車中泊旅行歴25年の現役のクルマ旅専門家がまとめた、「車中泊の定義」に関するお話です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊入門ガイド
この記事では、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、既に1000泊を超える車中泊旅行を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、四半世紀に及ぶ経験を元に、日本各地を車中泊でめぐるための「know-how」を紹介しています。
~ここから本編が始まります。~
車中泊とは、時間帯にかかわらず「車内で調理済み食品を食べたり、寛いだりしてから、眠って目覚めるまでの行為」で、途中に夜を挟んでもかまわない。
現状を考えると、道の駅を筆頭に、SA/PA・24時間利用できる有料、無料の駐車場、さらにはオートキャンプ場・RVパークにいたる、すべての場所での車中泊の定義は、こうするのが妥当だと思う。
なぜなら、それは車中泊がブームになる遥か以前から、愛妻弁当を食べて頑張る長距離輸送トラックの運転手達が行ってきた行為であり、既に市民権を得ているからだ。
裏返せば、だから道の駅やNEXCOは容認している。
それまで否定すれば、今度はトラック業界が黙っていまい。
ただ後述するが、国土交通省は「車中泊」という言葉がお嫌いなようで(笑)、それをわざわざ分かりにくい「仮眠」という言葉に”翻訳”している。
表現はともかくとして
車中泊の旅人が、道の駅やSA/PAのような「道路利用者のための休憩施設」と、うまく付き合うには、単純にトラックと「同じ一線」を超えなければいいわけだ。
ただし夜間のアイドリングは別問題。
それは「冷凍車」のように、常時電力を必要とする車両にのみ例外とされる話で、それ以外は「マナー違反」の何者でもない。
確かによく見ていると、大型トラックでもちゃんとエンジンを切って寝ている車両も中にはある。
いっぽう、車外での調理や団欒は「キャンプ」の一環で、車中泊とは一線を画する行為になる。
つまりオートキャンプ場では、それが車中泊とともに許されていると考えるほうが、理解しやすいかもしれない。
こう整理すると、車中泊はOKだが「オートキャンプ」は禁止というルールが成り立つことがよく分かるだろう。
そして道の駅は、その典型的な施設だ。
「道路利用者のための休憩施設」でもある道の駅は、新鮮な産直野菜を買いに来る近所の住民以外に、長距離輸送トラックや、帰省途中の家族、あるいはクルマ旅で移動中に日が暮れ、安全運転のために翌朝明るくなるまで休憩が必要となったドライバーも利用する。
少し付け加えておくと
国土交通省は前述したように、長距離輸送トラックに配慮し、「仮眠」という言葉を用いて「車中泊」と区別しているわけだが、世間一般的にはクルマで寝ることを「車中泊」と呼ぶのは当たり前…
ちなみに「仮眠」の反対語は「熟睡」。
そもそも睡魔に襲われ休憩しているドライバーに、「熟睡」を禁じるなんて”ありえない”仕打ちで、ハナから言葉の選択を間違っている(笑)。
彼らが道の駅で禁止したいのは、駐車場に何日も居座って動かない「長期滞在」と、車外にイスやテーブルを出して調理や食事を行う「キャンプ行為」の主に2つだが、筆者が示した定義には、いずれも「車中泊」には含まれない。
すなわち車両による「長期滞在」と、あらゆる「キャンプ行為」を禁止とすればいいだけの話だが、その誤った言葉遣いが既に多くの道の駅に伝播し、今や収拾のつかない混乱があちこちで生じている。
車中泊で使える、クルマ・グッズ・テクニックよりも大事な3つの話
EcoFlow ポータブル電源 RIVER 2 Pro 大容量 768Wh 70分満充電 リン酸鉄リチウムイオン電池 6倍長寿命 高耐...
「車中泊旅行者」のための”るるぶ”


この記事がよく読まれています。




