皆無に等しい。
それが現在の「避難のための車中泊」の実情だ。
であれば、どこに避難をすればいいのか?
その答えは意外なところにある。ただし、通行できればの話だが…
例えば、奈良県の名阪国道のサービスエリアを兼ねた「道の駅針T・R・S」には、広い駐車場・レストラン・コンビニ・日帰り温泉施設が揃っている。
また伊勢湾岸道にある刈谷ハイウェイオアシスにも、同様の設備があり、観覧車まで揃っている(笑)。
ただし、そこで許されるのは「車中泊」までであって、自炊を伴う「オートキャンプ」はできない。
しかし「広域避難所」として指定された場合は、期間中の特別措置として認められる可能性はあるだろう。
事実熊本地震では、道の駅をキャンプ場として活用していた例もある。
「避難」のための車中泊 目次
「車中泊旅行者」のための”るるぶ”


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