車中泊旅行歴25年の現役のクルマ旅専門家が、冬の車中泊旅にスタッドレスタイヤが「絶対不可欠」な理由を解説しています。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊入門ガイド
この記事では、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、既に1000泊を超える車中泊旅行を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、四半世紀に及ぶ経験を元に、日本各地を車中泊でめぐるための「know-how」を紹介しています。
~ここから本編が始まります。~
多少高くついても、利便性と安全性には代えられない。

避けては通れぬ「峠」
旅慣れた人ならよくわかると思うが、日本中どこを走っても必ずあるのが峠だ。
海沿いの道でも、漁村は一山越えたところに点在するし、湖畔や河口に通じる道の途中にも、やはり峠が待ち受けている。
往々にして、峠は気候が不安定で、冬はしぐれやすく、夜になれば凍結する。
そのうえ道路の左右どちらかは山に面しており、日中も日陰になる区間がある。
Google mapと連動するスマートフォンのおかげで、カーナビには最新の道路状況が反映されるようになり、その利用者は増加の一途をたどっている。
だが、さすがに峠を避けて通るルートまでは教えてくれない(笑)。
ましてや「主要国道にある峠」となれば、なおさらだ。
とどのつまり、峠を避けては走れない。
さらに雪道のスリップや事故は、後続車にも多大なる迷惑を及ぼしてしまう…
ゆえに、普段から積雪や凍結に慣れていないドライバーほど、安全運転のための措置を念入りに講じる必要がある。
安全性と走行性を両立するスタッドレスタイヤ
ノーマルタイヤとの違いは別の記事で詳しく説明するが、凍結道路に対応するスタッドレスタイヤの最大の魅力は、一度履いてしまえば、着脱の煩わしさから開放され、雪の降らない季節と同じように旅が続けられる点にある。
また高速道路の「チェーン規制」も、一部の地域を除けば、このタイヤを履いていればフリーパスになる。
つまりスタッドレスタイヤは、国道や高速道路を長距離ドライブし、時には町中を観光するクルマ旅にとっては、まさに最適と呼べる選択肢である。
しかも、ただでさえ昼間が短い冬のクルマ旅では、労力に加えて移動時間のロスをも削減できるメリットは計り知れない。
ただしスタッドレスタイヤを装着していても、「滑らない」確証はなく、ノーマルタイヤに比べると、そのリスクが格段に低いというだけだ。
実際には道路状況が悪ければ、その上からタイヤチェーンを巻いてグリップを補助することもある。
写真は、近年注目されている布製のタイヤ滑り止めカバー「オートソック」。
ノルウェーで開発された「オートソック」は、瞬くうちにその性能が認められ、現在では国内自動車メーカーが純正オプションとして採用している。
タイヤチェーンの難点は、着脱の煩わしさにある
単純に「滑り止め」として考えるなら、スタッドレスタイヤよりもタイヤチェーンのほうが有効であることに間違いはない。
ただタイヤチェーンは、状況に応じて付けたり外したりする手間が生じる。
やればわかるが、吹雪の中でかじかみながらの着脱作業は想像以上に煩わしい。
加えてアスファルト上では、チェーン装着時の乗り心地と走行性は著しく悪い。
スキー場に続く道のように適度に雪が積もっている場合は、そのデメリットも緩和されるが、峠のように凍結走路や雪道と、乾いた路面が交互に現れるような道では、振動と騒音が激しく、おそらく装着したままだと、そう長くは走れないと思う。
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