車中泊旅行歴25年の現役のクルマ旅専門家がまとめた、「車中泊の流儀」に関するお話です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊入門ガイド
この記事では、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、既に1000泊を超える車中泊旅行を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、四半世紀に及ぶ経験を元に、日本各地を車中泊でめぐるための「know-how」を紹介しています。
~ここから本編が始まります。~
車中泊は、例えて云うと「サッカー」と「ラグビー」が共存している”フットボール”。
ウィキペディアの説明によると
フットボール(英: football)は、程度の差はあるが、得点するために指定された相手陣地のゴールに、ボールを蹴り込む要素を含むチームスポーツの総称だ。
つまり、「サッカー」も「ラグビー」もひとことで云うと「フットボール」になるわけだが、それぞれが明確に異なるルールと競技場を持っている。
それは「車中泊」にも同じことが云える。
車中泊の2つの流儀
必要なものが勢揃い! 楽天市場の「車中泊グッズ」大特集アウトドア系車中泊
釣り・登山・カヌー・サーフィン・スキーといったアウトドアを楽しんでいる人は、昔も今も、そのフィールドに近い場所で寝泊まりするほうが都合がいいため、”「車中泊」という宿泊手段”を使っている。
加えてフィールドには、レストランもコンビニもない場合が多いので、彼らにはそこで調理やお湯を沸かすなどの、”キャンプ行為”を行う必要がある。
この”キャンプ行為”を伴う「車中泊」を、ここでは「アウトドア系車中泊」と呼ぶことにする。
トラベル系車中泊
もうひとつは、トラックによる長距離輸送から生まれた「車中泊」だ。
「道の駅」がこの世に登場するのは1993年だが、日本の大動脈である東名高速が開通したのは1968年、名神高速の開通はそれよりもまだ早い1963年になる。
そして名神高速道路の開通とほぼ同時期の1964年に、現存する日本最古のドライブインとされる「不二ドライブイン」が開業している。
すなわち、「道の駅」の誕生よりも30年近く前に本格化した、この高速道路と休憩施設のインフラ整備が、日本の大型トラックによる長距離輸送を可能にしてきた。
長距離輸送時のドライバーには、トイレと食事を兼ねた休憩が必要だ。
しかしそれ以外にも、荷物の積み出し元と受け入れ先の都合があり、途中にどこかで時間調整をすることが多い。
その際に睡眠を含めた休憩場所に利用されてきたのが、「サービスエリア」と「ドライブイン」で、もちろん今はそこに「道の駅」が含まれる。
近年では食事以外に、コインランドリーやコインシャワー、さらには無料で漫画まで読める休憩室を設けた施設まで登場し、その利便性と快適性は大幅に向上している。
加えてその間には、大型トラックにも、ドライバーがきちんと眠れるベッドの組み込まれた車両の開発が進んできた。
いっぽう、ご承知の通り…
トラックでなくても、日本中をクルマで旅する中で、日が暮れたら疲れを癒やすために、「サービスエリア」や「道の駅」にクルマを駐め、翌日の朝まで休憩をしている人はたくさんいる。
では、トラックドライバーを含めて、彼らのように「ただクルマの中で眠って、一夜を明かすだけスタイル」を、何と呼べばいいのか?
筆者には「車中泊」以外に、ジャストフィットする言葉が思いつかないのだが、さきほどの「アウトドア系車中泊」と対峙させるため、あえてここでは「トラベル系車中泊」と呼ぶことにしよう。
今、道の駅で起きていること
これでお分かりになられたと思うが、現在の日本には、ひとまとめにして「車中泊」と呼んでいるが、「アウトドア系車中泊」と「トラベル系車中泊」の2つ車中泊の流儀が混在している。
そして”キャンプ行為”を伴う「アウトドア系車中泊」は、云ってみれば”手と足”を使う「ラグビー」、逆に”車内完結”の「トラベル系車中泊」は、”足”しか使わない「サッカー」に置き換えることができる。
そう考えれば、「ラグビー」「サッカー」と同じように、それぞれのマナーを含むルールと、利用できる施設を明確化するのはけして難しくない。
すなわち「アウトドア系車中泊」に使える施設はキャンプ場、「トラベル系車中泊」は道路休憩施設と、誰もが迷うことなく明確に判別できるわけだ。
だが今の日本は、
サッカー競技場で、まだラグビーをしようとする人がいる。
その直接の原因が、自分たちの流儀と施設が合っているのかを認識せずに、「車中泊」をする人が絶えないことにあるのは確かで、誤った人たちを排除しようとするのは当然だ。
だが問題は、サッカー競技場では「ラグビー」だけが排除されるべきなのに、その対象に「サッカー」を含む「フットボール」全体を指定しようとする流れになっていることにある。
ここから先の話は、「車中泊の定義」で詳しく話すとしよう。
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